ザ・コンサルタント(2016) | 我が愛しのカルト映画

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カルト映画に限らず、主に旧作を中心に【ネタバレ】全開で映画の感想を書いています。
細かい考察はできませんのであしからず。

ザ・コンサルタント
The Accountant
Director: Gavin O'Connor
★★★☆
 
 会計士の裏の顔が、実は凄腕の殺し屋だった。というのが基本の設定なのだが、主人公のクリスチャンは、どこか性格的にも難ありな人物。その真相は早い段階で明かされるのだが、クリスチャンが自閉症であるがゆえのこだわりが劇中の至るところに出てきて、さながら殺し屋版『レインマン』のような趣。しかし、デイナという女性と出会ったことで、彼の心の中に変化が訪れる過程は微笑ましくもあり、彼なりの人間的な成長が垣間見れるのだ。よくある人間ドラマで済みそうな題材を、アクション映画として描いたところは俺としてもポイントが高い。激しい銃撃戦っての、やはり観る者を熱くするのだ。
 
 所々で挿まれる少年時代の回想シーンで、クリスチャンの弟がいつも彼の傍らにいて父親から一緒に訓練を受けていたのだが、「そう言えば、あの弟くんはどうしたんだろ?」という疑問がクライマックスで明かされる。ギャビン・オコナー監督は、「兄弟の対決」というモチーフが好きなんだろうな。あんな状況下で久しぶりに対面した2人が仲直りできるもんなのかは知らんけど。
 
 ベン・アフレックはどこか表情に乏しいところがあるので、こういう捉えどころのないような役にはピッタリ。部屋中の壁をビッシリと埋め尽くした計算式。黙々とそれを書き続けるシーンは、『グッド・ウィル・ハンティング』的でもある。ああ、そうだ、その映画の脚本を書いたのはベン・アフレックなんだっけ。クリスチャンは3という数字にこだわりがあるようなのだ。射撃の的となるメロンが3つ、とかね。
 
 
【2017年1月22日(日)鑑賞】字幕版