4 | ロマンティックエロティックグロリアス

ロマンティックエロティックグロリアス


ふと我にかえると、すぐ先がもう春景色だった。

歩いてきたような気はしない。梅宮様が空間を曲げて下さったのか…。


『どうじゃ?晶子姫』


梅宮様が微笑みかけて、御手を庭に向けて差し出していらっしゃる。桜の花びらがその御手に舞いかかる。見上げれば桜、背後には梅、桃、花水木などの花霞み、足元には色とりどりの花々…百花繚乱とはこのこと!

晶子は言葉もなくただ花々に魅入られてしまった。


『お気に召されたようじゃな…わらわも愛らしいそなたには、春が似合いじゃと思うぞ』


そう言って晶子姫の手を取り、室内へ誘う。中は広く、何の遮る物もない。


『時々は来て、ここに慣れることじゃ…馴染めば間取りも決まってこよう』

『はい』


晶子は広い室内を少し歩いてみる。四方の入り口の綾錦、巻き上げられた御簾、足元の滑らかな桧…少し冷たいかしら…。

そう考えた瞬間、爪先から畳がざ~っと広がって、全面畳敷きに変わってしまった。


『驚いたか?じゃが、そなたの住む屋敷とて、最初はこのようであったろうよ』

『わたくしの家がですか?…初めて伺いました…』

『天人の屋敷はなべて同じじゃ。最初はの』