銀行で、VIP扱いされた女性を見かけたので、ラインで旦那に「お金持ち登場」って言ったら、旦那に「早く『乾媽』に挨拶してよ。」って言われました。
「乾媽」は文字だけ見れば、「ドライのママ」だけど、華人世界では「義母」という意味です。
日本語では、継母、配偶者の母、養母など、血のつながりがないお母さんはみんな「義母」ですよね?
でも、華人世界では、
お母さんのように優しくしてくれる年上の女性とは、お互いに「本当の母子」のような関係を築いたら、その女性を「乾媽」と呼びます。
配偶者の母なら、「婆婆」。
継母は「繼母」、養母は「養母」。
超複雑な台湾人の家族や親戚呼び方(追伸あり)で紹介したように、日本語の「義母」のような共通の呼び方がありません。
そして、この「乾媽」についてですが.......
お母さんは「媽媽」、お父さんは「爸爸」ですから、男性バージョンだったら「乾爸」になりますが、ほとんどの人は「乾爹」を使っています。
「爹」というのは、「爸爸」の古語です。
「乾爹」というのは、お父さんのように優しくしてくれる年上の男性のはずですが、現代では「パパ活」の「パパ」のようです。
全体的には、「乾爹」と「乾媽」は、お金持ちで、お小遣いをくれる存在なので、台湾人のユーチューバーたちは、冗談のつもりでスポンサー企業を「乾爹」と呼んでいますね。
そして、台湾人は「半路認乾爹/乾媽」系の冗談が好きです。
「半路」は道の途中。
「認乾爹/乾媽」は「相手を乾爹/乾媽にする」。
つまり、道の途中でお金持ちを見かけると、すぐにその方の前にひざまずいて「乾爹」と呼ぶ行為。
実行する人はいないと思いますが、
わが夫婦のように、銀行でお金持ちのような年上の女性を見かけると、「ほら!『乾媽』だよ!早く挨拶して。」という冗談を言う台湾人が多いと思います。
ちなみに、台湾ではパパ系以外には、また凄い「乾爹」と「乾媽」がいますよ。
それは、神様です
子供がお体が弱くて病気になりやすい親は、廟の神様に「この子の乾爹/乾媽として守ってくれませんか?」ってお願いします。
そして、ある儀式によって神様から「OK」と返答されると、神様がその子供の乾爹や乾媽になります。
その後、毎年感謝として廟へ行って乾爹や乾媽である神様に挨拶しなければなりませんが、こういう「契約」は子供が大人になると自然に消滅するので、それからは挨拶するかどうか、個人の自由です。
旦那も子供の頃によく入院するほど、お体が弱かったから、神様の乾爹や乾媽を持っていたそうですが、旦那は毎年家族と一緒にその廟へ挨拶に行っていますが、義両親は理由がなくても廟へ行くし、子供に物事を説明しない性格だし、旦那自身は「乾爹や乾媽をもっていたようだ」くらい曖昧な記憶しか持っていません。
もちろん、義両親に聞けばいいですが、迷信の世界に巻き込まれたくないので、なるべく義両親に宗教について聞かないのです