2024年制作。硬派なサスペンスドラマ。奇しくも映画の上映期間中に本当に第267代ローマ教皇フランシスコが亡くなり(2025年4月21日)、コンクラーベ(Conclave 教皇選挙)に世界中の注目が集まった。
アマゾンプライムビデオで追加料金なしで見られた。エドワード・ベルガー監督、レイフ・ファインズ主演。オスカーの脚色賞を始め、世界の映画賞を受賞。二時間。

カトリックの内幕を暴く作品かと思ったら、そういう側面はあるものの、普通にサスペンス映画だった。最終的にコンクラーベを操っていたのは誰か。
教皇候補は4人ほどいて、名前とキャラクター(立場)を一致させておく必要がある。私は下の登場人物表と突き合わせながら二度見た。みっしり説明しないので、きちんと見なくては話が追えない。

トマス・ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)・・・主席枢機卿。コンクラーベを仕切る。基本正義と公正を追求する。
アルド・ベリーニ枢機卿(スタンリー・トゥッチ 「プラダを着た悪魔」のナイジェル)・・・リベラル派。下馬評では最有力とされるが、法王になる気はないという。しかし意外にも票は集まらず本音が漏れる。保守系の法王選出を忌み嫌い、恐れる。
ジョセフ・トランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー 多くの作品に出演する名優。私は「ガープの世界」が印象に残っています)・・・生前の法王に最も会っていたという人物。保守派。
テデスコ枢機卿・・・イタリア人。超保守派。現在のカトリック教会の世間への迎合に強く反発。
アデイエミ枢機卿・・・アフリカ系。
ベニテス枢機卿・・・コンクラーベから枢機卿として参加。生前法王が彼を枢機卿に指名していたのかみな半信半疑。激戦地での布教、奉仕を行っていた。
レイ・・・ローレンスの秘書。
教皇死去にあたって、世界中の枢機卿がバチカンに集まる。外からの情報を遮断するため、コンクラーベが終わるまでバチカンの外には出られず、スマホ・タブレット等の電子機器も一時没収される。
コンクラーベ開始直前、ヴォズニアック枢機卿が取り乱した調子でローレンスに告げる。
「トランブレ枢機卿は死ぬ直前の法王に会っていたが、教皇はトランブレ枢機卿を不正行為による罪で解任していた」
「新」枢機卿ベニテスが現れる。生前の法王が秘密裏に枢機卿に指名していたという。みな疑心暗鬼を募らせる。
ローレンスはコンクラーベ前に演説を行う。「確信(思い込みの意?)は否定されるべきであり、不和と不寛容のもとである」と。ローレンスは現状を疑っており、疑問は晴らされるべきであると考えていることが周知される。
決意を宣言したローレンスはさっそく動き始める。手始めは有力候補のトランブレに関する「悪い噂」の事実確認だ。
映像がしゃれている。ドラマ部分のオーソドックスな映像とうまくバランスが取れている。内容は分かりにくくはないが、最近ありがちな説明過多のドラマとは一線画して、必要最低限の情報しか与えられない。直接的な説明ではなく、多分に「含み」として表現される。ちゃんとみていればすぐわかるが、ボヤッと流し見していると気づかずに話が流れていく(少なくとも私はそうで二度見て気づいた💦)。いうわけでじっくり見る必要のある作品であり、流し見不可だ。超一級のミステリーかはわからないが、大人向けの知的エンタテイメントの秀作ではあると思う。
※映画予告↓
シスター演じるイザベラ・ロッセリーニ。若かりし頃は世界的美女でした。なんてったってイングリット・バーグマンの娘。このポスターよく覚えている。やっぱり女優なんだから、歳とったら年相応の役を演じるべき。いつまでも若作りで年取った等身大の自分をさらせないのは、役者としての力量不足を告白していると思う。

※実際に今年5月に行われたコンクラーベの様子。バチカンには私も二度行ったことがありますが、何度行ってもいいと思える素晴らしい建築物です。私が見た中では世界一の建築物。二位はインドのタージ・マハルです。
※カトリック教会、ローマ教皇について興味のある人にはお薦め。塩野さんの著作の中で私は一番好きです(全著作を読んではいないです)。

