22日木曜日前場、早朝に発表された米NVIDIAの市場期待を上回る好決算、好ガイダンスを受けて、日経平均が最高値を更新。終値で39,098円。最高値で39,156円。始値が38,508円で836円高で終了した。
 これ以前に日経平均が最高値をつけたのはバブル経済が終わりを迎えようとしている1989年12月29日。終値で38,915円、ザラ場で38,957円。平成元年、私はちょうど大学一年生だった。自分の貯金もほぼゼロで、当然株価なんて関心ゼロだったし、政治経済についても全く疎かった。
 私には現在お金(利殖)の話ができる友達がひとりだけいる。他の友人・知人は利殖等の話にさほど関心がないか、ノリが悪いかだが、この彼女だけは違う。私は夫と仲良く利殖の話をいっぱいしたいのに、夫には「仕事でそんな話ばっかりしてるのに、家に帰ってきてまでしたくない。勝手にやって」と非常に嫌がる。それに対しこの夫婦は金の話ばかりしているらしい。大変羨ましい。二人とも別財布でそれぞれ個別株等を楽しんでいるようだ。
 この馬込さん(仮名)と知り合ったのがこの1989年だ。私は某女子大の学生で、W大のテニスサークルに入った。そこで知り合ったのがK短大から参加していた馬込さんだ。学生のうちはまったく仲良くなく、ろくに口をきいた記憶すらない。私は同じ大学の友人や、O短大のメンバーと仲良くしていた。
 卒業してしばらくして、サークルの同年代の仲間と飲み会を開く機会がポツポツとできてきた。20代、男女を問わず続々と結婚していく中、私と馬込さんは「売れ残って」いった。最終的にそれぞれの大学の仲間で未婚なのは私と馬込さんだけになった。そんなこんなで「同病相憐れむ」と言っていいのか、私と馬込さんは30歳あたりから急速に仲良くなり、一緒に合コンに行きまくるようになった。もっぱら馬込さんがアレンジしてくれて、私に声をかけてくれると言ったパターンだ。自慢じゃないが、私は20代~30代にかけて合コン的飲み会にそこそこ数多く参加したが、幹事をやったことが一度もない。それに対し馬込さんは交友の広さから幾度となく幹事役を買って出てくれた。合コン以外にも、二人で一緒に「超有名手相占い師」のところにそれぞれ一万円も出して観てもらったこともあるし(二人とも結果大外れ)、江ノ島神社に良縁祈願にも行ったこともある。そもそも私が夫と結婚できたのも馬込さんの紹介だ。馬込さんには足を向けて寝られない(多分向いてないはず)。私は40歳で結婚し、馬込さんは50歳で結婚。それぞれ子供のいない夫婦として、また同じ立場になった。

 馬込さんの現在の夫には30代で会ったことがある。もちろん馬込さんが飲み会を開いてくれた。馬込さん含めて三人とも同い年で、当時から二人は大変仲が良かったが、お互いに「誰か紹介してくれ」と言い合っていた。二人きりで食事等も普通にしてたはずで、それが50歳になって急に結婚するとは、わからないものだ。私も夫とは初デートの翌日に婚約している。配偶者と知り合ってから結婚するまでの期間が極端な私たちだが、本質的にどっちも変わらないと思っている。長年「友達」を続けた馬込さん夫婦だが、結婚後はしっかり馬込さんものろけるようになった。わからないものだ。
 この馬込さんの旦那が利殖好きだった。ビットコインも早いうちから持っていた(いつまで保持してどう処理したか、あるいはしていないのかは不明)。馬込さんはこの未来の旦那からの影響で利殖を始めた。その影響で私もSBIに口座を作ってiDeCo(夫名義)を始めたりした。
 日経平均は1989年12月に最高値をつけ、その後日本にも世界にも私たち自身にもいろいろなことが起こり、35年の歳月をかけて値を戻した。35年前に馬込さんと知り合った時には、53歳になって日経平均が戻った時に二人で利殖についてのやり取りをするようになっているとは、全く想像もしなかったことだ。