広い広い守護の里――移動は豹様のおかげで一瞬だが、やはり時間がかかった。
紅は眠る・・・守り石を出すと、3日は眠る。
だいじょうぶだから、と姉さま方に言われても、紅に言われても、心配で仕方がない。
豹様が、
『小さい頃から髪を伸ばしておけばこのようなことも少なかったものを』
とおっしゃっていた。
紅の髪は短い。
豹様の言葉を聞いたユカリ姉さまが、
『どうしても嫌だって言って、すぐ切っちゃうの。抵抗っていうか・・・ほんとうに、嫌だったの。三宮になるのが』
と言って、ため息をついた。
天界で髪の短い者は少ない方だ。
だから、紅のように肩までもない長さのひとは、珍しかった。
特に女の子なら、まずいないと思う・・・だから、私間違えたんだわ。
『髪って短いとどうなるの?』
私が聞くと、緑子様が答えてくれた。
『髪が長ければ、三宮や守護は、自分の持っている力を蓄えることができる。この子はまだ幼いからなんともないが、わたくしのような大人で髪が短いと、力が行き場を求めて暴発してしまったり、または流出し続けて、非常にもったいない状態になるんだよ』
私は閉まらない蛇口を思い浮かべた。
『今すぐにでも、伸ばした方がいいの?』
それはもう、もちろんそうさ、と緑子様がうなずいた。