132 | ロマンティックエロティックグロリアス

それはでも、私たちが初めて二人でここへ来た時に見た、あのうっそうとした森ではなかった。

濃密な水蒸気に包まれた熱帯雨林、大型の鳥類の声が響き渡るジャングル――それが栗宮様の森だった。


でも紅の森は違う。


住まいは変わらず、和風の大きな平屋、紅の家だった。

そして、それを囲むのは桜や梅、桃、ハナミズキや百日紅・・・どれも親しみのある花木で占められていた。

少し奥へ入るとそれは銀杏や松、楠、竹などのやはりよく目にした花のない植物が配される。


私が行けるのはそこまで。

その先は――


巨大な樹々の王国。

気の遠くなるほどの生き物を擁する、人のいない世界、あふれんばかりの命のゆりかご。


それが紅の見ている夢。


この、華瑶苑。