ウルトラマンオメガ(2025)

ウルトラマンオメガの第1話を見ました。

ウルトラマンオメガは主人公の人間態がウルトラマンと同一の擬態型のようです。これは個人的に好みのタイプ。ウルトラマンシリーズだからこそできる、異星人のヒーローという独自の持ち味が強調されるからです。ウルトラマンメビウスやウルトラマンオーブを彷彿とさせますね。

本作のメイン監督を務めるのは武居正能監督。ウルトラシリーズにおいては「ウルトラマンR/B」(2018)「ウルトラマンデッカー」(2022)のメイン監督を務めたことで知られます。「ウルトラマンオメガ」ではどのような新境地を切り開くのか。

第1話の見どころを振り返っていきます。

【まっすぐで、不思議な主人公】


本作の主人公ウルトラマンオメガ=オオキダ・ソラトは少し変わった青年として描かれます。宇宙から初めて地球に飛来したということで地球の文化や常識には詳しくなく、目につくものを手あたり次第、興味の向くままに持ち上げたり、ひっくり返したりして学ぼうとします。

ちょっぴり迷惑なものの、悪気があるわけではなく、何にでも興味を示す態度は独自の愛嬌を感じさせます。また、浮世離れした彼のたたずまいは彼がウルトラマンということに説得力を与えます。

そして、地球の文化や常識は学ぶ途中なものの、困っている人や怪獣に襲われる人を見たら迷わず助けに入る。人助けの姿勢には一切の迷いのない姿勢を見せるメリハリの描写は、ソラトを好感の持てる主人公として演出します。

また、記憶喪失という背景から、まずは目の前の情報を素直に評価しようとする姿勢は、迷いや照れといった心の回り道とは無縁。コウセイの優しさを素直にまっすぐ評価し、ソラトとコウセイの間に信頼が生まれる流れは見ていて気持ちの良い展開です。

【話運びが上手い!】


そして、話運びが上手い。ソラトが興味の向くままにコウセイの部屋を調べ回ると、コウセイは「俺のスパイク!」「俺のメダル!」と絶叫。これだけでコウセイが陸上の選手として実力者だったことが伝わる。また、この一連の流れでソラトを見捨てないコウセイの描写から彼の面倒見の良さも伝わる。必要な情報量が多くなりがちな一話において、滞りなく話が前進する構成は見事。

ソラトがウルトラマンオメガとなり、怪獣と戦い始めれば、コウセイもまた、自分にできる範囲の人助けに邁進する。それぞれができることを精一杯にやり遂げようとする。主人公以外の描写も今後しっかりなされていくという信頼の持てる描写です。

【多彩な見どころと細やかな演出】


細かい描写も興味深い、本作の舞台は、怪獣の現れたことのない地球とのこと。それゆえ、怪獣が現れても目下の論点はその脅威をどう評価するかではなく、「本当に巨大生物なんていたのか」ということになる。まず、怪獣の存在の有無が争点となるというのは、シリーズ作品と比較してもリアリティある描写です。

「地球を初めて訪れた」という側面を強調したソラトの描写と相まって、本作は王道を描きつつも細かい描写に注力することで独自色を打ち出そうというコンセプトなのかもしれません。

冒頭の進化したCG描写、インパクトのある赤色のウルトラマンオメガのデザイン等、見どころは多数。今後が楽しみになる第1話でした。