第一章 ミンスクの青い空(4)
【そしてミンスクへ】⑤
雲が立ち込める寒い日だった...
審査官は僕に何か質問するわけでなく、パスポートチェックもそこそこに入国スタンプ押してくれて
とにもかくにもベラルーシという国に入国。
夜が明けてジョージア大使館に連絡すると、政府の措置だからこちらでは何もできない、と言う返事。
そりゃそうだわな…。
ジョージアの入国禁止措置はたしか10日間、ってことだったからその間の宿だけは確保して、入国禁止解除後のトビリシ行きの便も予約した上でとりあえず市内に向かいました。
ミンスク駅行きのバスはローカルが使うミニバス。当時の料金は100円くらい。
ジョージアもそうでしたが、ミンスクは食料含めて物価は安いし、公共交通機関にいたってはどこまで乗っても50円程度。
旧ソ連の名残で生活の基幹部分は国がちゃんと面倒みてるわけですね。
でもなにが困るって… 言葉がわからないことですよ。
なにせ「旧ソビエト連邦」の国ですからね、空港では通じた英語も、市内ではマッタク通じない。
それだけならまだ許せるとしても、右を見ても左を見ても文字という文字は全部ロシア語なわけですよ。
「よく顔文字に使われてる文字だよな…
Д Л У Ф Ч Щ З Г …
これ…。」
と独り言繰り返すこと数度。
オマケに… 旧ソ連の国らしく、低層の長ーいビルが連なっていて、ショーウインドウもない。
確かに何か文字は書いてあるけど外から見ただけではそこにどんな店があるかわからないんです。
当然のことながら…予約したホテルはバス停の目の前らしいけど、そんなのどこからどうやって乗ったらいいかなんて調べようがないし聞いたところで理解できるはずもない。
結局最も近いであろうメトロの駅から歩くこと一時間、ミンスク最初の宿に到着したのでした。
そのまま何ヶ月もミンスクにいることになろうとは、このとき知る由もなく…。