とある日 | いつか旅立つ日が来たとしても

いつか旅立つ日が来たとしても

ひとりと一匹と、その日々のこと。

 

おまえは高い所が好きだ。
我が家には、2メートル10センチの
高さの本棚があり、部屋で一番高いその本棚のてっぺんが、お気に入りだ。
時々そこでまったりとしている。
 
本棚の脇には、パソコンデスクが横付けされていて、
本棚の方から、旧と新と順にパソコンが並ぶ。
オレが仕事をするときは新しいパソコンを使っている。
古いパソコンはディスプレイ一体型でほとんど使わないが、頑丈で
今は登るときのおまえの踏み台と化している。
 
その配置だと、仕事をするときは、自然に、おまえが本棚の上に
オレはその下でパソコンに向かって作業をすることになる。
おまえが、本棚の上に陣取るようになってから、
そうやっていつも仕事をしていた。
 
しばらく、図面など描いていると、おまえが、オレの頭の上で
「にゃあ」となく
オレは
「ちょっと待ってろ」
といって、作業を保存し
キーボードにかぶさるようにかがむ
 
すると、おまえは、旧PC→オレの肩の順に
飛び降りて、床に着地する。
 
同居人が
「どうして、わかるの?」
と驚いても
オレは
「まあね」
としか答えない。
 
 
内心、かなり得意だったりするのだけれど。