菫の家を飛び出して、行くあてもない俺はまた、一本木の丘へ来ていた。
ぜんぶ、知られてしまった・・・!
ぜんぶ・・・!
きっと呆れただろう――俺は女で、女のくせにこんな・・・!
笑っちゃうよな・・・
俺はぜんぶ失くしたんだ!
ぜんぶ失くしてたった一人行くんだ・・・!
菫・・・ごめんよ。
まきぞえにして悪かった。
俺の勝手な思い込みで振り回してほんとうにごめん・・・
もしも、あの石を捨てないでいてくれるなら・・・
あの石がお前のそばにある・・・それだけを、支えにして行けるよ。
お前が、俺を選ばなくても・・・!
緑子姉ちゃんは声も掛けられないで離れて立っていた。
俺が気づくと、ゆっくり歩いてきて抱きしめてくれた・・・