なにか、しまった、というような、やられた、とでもいうような、苦しいような表情を碧様はした。
いまはもう立ち上がっている姫神様に、もう黒いチョーカーはなかった。
手を差し伸べて、碧様を立ち上がらせると、湖の中央に向けてあゆみ出された。手を引かれて碧様も蓮の葉の外へ出る。
まん真ん中
そこでふたりはまた跪き、少し沈んだ。
私はあの時紅に飲ませてもらった、良い匂いの甘い液体を思い出す。
沈んだ碧様の膝元から、眩いエメラルドの光が滲んでくる――それは碧様を包みながら湖の色をさざめくように光で満たしてゆく。
それはかなり長い時間で、碧様はなにか懸命に祈りをささげているように見えた。