マイナス金利の債権を買うということは100万円の現金を出して99万円しか返ってこない権利を買うということですが、そんなものを購入するなら現金を保持していた方が得に決まっています。
では何故マイナス金利の国債に買い手がつくのか?当然99万円しか返ってこない権利を100万円以上の値段で買う人がいるからです。
もうお分かりでしょうが、この「99万円しか返ってこない権利を100万円以上の値段で買う人」が日銀(中央銀行)です。
2018年の日銀は37.6兆円の国債を買い入れ、1.58兆円もの「利益調整額」を国債を保有する金融機関に支払いました。
https://jp.wsj.com/articles/SB10694861183094324735504585075413705438280
https://jp.reuters.com/article/boj-results-idJPKCN1SZ0XJ
つまり2018年度の日銀買いオペ国債の利率は、1.58/37.6=4.2%となります。
新規発行された国債すべてが買われるわけではありませんが、これだけのリターンが期待できるのであれば金融機関はこぞって国債を買って日銀に売ります。住宅ローンなどで貸付を行うよりも遥かに高い利率ですからね。
日本国債がマイナス金利となっても買い手が尽きないのは日本の信用力が圧倒的に高いからではなく、実際の金利と関係ない価格で日銀が買ってくれるからということです。