私にとって、夏の風物詩といえば、たけのこと豚骨で作った「筍子排骨湯」というスープです。
いつも昼間に食材を電鍋に入れて、2~3回煮てから、食べる前にもう一度加熱をすると、苦味がまったくないおいしいスープになりますね。
そういえば、たけのこが私が台南が大嫌いな理由でした。
台湾の真ん中には「南投」という場所があって、たけのこの産地で、地元の「彰化」が隣にあるので、たけのこの料理が多いですよ。
台南も「龍崎」などたけのこの産地があるのに、たけのこの料理があまりないのです。
あっても、おいしくないのです。
たけのこが大好きな私にとって、まるで青天の霹靂。
幸いに、値段は中部よりやや高いですが、市場やスーパーで普通に売っているので、自分で作ればいいです。
そして、息子の嫁がたけのこが大好きなことを知った義母は、たけのこやたけのこの料理を見るたびに絶対に買ってくれる時期があります。
そのお気持ちが嬉しいですが、実は困りました。
台湾ではたけのこを長く切って干した「筍乾or筍干」がありますね。
それをルーローと一緒に煮ると「魯筍乾」になって、市場では惣菜として売っていますが、なぜか、絶対に豚肉の臭みがありますから、好きではありません。(レストランの「魯筍乾」なら、臭みがありません)
地元の市場では丸鶏と一緒に煮るタイプがあって、いい匂いがしてスープとして飲んでもおいしいです。
でも、
「たけのこが好きだけど、市場の魯筍乾が臭いからいやです。鶏肉と一緒に煮たほうが好きです。」って、最初から詳しく言う人がいないのですよね。
だから、義母がそれを知らずに私のために「魯筍乾」を買ってくれた時に、臭くても感謝を持って食べました。
そして、二回目から、義母がみんなで一緒に食べる惣菜だけではなく、夫婦で自宅で食べれる分まで用意してくれました。
もう、こういう「魯筍乾」が好きじゃないよって言えるタイミングを見事に逃しましたから、旦那と相談してみました。
「食べきれないし、Sineadの胃がよくないので、たけのこを食べすぎると胃が痛いから。」って断ってくれました。
そのおかげで、悩みが解決されました。
解決されたはずなのに......
ある日、仕事をしていると、義母が急に訪れてドアベルを鳴らしました。
二つのたけのこを買ってくれて、そして、今、すぐ、うちのキッチンで下処理をしてくれようとしました。
「ありがとうございます。下処理は自分でできますよ」って、必死に断りました。
仕事の途中に義母を接待したくないし、それより、一番避けたいのは義母に下処理させることです。
なぜなら、私は、
タケノコのスープなら、薄く削るのが好きです。
切るのではなく、削ったたけのこならではの食感が好きです。
でも、義母は便利のために、3㎝のかたまりに切るのですから、食感がともかく、下手にすると苦いですから、本気で、自分で、下処理を、したいのです。
「でも、Sineadがたけのこの下処理ができないよね?」
「できますよ。」
うん?たけのこの下処理ができないって断言できる根拠は?って考えていましたが、とにかく、断りました。
ようやく、ほっとしましたね。
ほっとしたはずなのに......
次は、
3㎝のかたまりに切って一度茹でたたけのこ。
柔らかくて削ることができないたけのこ。
「Sineadが下処理ができないと思うから、下処理をした。」って義母が笑顔で出しました。
たけのこ国の住民(?)であるこの私は、たけのこの下処理ができないって断言できる根拠は一体何なんでしょう?たけのこ国の住民(?)をなめないでくださいよ!!!!!!!!
って考えましたが、無言のまま受け取りました。
一体、どこまで断らなければならないのですか?
これを断ったら、次は何なんでしょう?
その後、旦那に「私は、食事に対していろいろなこだわりがあるし、自分のペースで食材を準備したいし、今度はどういわれても断る」って伝えました。
「断れば。」って旦那の理解を得てから......
「下処理をしたたけのこがあるよ。持って帰って。」by 義母
「私も買ったから、大丈夫です。」実は買ってないけど
「たくさん買ったのに......」by 義母
「義父と一緒に頑張って。」
「持って帰ってよ。」by 義母
「旦那!お母さんがたけのこが食べきらないって言ったけど。私も買ったから無理。旦那はどう?食べる?持って帰る?」
「いやです。」by 旦那
「じゃあ、いやです。」by 私
「えっ?本当にいやなの?」by 義母
「いや。」byわが夫婦
それを何回繰り返したら、ようやく、たけのこの悩みとさよなら。
たぶん。