いつも通り、
「お変わりありませんか?」
「ありません。」
「困っている事はありませんか?」
「困っている事って、無いわねぇ。」
「では、同じお薬出しておきますね。」
という先生と母の会話がありました。
という先生と母の会話がありました。
母は困っていないので、クリニックに通う必要はないと思っているのです。
「◯◯さんにね、『⚫︎⚫︎さん、精神科なんて通う必要ないじゃない』って言われているのよ。」
と待合室で待っている時に、私に言う母。
「そうね。でもね、ここでもらう薬が合っているみたいだから、ずっと飲んだ方がいいと思うのよ。」
と返す私。
「そうかしらねぇ。」
と母。
母が診察室を出てから、認知症は進んでいる気がすると先生に伝えました。
忘れっぽいのが増えているし、携帯電話は全く使わなくなった(解約したらいいのに・・
)し、
でも、本人が困っていないって言い張っているから・・・・どうしようもないのですけどね。
実家の玄関の照明スイッチは、玄関・靴箱・門灯・ポーチ・階段・廊下とスイッチが6つも同じ所に在ります。
お客さんが来た時に、門灯を点けようと、母は「あら、おかしいわね。点かないわ。」と言って、スイッチをパチパチ入れたり消したりしていました。
私は後で、壊れたのか電球が切れたのかと思って、スイッチを押してみたのですが、ちゃんと点きました。
40年以上、この家に住んでいるのに、スイッチの場所を忘れてしまったんだなぁ。と分かりました。
なんてエピソードを先生に伝えました。
2月に、母と姉が喧嘩をしたが、それ以来、大きな言い争いはしていないし。
ヘルパーさんが週1で掃除をしてくれているので、以前より綺麗になっていると思いました。
お医者さんは、
「認知症は良くはならないのですけど、進行を抑える薬があります。けれども、認知症の薬はどれも気分を上げる効果もあるので、お母さんには向いていないと思います。だから、出しません。今まで通り、漢方薬だけにします。」
と言われました。
私もその方が良いと思いました。
気分が上がって、あちこちに文句の電話をかけられたら困ります。
そんなこんなで、クリニック受診は終わりました。
その後、ショッピングモールに買い物に行って、
姉が家に帰った後、
「眼鏡とマスクを亡くした。◯子ちゃんの車に置いて来たかしらねぇ。」と騒ぐ母。
姉に連絡して、車を調べてもらったけれどもありませんでした。
「マスクは無くなってもいいけど、眼鏡は困るわねぇ。
クリニックかショッピングモールで落としたかしら。」と母に言いながらも、
クリニックでもショッピングモールでも、眼鏡は使わなかったから落としてはいない。持って行っていないんじゃないかなぁ。お家に有りました。になるんじゃないかな、と思っていた私。
次の日の朝、「眼鏡、見つかったのよ。」と母が報告してくれました。
「どこにあったの?」と聞くと、
「鞄の中にあった。」と答える母。
「昨日、鞄の中を一緒に探したのにおかしいわね。」と言うと、
「それが、2つ折りの財布の間に挟まっていたの。」と答える母。
「へーー、そんな所に挟まっていたの!すごいわね。」と答えましたが、信じていない私です。
だって、ショッピングモールの帰りに薬局に寄って、母の代わりに薬を受け取りお金を払ったのは私なのです。
だから、お財布は薬と一緒の袋に入れて帰り、家に帰ってから母に渡しました。
財布に眼鏡が挟まる筈がないじゃありませんか。
母は、絶対に自分の否は認めません。
いいのです。
眼鏡は見つかったのですから。
緊急事態宣言下。
お盆には帰省しないけど、元気でね。
と言って実家を出ました。
只今、新幹線の車内です。