ペンギンズ from マダガスカル ザ・ムービー(2014) | 我が愛しのカルト映画

我が愛しのカルト映画

カルト映画に限らず、主に旧作を中心に【ネタバレ】全開で映画の感想を書いています。
細かい考察はできませんのであしからず。

ペンギンズ from マダガスカル ザ・ムービー

Penguins of Madagascar

Directors: Eric Darnell, Simon J. Smith

★★★

 

 『マダガスカル』3部作、およびそのTV版スピンオフでお馴染みペンギンズを主役にしたCGアニメ。映画版とTV版とでは設定に若干の違いがあるようだけど、これは映画版ということで、『マダガスカル3』から続くお話のようなのだ。ペンギンに人気を奪われたタコのデーブが、世界中の動物園のペンギンたちに復讐を企てるというのが大筋。デーブの野望を阻止するべくエリート・チームのノース・ウィンドとペンギンズが入り乱れて任務に取り組むわけだが、ペンギンズは無計画で行き当たりばったりなので、ノース・ウィンドの足を引っ張ってばかりいるのだが、隊長にはその自覚がない。そんな中、デーブに囚われた新人を救出するためにノース・ウィンドが立てた作戦に多数決で隊長が賛成するくだりが、ちょっと泣ける。可愛い部下である新人を救い出すには、今までの無計画ではダメなんだと隊長が悟る。隊長の部下に対する思いと、ペンギン的(?)な成長が窺える名場面だ。こういうシーンをサラリと入れるドリームワークス、侮れん!

 

 新人がリコの真似をしてペーパークリップを飲み込むが、リコのようにペッと吐き出せなくてむせかえるくだりは、その後の展開でシッカリと伏線として回収されている。綿密に立てた計画でも、失敗することはある。そんな時は、たとえ思い付きだったとしても別の手段で上手く乗り越えられることもある。ペンギンズとノース・ウィンドは対立していたが、最後に仲直りをするのは定番とはいえ、やっぱりジンとくる展開なのだ。テンポもよく見せ場が満載で、特にベネチアでの逃げるペンギンズ、追うタコ軍団のスピード感溢れるシーンは、3D上映で観たらさぞ迫力があっただろうな。

 

 原語版ではデーブの声をジョン・マルコビッチ、ノース・ウィンドのリーダーであるシークレットの声をベネディクト・カンバーバッチが当てている。カンバーバッチはカッコよくキメてるんだけど、たまにズッコケるというキャラクターの声を当てていて、これが上手いのなんの。よく、声を当てている人の顔がチラついてストーリーにのめり込めないという批判を見かけるが、俺の場合は逆で、「あのカンバーバッチがこんな三枚目を!」という感じで楽しかった。マルコビッチも憎たらしいキャラを楽しそうに演じていて、声優もイケるんだな。

 

 

【2017年1月2日(月)鑑賞】BD 字幕