インテリアコーディネーター山田美彩子です。
高級マンションリノベーションの、インテリアデザインをご依頼頂きました。
高級マンション一室を音楽ダンススタジオとしてご使用されたいとのご依頼でした。
高級マンション・リフォームのコンセプトは
『パリ・オペラ座のダンスレッスン室』
美しさを追求したインテリアデザインと、
防振・遮音の機能性を重視した内装工事で
『部屋を宙に浮かす』
高級リフォームです。
そして、施工課題は、いつもと違って、、、、
防振・遮音・吸音
高級マンションの部屋を宙に浮かすなんて、わたしも初めての経験で、防音防振工事の経験ある工務店と、音響デザイン設計士、床下構造設計士、ハイブランドの照明デザイナー等、総勢5名の各専門家の叡知を結集して、インテリアデザイン設計を進めていきました。そして、完成までなんと✨15カ月を要しました。
辛抱強くお待ち頂いたお客さまに大変感謝しております。
内装のご説明をしていきましょう。
こちらは床下の支持脚の展示品です↓
用途はダンススタジオですので、まず床の構造を見直し、工法から検討していきました。
このブログでご紹介しているいつものインテリアデザインの話とは趣が異なり、メカもの中心となりますが、、、今回のリノベーションでは、防振を最重要視しているため、床下工法の検討に最も時間配分をしております。
意外!!とよく言われますが、インテリアコーディネーターである私自身は、元々オーダーキッチン設計からスタートしていることもあり、機能性や納まりを突き詰めていく作業も得意で、設計ラフ案作成や概要のご提案を行います。
構造計算や建築法をクリアした設計図面は建築士におこしてもらいます。
床下の構造部品で支持脚の展示品です。
今回の高級マンションリフォームでは、元アスリートのエンジニアで、スポーツ施設向けの支持脚の商品開発がご専門の設計士にもご協力いただいて、工事監督と共に、まずは、床下構造から見直しました。
階下の音を考慮する場合、床下を空洞にすると基本的には悪化する傾向になるとのことで(太鼓現象)、
空洞を埋めるために、構造、スラブ厚や梁のサイズ等により衝撃音が異なることも、構造計算や荷重・衝撃計算を行い、運動するときの床面の弾力や転倒時の安全性も含めてチームで検討していきました。
完成後は、床構造の音響性能を検査するために、バングマシンやタッピングマシンで床衝撃音レベルの測定を行い、お客様と構造設計士や施工業者の立会いの元、又お客様のご配慮で、階下のご家族にも防振測定にご参加頂き、どの程度、床衝撃音を制御できているかを、ご一緒に確認して頂きました。
診断結果は、「ほとんど聞こえないレベル」。
支持脚の製作会社からも、お墨付きを頂きました。
※バングマシンとは、、、階下で何dB音がするかを測り、遮音設計のデータとして活用するもので、例えば、子供が飛び跳ねる音や、ダンスの音などが階下にどのくらい影響するかを計測するために使用します。
・・・この一連の流れは、大手ゼネコン級の仕事になってしまいました💦
後に、今回床下の構造設計と工事にご尽力いただいた方々から、こんなに床下設計に熱心に取組まれるデザイナーは滅多にお見掛けしない。感動した!とお褒め頂きました。
お客様の大事な資産をお預かりしているのですから、慎重に慎重に取捨選択しながら、リフォーム工事を進めています。毎回ですが胃が痛みます。。。
マンションの諸条件により、毎回同じ工法や設計にはならないであろう、非常に難しい判断をしており、ご協力いただいた皆様に、ほんとうに心から感謝しています。
おかげさまで、マンション室内のダンススタジオとしては最強の防振床をつくることができたのではないかと自負しています。
そして床材は、バレエ・ヒップホップ・ストリートダンス・コンテンポラリー・タップ・ジャズダンス等のあらゆるダンスに適したものを。というリクエストをお客様から頂いていました。
床材について調査したところ、ダンスでお使いになる方の脚にご負担がかからないことや、経年変化等をお調べしていくうちに、パリのオペラ座のダンススタジオやロイヤルバレエ団等が使用している舞台の床材に辿り着き、床材はロンドンからお取り寄せすることになりました。
コロナ禍で海外からの輸入品は納期が不安定という状況でしたので、まず最初に海外手配して資材確保しています。
床材フロアシートのサンプル↑
候補にあがっている床材には、ダンスの種別に材質の違いがあることをご説明して、大きめサイズのサンプルを取寄せたものを床に並べ、国産メーカーとの比較も行いながら、お客さまにお選びいただきました。写真では同じグレーが並べてあるようにしか見えませんが、実際お試しいただくと、足の滑り方など随分違いがあるとの事でした。
それもそのはずで、ダンススタジオや劇場のコンサートやオペラ公演にも適している床材で、プロダンサー・芸術監督らも大絶賛する、ダンサーの要望に合わせて設計された床材なのです。
お客さまからのリクエスト通りに、あらゆるダンスにも理想的な最高のフロアに仕上がりました。
床・天井・壁を
『部屋を宙に浮かす』
本格的な音楽ダンススタジオへリフォームが始まりました。
長くなりましたので、内装デザインは次回お伝えしますね。
それから、インテリアデザイナーなのに、なぜこのハードな建築工事に関わることになったのかを、最後に改めてご紹介したいと思います。
デザイン性のある防音室は、初めて手がけましたが、残念ながらまだ、既製品ではほぼ見つからないことが、市場調査をしたことで、よくわかりました。
お洒落な音楽スタジオやダンススタジオのリフォームは、戸建住宅よりマンションの方が難しいというか、集合住宅は、できることに制限があるので、完璧な防音や防振工事をすることは不可能ですが、制限のある中でも、最適なものをセレクトして、気分のアガる空間があったらいいですよね。
そのようなお考えの方のお手伝いができたら幸いです💛
素敵なインテリアデザインで、音楽スタジオやダンススタジオにリフォームをご希望の方は、是非お問合せくださいませ。
是非フォローしてご覧くださいね❣
●大人のアウトドアリビング屋外用高級家具のコーディネート(東京都渋谷区)
●160㎡超高級賃貸マンションのインテリアコーディネートご依頼(東京都港区)
高級ホテルライクで美しいインテリアデザインにさせて頂きます!
お気軽に下記までご相談くださいませ。
Copyright ©ティアラジャパン All Rights Reserved