『なあ・・・守護ってどうやって得るんだ?』
家出ついでに、二つ先の町に住む姉の知り合いの守護の家に行ってみた。彼が守護の里に行っていない確信はなかったが、訪れてみたら在宅していたのでほっとする。もっとも、どうせ家出中なので、いなかったとしても困らない。
彼以外にもこの隣に守護は住んでいるが、こちらは姉に通報されるおそれがあって敬遠した。
『守護が愛せば得たも同然だ。どうした?いきなり』
『ううん・・・』
彼は笑って、
『いつまでも家出して帰らないと緑子が困ってるって、翠から聞いたよ』
『うん・・・』
ほんとうはずっと逃げ続けていたい。ずっと捕まらなければ運命から逃れられるだろうか・・・?
『どうすれば愛してもらえるの?』
彼は、俺がそう聞いたら振り向いてじっと見た。
読まれてんな・・・
『勝手に読むな』
頭を振ってそっぽを向いたら、『守護なんてそういうもんだ』と彼は言って鼻で笑った。
『その女の子は小さすぎる。ご両親が反対するだろう。もう日もない・・・それに、ただ守護だというだけだろう?その子が好きだという訳じゃない。たとえ得たとして、二人っきりで生活するなんて無理があるんじゃないか?』
『――だって仕方ないじゃないか!』
どうしようもない気持ちが噴出して俺は怒鳴った。
『ダチは連れて行けない!見も知らぬ女なんてごめんだ!少なくとも守護なら俺のことが好きなはずだ!ひとりは嫌なんだよ・・・!』
彼は俺が吐き出すのを黙って見ていた。
そして何か考えるように上を見て、下を見て、そのダイアモンドの瞳を閉じて言った。
『お前次第だな』
『え?』
『お前が欲しいと思うなら努力しろ。それしかないよ。人ひとりの人生をまるごともらうんだ――覚悟して、求愛し続けろ・・・何度も』
強い瞳が俺を見据える――俺は黙ってうなずいた。
好きとか愛とか・・・まだ俺には分からない。
でもこれだけは、この願いだけは叶えて欲しい―― 俺をひとりにしないでくれるなら、どんな望みでも聞いてあげる。
俺を愛してくれるなら、大切にするから・・・!
その日は彼に泊めてもらい、朝遅くにそこを出た。