台湾の優先座席にまつわる炎上事件 | 台南在住日記とか

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 先週、台湾では有名な作家である李昂(リ・アン。70代)はSNSで若い女性が電車の優先座席に座っている写真を晒して「女子高生なのに、優先座席をお年寄の私に譲らないのはどうして?妊娠しているの?少子化社会に、こんな若さで妊婦になった方がいるのは、おめでたいよね。」って批判しました。

 

 台湾では、優先座席を「博愛座」といい。

 

 「博愛」というのは、「誰もみんな愛している。誰もみんな愛されている。」ですから、「博愛座」に座る資格をもっている人はもちろんお年寄や妊婦だけではなく、お体の調子が悪い人なら、老若男女問わず、誰でも座ることができます

 

 だから、

 

 こういう優先座席に座っている人が若いから、勝手に顔の写真を撮って晒して批判するのは、もちろん炎上しますね。

 

 

 台湾の若者が席を譲ることが、よく台湾の文化として言われていますね。

 

 個人的には、子供の頃から、「席をお年寄りや妊婦に譲るべきだ」と教育されてきたので、立てているお年寄りや妊婦がいると、自然と立ち上がって譲りますが、やっぱり困る場合があります。

 

 それは、指定席を買ったのに、電車に乗ると、自分の席に座っているお年寄りがいること、あるいは、指定席に座っていると、お年寄りが「席を譲って」と言っているようにわざと迫ってくること。(実際に「譲りなさい」って伝える人がいるそうですが、私は経験したことがありません)

 

 

 前者なら、もう座っているので、相手が電車を降りるまでに待機しますが、後者だったら、その態度が気に入らないので、無視します

 

 たぶん、私は運がよかったかもしれません。

 

 だから、無視すると、相手は大人しく離れますが、実は怒られたり叩かれたりすることを経験した台湾人の若者が多いそうですね。

 

 ちなみに、実は台湾の電車では、特別な空席を用意しているので、こういう場合には、電車のスタッフに通報すれば、そのお年寄りを特別な空席まで案内してくれるそうです。

 

 

 ということで、よほど体調の悪い場合じゃないなら、優先座席に座る台湾人の若者が少ないです。

 

 逆に言うと、優先座席に座っている若者がいると、外見からそうじゃなくても、実は不調を抱いているとは言えます。

 

 

 個人的には、指定席じゃないなら、一般座席にも座らないのですね。

 

 ぼーっとしたいので、電車に乗る乗客の中に、弱そうな人がいるかどうか一々確認するのは、逆に疲れますから。

 

 

 お父さんの病気のために、頻繫に台中へ行く時期にも、なるべく高鐵(新幹線)とタクシーを利用していました。

 

 料金が高い高鐵を利用するのは、若者やビジネスマンがほとんどなので、とても平和です。

 

 だから、席を譲る体力がないことが予想できる場合は、高鐵やタクシーを利用したほうが楽。

 

 

 それも、

 

 李昂という作家さんが嫌われる理由の一つです。

 

 

 経済的には余裕を持っている有名人なのに、席を確保するためにタクシーを利用しなくて、疲れ切った一般人の若者から席を強奪するのは、理不尽すぎますよね。