屋台を巡り歩いて、小腹が空けばおやつがわりに陽関のまんじゅう、とか、お祭りを満喫していた私たちが歩くのにいいかげん疲れたころ、日もそろそろ落ちるかな、という時刻だった。
『一度部屋に帰るか』
と聞いたお父様に、『ええ~』と返したのは私だけ。『そうしましょう』と言ったお母様はもう足を城に向けている。『ええ~?』
『レストラン入ろうよ。それでいいじゃん』
と、食い下がったら、ふたりは目を合わせて、それから笑った。
『何よ』
私はもう拗ね拗ねモードだ。
『菫がわがまま言うの、久しぶりだな~って思って』
お母様はそう言ってまた笑った。お父様も笑った。