天気予報

 

    雨の季節になると、母から聞いた最晩年の父の話を思い出します。

 

    それは、早期退職する私に父がねぎらいの言葉をかけてくれたと

   母に伝えた時に聞いた父のお話です。

 

   「おとうさんな、テレビをほとんど見なくなったけど、天気予報の時間に

   なると必ずテレビつけてたよ。

   それでな天気が悪いと決まって

     『明日は雨が降るな・・・大変やな・・・』

   と心配そうに言ったはったよ」

 

    父は当時、自転車通勤していた私のことを案じて、

   予報が晴れなら「ああ、よかった」

   雨なら「大変やな・・・」と

   毎日、毎日、母に伝えていたそうです。

 

    そして父がかけてくれたねぎらいの言葉も思い出します。

   「ああ、よかったね・・よくがんばったね・・・」

 

                    ぷちとま

 

 

 

 

    

 

    

                  新しい風景

 

     母の引っ越しを終え、新しい住まいは、母が使い込んできた

    思い出の品々と、引っ越しの折に見つけた目新しいものでようやく

    整えられました。

     母が私に物の場所を尋ねることも随分減りました。

    

     母は朝の炊事を終えると、ベランダ側の部屋からお気に入りの

    椅子に腰かけて、母が先日までずっと暮らしていた郷里の方角にある

    山並みを眺めることが新しい日課となりました。

    そして

    「ここからも山が見えるから・・・よかった・・・」

    と言います。

    その言葉を聞いて私もうれしくなり、ほっとします。

 

     先日の良く晴れた日の午後、私が買い物から帰宅すると、

    母はその部屋のガラス戸に顔を近づけて立っていました。

    一生懸命目を凝らし遠い山並みを見つめていました。

    「どうしたん?」を私は尋ねました。

    母は

    「あのな、山の中腹の白く見える線を見ていたら、小さい黒い点が

    動いてるわ・・あれは自動車が走っているところやね。」

    と弾んだ声で答えました。

    確かに目を凝らすと見えます。

    「ほんと、すごいね」

    と私も母に返します。

 

    しばし、二人で山の一点を見つめていました。

 

     そしてふと、母が小さくつぶやくのが聞こえました。

   「お父さんの自動車でたくさん山の向こうへ連れて行ってもらったなあ」

 

                          ぷちとま  

    

    

    

 

みなさま、こんにちは。

最大10連休と言われるGW、いかがお過ごしでしょうか。

お天気が微妙で、ちょっとお出かけしにくいかな、なんて思っています。

 

ところで、ここでカミングアウト。

私、このような仕事をさせていただいていますが

基本的に友だち少ないんです。

 

ただ、自分には少ないのを知っているので、できる限り

友だちを大事に大事にしています。

 

そんな私、最も長いお付き合いの友だちは

14歳の4月、中2のクラス分け初日に、たまたまお隣に座った人でした。

昔から人見知りの私は、仲良くおしゃべりしている女子の隣に行けず

一人座っていた、彼女の隣に座ったのでした。

 

隣、いい?

と、人見知りを抑えてきくと

彼女は、とても明るい声で

いいよいいよ、いいに決まってるやん

と、笑顔で答えてくれて。

ほんとうにホッとしました。

 

彼女が私の名前を聞いてくれたので、さくっと答えたのですが

今後は、私から彼女のお名前を聞こうと思って

 

あなたのお名前は?

 

と聞きたかったけれど、この、あなた、が出てきません。

日頃、あなた、なんて言ったこともありません。

中2女子です。その頃は。

仕方がないので、手のひらで彼女を指して

お名前は?

と聞いてみました。

精一杯のコミュニケーションです。

 

彼女は、私のこの不器用な質問に

かわいいね、と笑ってお名前を教えてくれました。

 

その時からの友だちです。

言いたいことが言える友だち。

 

先日、彼女にさんねこまの顧問をお願いしました。

説明すると、役に立てるならば喜んで、とのお答え。

嬉しかったです。

 

ということで、さんねこまにも顧問ができそうです。

今年は動きたい。

そんな気持ちで、GWを過ごしているみになのでした。