※ネタバレあり
 

 とりあえずマヤかあるいは亜弓が「紅天女」になるとして(結局決着つくのか?)、その上演まではやらないんだろうなあ、という気がしてきた。現在「試演」すら上演されず。両者の「試演」が私たち読者にとってのマヤと亜弓の最後の「紅天女」になるんだろうなあ、きっと。なんせ家元・月影先生の紅天女全編は作中で既に「上演済み」だし(あれ、肝心なシーンは演じずじまいだったっけ?)。しかし赤目慶、爺さん過ぎ。桜小路君が20代だろうから、せめて40代設定の俳優にしてほしかった。ありゃどう見ても60代以上。
 しかしも~うんざり。前回48巻についての感想でも書いたが、20巻くらいまでは読んでいて目の覚めるようなエピソードが続いたのに、もうなんの新鮮味もない。「愛」についても「才能」「情熱」「演劇」についても、
「も~これ既巻のどこかで読んだ~」
 ってのばかり。昔は「ガラスの仮面」を読んで教養・見聞が広がり、大げさに言えば「生きる勇気」すらもらったものだが、ここしばらくはそんなエンタメの興奮、な~んもない。速水さん、
「すべて俺のせいだ。優しく聡明だった彼女(シオリー)をこんなふうにしてしまったのは」
 って、今頃何なのいったい・・・見解の発展がスローすぎて読んでて疲れる・・・唯一「面白い」と思ったのは、鷹宮会長(シオリー祖父)が真澄さんに、狂気のシオリーと結婚してくれれば鷹宮財閥の全財産をあげる、と言ったことに対し、速水会長(真澄さん義父)が、
「こんな展開になるなんて、真澄もやるなあ」
 って大喜びで反応したことくらい。さすが速水会長。性根から凡人離れ。一代で大会社を作る人間は異常なもんだ。車椅子の爺さんなのに、まだ地位権力財産が嬉しいのね。人間そんなものだろうなあ。老いたら性根変わんないよ。それに比べて真澄さんの凡庸かつ幼稚、スローな反応の数々にはもううんざり。
「(マヤに対して)いい退屈しのぎになった」
「(桜小路君に)彼女(マヤ)は君のものだ」
 と言った舌の根の乾かぬうちにまた・・・こういうの、以前の速水さんならOKだけど、いろいろ乗り越えたあとにまた同じパターンって、もう「永劫回帰」・・・・自分の言動に無責任すぎる。会社社長とは思えない言動の軽さ。カッコつけてる分読んでて疲労感が増す。このひとこの先もずっとこのレベルかね。上か下か、どっちかに移動して。
「元の俺に戻る・・・仕事にしか興味のない元の俺にな」
 って、もうそう言ったら徹底的にそうしてよ。あ~イライラする。
 もはや少女マンガの歴史において絶対的、不動の高みにある「ガラスの仮面」。そんな20巻くらいまでの偉業の残滓をすすらされても、なお49巻まで我慢している読者に甘えるな、作者よ! せいぜいあと4巻で終了してください。一巻分で亜弓さん試演、もう一巻でマヤ試演、あと2巻分くらいで愛とか決着とかドラマ部分。全53巻で。
 それにしてもマヤにとって究極の選択は「速水さんか、紅天女か」しかない。視覚を失いつつある亜弓さんに対し、桜小路君まで大怪我しているのにマヤだけなんだか無事(こうしてみると、紅天女って呪われた舞台だなあ)。次巻、この選択を迫られるのかしらん? そうなったら月影先生同様、意思と関係なく紅天女を取らざるを得ないんだろうなあ。そしてその想いを舞台に乗っけるっていう。森光子のドキュメンタリー番組を見ましたが、女優の人生ってそんなものだってなことを言っていました。とにかく目先の感情に捕らわれた浅薄な言動で、シオリーを筆頭に桜小路君、マヤと誠実に正直に生きているひとたちの感情を弄んでいる速水さん。自分が不幸になるのは勝手だけど、他人を巻き込むので、このひとかなり悪質です。「幸せになる資格がない」の筆頭は速水さんなので、その辺は「因果応報」でよろしく、作者さん。
 これが私の「ガラスの仮面」結末予想です。
 

※前巻・第48巻についてはコチラ

★今週の出来事★
11/25 ジャパンカップ。三冠牝馬、ジェティルドンナがオルフェーヴルを下す。三歳牝馬
に当たり負けしている牡馬。岩田のコース取りはそこまで無茶にも見みえず、オルフェも内側にヨレている。馬に罪はないが、レース後の池添のコメントにがっかり。トールポピーのときの池添のほうが、もっとひどい斜行をしていた。でも降着しなかった。スカーレットだって、ウォッカに数回当たられたけど桜花賞
(確か桜花賞)を勝っている。当たっていいとは言わないが、今回の池添の負け方は極めて格好悪い。ここできちんとオルフェ陣営が負けを認めれば、ファンだってオルフェまるごとすっきりするのに。てか、レース前はジェンティルは牡馬とどうかとは思ったけど、むしろこの一件で勝負根性の評価上がった。オルフェは負け以上のケチがついた。有馬では屋根を替えてほしい。
11/26 四国を中心に、高額で取引される寺社の神木が意図的に枯らされる被害が相次いでいるらしい。材木業界の闇が関係している様子。犯人に「天罰」が下るのは自業自得として、孫子の代に累が及ぶのが怖くないのかと思う。孫子は「知らない」では済まされない。特にその取引で発生したお金が家族の生活費や学費に回ったら「効果覿面」になる可能性は高い。家族は先の人生で、身に覚えのないことで人生の大きな矛盾に苦しまなくてはいけなくなるかもしれない。「なんで私がこんな目に」というやつだ。犯人全員の家系にわかりやすい「天罰」がなかったとしても、複数の家系に災厄が及ぶことについてはほぼ確信しているオカルトなわたしです。