成都にガンダム降り立つ?!
「成都にガンダムが降り立ったらしい」
年の瀬の押し迫った昨年暮れの日本に、その衝撃のニュースは流れた。なんでも成都市の『国色天郷楽園』という遊園地に突然ガンダムが出現したというのだ。
初めはネット配信の小さな記事だったのだがやがてそれを大手マスコミが取り上げるようになり、終いにはAFPやウォールストリートジャーナルのような国際的なメディアまでが報道する事態に発展。しかも徐々に明らかにされていった情報によるとそのガンダムは金色のナイロン製で、夜はライトアップされ黄金色に輝くらしい。つまり「ねぶたガンダム」なのである。
そうと聞いたら見に行くしかないだろう。何を隠そう自分、無類の中国インチキ遊園地好き。北京オリンピック直前にお茶の間を賑わした北京のインチキディズニーランド『石景山遊楽園』にもわざわざ足を運んだ 漢である。
twitter上の行って来いコールにも背中を押され、ガンダム表敬訪問は今回の重要なミッションの一つとなった。
『国色天郷楽園』行きのバスは新南門汽車站から出いる。ここはカム各方面へ行くバスが出ているのでチベット好きにはお馴染のバスステーション。
んでターミナル内ではなく建物正面右側に流れている「府南河」というドブ側沿いを100mほどテクテク歩いていくと、
ここで904路のバスに乗れば終点が『国色天郷楽園』。とっても簡単♪
さてバスに揺られること一時間半、飽きるほどバス停に止まりながらようやく『国色天郷楽園』に到着。
『国色天郷楽園』外門。のっけからハートを鷲づかみされるようなチープなオブジェに否が応にもテンションが上がってくるww
ニンジンと見せかけて四川省ゆえに唐辛子とかだったりして(笑)
『国色天郷楽園』入口。入場券を買おうと思ったらクリスマスフェアとかでなんとこの日は入場無料だった。ありがとう『国色天郷楽園』、一生の思い出にします。
夢の国のキャラ像の前で嬉しそうにはしゃぐ中国人家族。あのキャラどっかで見たことがあるような気が…
どこぞの遊園地のネズミキャラを力尽くでパンダにしたっぽい『国色天郷楽園』のシンボルキャラ。でもどことなくホラータッチ。。とりあえずキャラの名前が分からないので左を「コルホーズ」、右を「ソホーズ」と命名。
シュールレアリズムを履き違えたとしか思えないグロテスクなオブジェ。今回ブログを書くため画像を整理していた時に初めてコレが「ジャックと豆の木」のパクリであることに気がついた。
さて、のっけからパンチがキツかったので少々浮足立ってしまったが、自分は「ガンダム視察」という重要なミッションを帯びているのでまずはそこへ向かうことにする。するとすぐに、、
これは下半身がマーメイドなジム?!てかファーストガンダムなめてんのか。
と、意味不明なサブキャラは跋扈しているものの肝心のガンダムは、、
イヤな予感はしていたんだよねぇ。。
というのは当初は「完全なオリジナル」と強気の姿勢を崩さなかった遊園地側も、版権会社が調査に乗り出したあたりからさすがに事態の深刻さに気がついたらしく、旅行中の自分の元には、
・「調整の必要ありとの理由でガンダムの顔に覆いが被された模様!」
・「ついに張りぼてのナイロンが剥がされ始めた模様!」
・「ロボット?!はぁ??!!そんなもんありませんけど何か」(by遊園地側談)
等、日本のガンダムウォッチャーたち(←意味が違うけど・笑)から次々と情報が送られてきていたので、(ひょっとしたら石景山遊園地の時の偽ミッキーや偽ドラえもんのようにキレイさっぱり消え去っているかもしれない…)という心配はしていたんだよね。。
いちおう確認の為、係員らしき人物を捕まえ、
自分:「あのぉ~地球連邦軍の方でしょうか?小日本からガンダムの表敬訪問に伺ったのですが…」
と聞いてみると、
係員:「ガンダム?!知らない知らない(苦笑)」
と足早に去って行った。ち、やはり撤収しやがったか。。
しかしみんなの期待を一身に背負ってはるばるここまでやって来てまさか手ぶらで帰るわけにもゆくまい。聞けばガンダム以外にも“香ばしいキャラ”が溢れているというではないか。
というワケでミッション変更。
ここから先は『国色天郷楽園』内の様子を楽しんでいってね♪
まずすぐにうろ覚えで作ったとしか思えないクレヨンしんちゃんのぬいぐるみが目に入ってきて目頭が熱くなる。。
続いてスラムダンクを完パクリしている的屋を発見。しかも「シュートを決めて景品をゲット!!」の景品が偽ドラえもんという二段構えの著作権侵害。(ち、日本ナメられまくってんな…)と思ったら、
続いてヤッターロボ1号っぽい捨て犬を発見。(こんな狭いところにわざわざこんなの作らなくても…)と思ったが、ここの遊園地のスタッフは園内に少しでもスペースを発見するとこの張りぼてを作りたくてしょうがなくなる強迫神経症を患っていることを後に理解する。
子供たちの心に深い傷を残すとしか思えない数々のキャラクターたち。。
完全に子供たちを恐怖のどん底に陥れようとしているとしか思えないおぞましいナイロン製張りぼての数々。。しかもこれらすべてに電源コードがつながっていたので恐らく夜はねぶたのように光るのだろう。その光景を思い浮かべただけで七色の奇声を上げて発狂しそうになった。。
ハァハァ…ドラえもんにこんなに心癒される日が来るとは思ってもみなかった。。
さてお腹もすいてきたのでここらでなにか食べてみることにする。まず園内で一番多いのがBBQの屋台。写真は羊串肉(4元)。他にもチキン、ビーフ、ポーク、魚介etc…と種類は豊富だが値段が市価の4倍と法外な上、明らかにやる気のない味だった。
お次は売店で購入したタコ焼き(三個で5元)。味の方は外はカッチカチで中はパッサパサ、ソースとマヨネーズとカツオ節のわずかな香りで辛うじてたこ焼きと認識できるレベル。マジこのタコ焼きボールにパターゴルフできるぞ(笑)。
こちらは園内のバーガーショップで購入したチキンバーガー(10元)。注文したら電子レンジで五分も加熱された。。石景山遊園地の「麦肯基
」の悪夢が頭をよぎる…
五分後手渡されたバーガーは予想通りバンズはパサパサ、チキンは衣がじめっと崩壊しており、肉は狂暴に熱いうえに生臭くて、「食べ物を粗末にしてはいけない」と厳しくしつけられて育ったがゴメンナサイ、これは一口食べた瞬間、剛速球でゴミ箱にスロウしました。。テイクアウトの食べ物を捨てたのはコベントガーデンのフィッシュ&チップス屋以来恐らく15年ぶり。
と、ここまで三連敗。いいかげんまともな物を食べないと頭がおかしくなりそうだと思っていた時に「意大利面」というステキな写真を見つけて思わず脊椎反射的にそのレストランへ入る。
これがイタリー麺(18元)。味はナポリタンとミートソースの中間みたいな感じでまぁパスタといえばパスタなのだがどこか四川風味な隠し味が余計だった。でも頑張って半分食べた。
というワケで大した量は食べていないうちに胃がリアルに痛くなってきたので食べ歩きはここで終了することにする。これはウナギの蒲焼を斬新な形で提供しているディスプレイを発見したので写真だけパチリ。
他にも「日式云々…」という看板や売店はたくさんあったが、チャレンジしていないので味の方は未知数。行かれる方は自己責任でお願いしたい(まぁおおよそ判断付くと思うけどさ^^;)
まずお約束の偽シンデレラ城を発見。遠巻きにはよくできているように見えるが、それよりもなんなんだ池に浮いている珍獣たちは。。
しかもコレ、一歩間違うと昨今じゃ人種差別レベルな気がするんですけれども。。
ろ、露天風呂(;´Д`)?!
「北海道」という門をくぐっていくとそこは焼肉屋だった(しかも閉まったいた)。なんだろう、日本のイメージは銭湯と焼肉なのだろうか?
結局、それ以外はなにも無かった。。
他にも「イタリア館」、「スペイン館」、「アメリカ館」etc…と各国別にあったのだが、イタリア館がウエディングドレスのコスプレで写真を撮るところだったり、スペイン館がビアホールだったり、どこぞの国はただのゲーセンだったり等、先に箱ありきで中身はやっつけ感満載だったので端折ります(-_- )
でもここ『国色天郷楽園』は実は地味に広くて、場所によっては水辺に素敵なオープンカフェがあったりするので、無駄に人口が多い割には娯楽の少ない成都市民の憩いの場になっていたりする。
でなきゃあんなに醜いマスコットキャラの前で嬉しそうに記念写真など撮りはしないだろう。
◇
そんなワケで約3時間ほど園内をパトロールしていいかげん精神に異常をきたしそうだったので帰ってきました。
なお今回、『国色天郷楽園』までの行き方は武侯祠の安宿 をご紹介頂いた@nightjojoさんに教えて頂きました。@nightjojoさん、重ね重ねありがとうございますたm(_ _)m
また残念ながら自分は見ることが出来なかった「ねぶたガンダム」ですが、撤収される前の貴重なガンダムの姿を@nightjojoさんが昨年取材されておりますので興味のある方はそちらをご覧ください^^
特派員が暴いたニセガンダムの真実!ナイロンボディのねぶたガンダムいきまーす!
http://kinbricksnow.com/archives/51509252.html
と、コレで終わるはずだったのについ先日、、
どっちの姿も見ることが出来ず、今とても複雑な気持ちでいる。