『ひとんちで何だ?凄い面子が大勢で』
いきなりそう言って男が入って来た。
長い美しい金髪、オリーブグリーンの輝く瞳――第一位の守護者、翠――この山荘の主だ。
『華瑶苑の継承が早まってな・・・しばらく邪魔するよ』
豹が無表情でそう言うと、翠は何か言いたそうに指を動かしたが結局、『風呂に入る。俺の生活に干渉はナシだからな!』と言い捨てて奥に消えた。
それを了承と受け取って、豹は残る二人の宮へ言った。
『これより梅宮は、おそらく何週間にわたり眠り続けることとなる。その方らは妾と先に継承の儀を続ける。良いな』
良いなと言われて否と言えず、二人は言葉を呑んだ。
ここに置いて行くのか?たった9歳の妹を?突然の運命に翻弄されて伏している妹を?
『・・・わたくし達には時間があるはずでございますね?』
やっと松宮は口を開いた。
『妾には付き合う理由がないな』
『梅宮を支えることを許されたはずでは?』
そもそも三宮の同時即位は、あり得ない年少での梅宮の即位の補助のためであったはずだ。
豹は松宮を少し見つめると、ぷいっと横をむいてあくびを一つして、くるっと黒豹の姿になるとうずくまって眠ってしまった。
『・・・良いということかしら・・・?』
竹宮がそう呟くと、黒豹はしっぽをぱたんと一度だけはたいた。