第三章 そして、ミンスク(1)
【ミンスク再訪】④
郷土訪問飛行ー
このイベントを告知する昭和17年10月15日
(郷土訪問飛行の5日前)の信濃毎日新聞はこう書いています。
「陸の雛鷲銀翼輝かせ 空から晴の郷土訪問」
「陸軍少年飛行兵 君こそ次の荒鷲だ 来れ・續け我等の大空」
僕がお会いした方々が口を揃えておっしゃった
「そういう時代」
だったんですね。
実際この時期、少年たちの夢をかき立てるような記事や広告、本がいくつも出版されています。
もちろんそれは戦争遂行上たくさんのパイロットが必要だという軍の事情によるものに違いないわけですが、元少年飛行兵の方はこうおっしゃっていました。
「飛行機乗りに憧れるのは今の子どもたちがサッカー選手に憧れるのと一緒だったからね…。」
何の出来事にも言えることですが、ものごとを固定観念で捉えることは、時に本質を見誤るし、歴史を正しく伝えられなくもなります。
「軍国主義」と言われていた時代も、実際このような一面もあったんですね。
いまのウクライナ紛争をめぐる報道も同じことが言えるんじゃないかと...