※ネタバレ注意※
 

 いわずと知れた少女マンガの金字塔。その最新刊です。
 私はこの作品を熟読していて、昔懐かしい「カルトQ」があったら出場したいくらいだ。だけどこの作品のマニアはすごいひとが多いので、きっと雑魚になってしまうだろう。とにかくこの作品を読むと、才能とは何か、情熱とは何かというのが実によくわかる。才能ある人間は、才能のために生きざるをえないという業のようなものが、少女マンガというエンタテイメントの枠組の中でよく描かれている。
 しかしそんな作品が充実していたのもだいたい20巻くらい。マヤちゃんが芸能界を追われてから、才能の底力で本人の意思を超えた輝きを取り戻すまで。それ以後はもう間延びしちゃって、早くしようよ~とファンが言い続けながらほぼ30巻分。それでも読み続けるのは、もうここまでくると諦めなんですよね。もういまさら止められないっていう。あたしみたいな読者、大勢いると思います。新刊が出るって情報を得るたびに、「また大して進展しないんだろうな~」って思うという。ここまで読者を寛容にさせる力があるのが、冒頭約20巻分だ。
 マヤちゃんより年下だった私もマヤちゃんの倍の年齢に。「紫のバラのひと」こと速水さんが延々と「11歳も年下の女の子を・・・」と葛藤しているが、今となっては単なる年の差カップル。年の差のインパクトでは弱いくらいだ。作中の世相反映に妙なバラつきがあるのもご愛嬌。突然携帯出てきたりとか。そのくせファッション等のアナクロニズムは健在。
 肝心の48巻の内容だが、失明危機に直面した亜弓さんが、紅天女の神性を獲得し、無くしかけた視力を周囲に隠す感覚と技術を身につけていく。あの亜弓さんの相手役が大御所赤目慶っつ~のはこれ、最初から不利な感じが。だって、一真の役にふさわしい年代って、せいぜい40代50代くらいまででは。20代前半と思われる「適齢」桜小路君はいいとして、舞台というのを考慮して、リアルでいうなら堤真一、せいぜい佐藤浩市、役所広司、渡辺謙くらいが限界。あの普段から着物着てるみたいな赤目慶っつ~のは、もう平泉成とか綿引勝彦のレベル? 普段老人役やってるひとでしょ。ミスキャストだよ。続いてシオリーの自殺未遂(定番)とそれによる精神崩壊。無理ないよ、シオリー。同情するぜ。これで速水さんは「キャンディ・キャンディ」のテリィさながら、マヤちゃんと別れざるを得ないんだろうな。あたしはキャンディの最終回を「なかよし」の発売日を心待ちにして読んだ年代です。しかしテリィは切ない運命の歯車っつ~感じだけど、速水さんは自業自得。同情の余地、一ミリもないです。「バカなことをしたくなったんです」なんてスカしてんじゃね~ぞ。マヤちゃん周辺は大した進展はない。とにかく「紅天女」試演すら始まってないですから。もういいよ、作者先生、連載当初のスピード感を思い出して!
(白泉社 花とゆめコミックス 400円)

※第49巻(2012年9月発売)についてはコチラ