こだわり | いつか旅立つ日が来たとしても

いつか旅立つ日が来たとしても

ひとりと一匹と、その日々のこと。

おまえの主食はドライフード=カリカリだった。

去勢猫用

尿路結石防止

着色料不使用

腎臓病予防

等々…

自分は3食カップラーメンでも頓着しないオレが

裏書きの成分表をにらみながら、けっこう拘った。

 

そして、月に一度や誕生日、クリスマスの缶詰

時々、猫草の代わりの白菜。

 

ドライフードを主食にしたのは、歯垢防止のためもあったけど

後で、それは迷信だと、獣医師に教えられた。

 

おやつと呼ばれるものは、成分に不安があったので

与えなかった。

おかげでニンゲンの食べるもののおすそ分けもしなかったので

食卓には一切手を出さない、オリコウな猫になったが。

(白菜だけは、ときどき盗み食いしていたが)

 

おまえは、おまえで食のこだわりはあって、ドライフードは硬くなければ

食べなかった。

しけったのや、たまに趣向を変えて、中にペーストが入ったものは

露骨にイヤな顔をされた。

お湯でふやかした場合は見向きもしなかった。

 

今、思えば、ちゅーるとか、かつおまるまる一本とか

もっと、いろんなものを、食べさせてやればよかったと思う