ICH E1ガイドライン

 

医薬品の申請においては,あるカットオフ日時点でPMDAに承認申請を行い,審査期間中に,再度CTDに長期安全性のデータを追加して提出することはよくある。

これはICHE1の以下の文章からも確認できる。

 

通常は,6カ月間投与して得られた成績をもって当該医薬品の承認申請を行うことが可能である。その場合 は,12カ月間投与して得られた成績を承認前の可能な限り早い時点に追加提出しなければならない。

 

6ヶ月で受理したくせに,なぜ12ヶ月のデータもださなければいけないの?

統計解析担当者,メディカルライター等大勢を巻き込んで二度手間じゃない?と一見思うが,このシステムはICHE1の以下の考えに基づいている。

 

これまでの情報では,ほとんどの有害事象は,投与開始後最初の数カ月の間に発現し,またこの期間での発 現頻度が最も高い。治験薬を予定される臨床用量で6カ月間投与する症例の数は,投与期間中の有害事象の経 時パターンが明確に把握できる規模に設定する必要がある。

一般的ではないが,有害事象の中には投与期間が長くなるにつれて発現頻度または重症度が増すものがあり, また投与開始後6カ月以上経って初めて発現する重篤な有害事象もある。従って,治験薬を12カ月間投与して 得られた成績も必要である。

 

つまり,6ヶ月で大半の有害事象は確認できるので,安全性の概括評価は可能なレベルにある,だから受理して審査を開始しようという理屈である。さらに長期間投与のデータを要求することで,6ヶ月以上投与することで重症度が増してくる有害事象や6ヶ月目以降に発現する重篤な有害事象を評価することを可能にしている。

 

ICHガイドラインを読んでいくと,日常当たり前として受け入れられていたような仕組みが,実はICHガイドラインのこの項からきていたのかという発見に感動することが多々ある。これはつまり,これまでのガイドラインが今ある日常をつくり,ICHE9R1やICHE17などの新たなガイドラインが未来をつくっていくことなのだと思う。だからこそ,この業界で働く以上は,精通することが望ましいのは言うまでもない。

 

引用

ICHE1(日・英)

https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/ich/0015.html