言わずと知れた、フィンランド映画界の巨匠。
主人公は美男美女とは言い難く、無表情でぎこちない動作、淡々としたセリフが多い。
でもそれが心地良く、つい何度も繰り返して見てしまう。
ノスタルジックで温かみのある画質も、音楽もいい。
なぜか主人公が暴漢に襲われて血まみれになるのも、様式美といったところか。
特に労働者三部作と敗者三部作が好きで、中でも「過去のない男」と「パラダイスの夕暮れ」が気に入っている。
20代の頃、北極圏に住むフィンランド人の友人宅に数週間滞在したことがあった。ちょうど白夜の時期で、日が沈まず夜通し明るかった。
日本人とフィンランド人は似ているという。
友人一家やその友人知人など、そこで出会った人たちは、まさにカウリスマキの映画に出てくるような、物静かで繊細なタイプが多かった。
あの頃は今のような北欧ブームもなく、フィンランドというと、ムーミンやサンタクロース、シベリウス、指揮者のエサ・ペッカ・サロネンくらいしか思いつかなかった。
尤も、北欧テイストは好みではないので、今もブームにのっていないが。
例えば食器でいえば、マリメッコの大胆なケシの花やイッタラより、ヘレンドのウィーンの薔薇やロイカーカムなどのルドゥーテの薔薇のような、繊細な薔薇柄が好み。
奇しくも、その友人宅でテレビをつけたら、たまたま何かの国家行事の記念式典が生放送されていて、サロネンがその演奏の指揮をしていた。
「あ、サロネンだ!」と声をあげると、「よく知ってるね。日本でも有名なの?」と驚かれた。
それから何年も経ち、コロナの数年前のこと。
仕事帰りに、サロネン指揮によるフィルハーモニア管弦楽団のコンサートに行った。会場は上野の東京芸術劇場。
ベートーヴェンの交響曲第7番が演奏された。全ての交響曲の中でベートーヴェンの7番が一番好きなので、楽しみにしていた。
だが、サロネンの7番はあまりしっくりこなかった。あくまでも私の好み・感想だが、他の指揮者やオーケストラの7番に比べると重厚さがなく、すーっと明るく軽快に流れていくように感じた。
カウリスマキから話がだいぶ逸れた。
7番はアバド指揮のベルリンフィルのコンサートでも聴いたことがあったが、さらに話が逸れ長くなるので、また今度。
こちらは海外作家さん作。実物はもっと上品で大人びた顔立ちで、赤ちゃんというより少女といった印象。ロンパースは似合わなそう。
ずっと気になっていたところ、大幅にディスカウントされたので、深夜に即ポチっとやってしまった。
この可愛らしい服だけでなく、クーハンや布団までついて6千円台と、恐縮してしまうほどのお値段だった。
似たような雰囲気のロンパースがあったことを思い出し、双子の新しい子に着せた。
大きくなったら、ちびまる子ちゃんの大野くんと杉山くんのようになりそうな、イケメンくんたち。