6畳の部屋の空中を
フワフワとクルクルと
自由に泳いだ。
やっぱり浮くんだ!
人ってやっぱり浮けるんだ!
もうコツも完璧に分かった!!!
って思った。
けど、
夢だった。
浮くときのコツは
下腹部に少し力を込めるのだ。
そんで
「浮く・・・浮く・・・足が浮く・・・」
って暗示をかける。
そしたらジワ~っと
足が床から離れて行く。
今も出来る。
けど、
浮かない。
夢だもんね。
私、40なのに、
こんな夢見て大丈夫か?
なんか、
心の底から、
自分に辟易した。
外見はどんどんババアになって、
笑ったら口の端っこに銀歯とか見えるのに、
40になった今も
「私は宙に浮けるかもしれない」
って
実は未だに期待していることに気付かされた。
部活が終わった暗い夜道、
中学校が家から遠くて
歩いて帰るのが面倒で、
「よし、誰も見てないし、浮いてみるか。」
って
目をつぶって下腹部に力を込めて
だんだん足が地面から離れるのを想像する
っていうのを一人でやっていた。
浮いたことは一度もないけど、
40になって初めて
ユメノナカで実現した。
「そうか!やっぱりそうだったんだ!!!」
って
めちゃくちゃ感動した。
私は間違ってなかったんだーっ!!!!!!
って世界中に叫びたい気分になった。
夢なんだけど。
年ばっかり取って、
年齢の数字ばっかり増えて、
ぜんぜん追いつかない。
だから
子育てなんかできない。
バカなんだもん。
「母ちゃんだけズルイ!
自分勝手や!」
って息子に言われて
「大人と子供は違うんや!」
って思わず叫んだ。
近くにいた父が
私を黙って見つめていた。
叫び終わらぬうちから、
顔から火がビュービュー噴き出ているのが分かった。
口を尖らせて頭から湯気が出てる
ユデダコ状態だ。
ダサい。
ダサすぎるだろう!
修学旅行でおねしょして、
苦肉の策で麦茶を股間にわざと零して
難を逃れようとするも
周りが騙されたフリをしているのに
気付いているにも関わらず
もう後戻りできないという状況に
限りなく近い。
もういや。
消えたい。
今夜は夢で
死ぬことにする。