庭にできた空間の中央に、小さな真っ白い光が生まれる。
強くなりつつある日差しが一番強い時間にも関わらず、その光は目にも明らかに眩しく輝いている。
その光は徐々に円を描いて地表に広がり、紋様を浮かび上がらせた大きな扉になった。
ユカリ姉さまや緑子様、その他のそこにいた人たちが紋様の中へ移動する。お父様もお母様も私の手を取って紋様の中に立った。
『じゃあな』
紅はただそれだけを口にして、頭をかしげ気味にして笑った。
『うん。じゃあな』
透もそれだけ言って、照れくさく鼻をこすって笑った。
その仕草に紅はとても素晴らしい顔で笑い、大きく手を振って扉の上にかけ上がった。
『みんな、じゃあな!』
扉はその声が聞こえたかのように輝いてふわりと浮き上がり、上に載った人々を飲み込んでいく。
私は扉が皆を飲み込むその瞬間まで、透が細めた瞳で見つめ続ける、紅の姿を視ていた。