ブリッジング試験に関して,「薬物動態データ」「薬力学データ」「用量反応データ」「有効性」「安全性」を外挿する際の概観について論じる。以下外国臨床データ=欧米,新地域=日本と仮定する。

 

3.2.1 ブリッジングデータパッケージとブリッジング試験の定義

ブリッジングデータパッケージ(=Bridging Data Pachage)は、以下のものから成る。

薬物動態データ、並びに(可能であれば)予備的な薬力学データ及び用量反応データを含む、新地域を代表する住民集団に関する情報であり、完全な臨床データパッケージか(=Complete Clinical Data Package. CCDP)ら選択されたもの。
② 必要な場合には、新地域(=New region)に外国臨床データ(有効性・安全性)を外挿するためのブリッジング試験データ。

ブリッジング試験最大の目的は,日本において検証的第3相試験をスキップすることである。各製薬会社には,すでに外国で既承認の薬剤を日本で開発するにあたって,わざわざもう一度何億何年と時間とコストを浪費することを何としても避けたいというモチベーションがある。

それではどのように日本における検証試験の実施をスキップするかというと,「欧米の第3相試験のデータ(=ブリッジング対象試験)を日本人に外挿する」ことによって行われる。しかし,欧米の海外第3相試験に日本人が含まれていないので,何もしないで,そのまま使おうというというのは科学的に妥当ではない。規制当局が製薬会社に求めるのは欧米の第3相試験のデータを日本人に外挿できるように,日本人と外国人で薬物動態データ,薬力学データ,用量反応データ,有効性データ,安全性データで差異がないことを示す程度の規模の試験(=ブリッジング試験)の実施である。

つまり,ブリッジング試験はブリッジング対象試験を日本にブリッジする役割があり,日本単独で第3相試験を実施するよりも時間とコストを大幅に節約できる。

 

引用

1)ICHE5(日・英)