『ですが、わたくしには少し絢爛に過ぎるかと思われます』
梅宮様はうなずいて、
『そうか。では東か南じゃな』
と言うと再び歩き出す。晶子は聞いてみた。
『では、東方は春で、南方は夏なのでございますね』
『その通りじゃ。どちらが好きかや?』
晶子は少し考えて、『やはり春でしょうか…』と言ってみた。梅宮様はすると、ふと足を止めて晶子を振り返った。が、すぐに『東ならば反対じゃな』と言ってまた歩き出した。
今の間は何かしら?わたくしが変なことを言ってしまったのかも…
晶子は気にし始めると止まらないところがある。至らない娘と思われていたらどうしよう…
『晶子姫…』
ふいに梅宮様は、笑みをもらして、『心配性なところは、父君にそっくりじゃな』と振り返った。
『わらわはそなたのことを娘のように思いたい。あれこれ世話を焼きたいのよ。故にそなたが心配せねばならぬようなことは何もない』
特上の笑顔で言われてしまった。
そんなことを言って下さるなんて、思うだけでも顔が赤くなってしまう!
こんな素晴らしい方に、娘だなんて!
梅宮様は晶子の頬に左手を添えて、
『そなたは水晶眼の娘…。何ものをも見透し、すべてを映し出す…。今はまだできなくとも、その力はそなたの中に眠っている。わらわが導くゆえ心配いたすな。今はその素直な心だけで良いのじゃ』
梅宮様のトパーズの瞳が美しく輝いている。目眩のような陶酔感――
