スイスの美しい田舎町を舞台に、犯罪に巻き込まれたお針子の女性が、針と糸の力で運命を切りひらいていく姿を描いたクライムサスペンス。
スイス山中の小さな町でお針子をしているバーバラ。亡き母から譲り受けた店は倒産寸前で、相談できる友人も恋人もいない。ある日、常連客との約束に遅刻した上にミスをして激怒させてしまった彼女は、その帰り道に麻薬取引現場に遭遇する。売人の男たちは血まみれとなって道路に倒れており、周囲には破れた白い粉入りの紙袋と拳銃、そして大金の入ったトランクケースが置かれている。バーバラの脳裏には「完全犯罪(横取り)」「通報」「見て見ぬふり」という3つの選択肢がよぎるが……。
アイルランド出身のイブ・コノリーが主人公のお針子バーバラを熱演し、テレビドラマ「オースティン&アリー」のカルム・ワーシー、「パウロ 愛と赦しの物語」のジョン・リンチ、「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」のK・カランが共演。19歳で制作した同名短編で注目を集めたフレディ・マクドナルド監督が長編初メガホンをとり、コメディ要素も散りばめながら予測不能なストーリー展開で描き出す。
2024年製作/100分/G/アメリカ・スイス合作
原題または英題:Sew Torn
配給:シンカ
劇場公開日:2025年12月19日(以上、映画ドットコムより)
☆「完全犯罪(横取り)」「通報」「見て見ぬふり」という3つの選択肢、どれを選ぶかと思いきや、まさかの3通りのストーリーが展開されるというのにはちょっと意表をつかれましたが、これを新年最初の映画鑑賞に選んだのは大正解で正月早々楽しませてもらいました。次々に訪れる危機を全て針と糸で切り抜ける主人公の巧みな技、それをストーリーとして完結させるアイデアが秀悦で、そこにスイスの山中というロケーションの美しい景色もたっぷり見せてもらい、満足しました。
天海祐希主演の人気テレビドラマ「緊急取調室」のシリーズ完結編となる劇場版。
可視化された特別取調室で厄介な被疑者と対峙する捜査一課の取調べ専門チーム「緊急事案対応取調班=通称・キントリ」。超大型台風の連続発生により日本が非常事態に陥る中、内閣総理大臣・長内洋次郎が災害対策会議に遅れて到着したことから、その「空白の10分」を糾弾する男・森下弘道が長内総理を襲撃する事件が起こった。真壁有希子らキントリチームは取調べを開始するが、森下は犯行動機を語らず、長内総理との面会を要求。そんな中、長内総理にある疑惑が浮上し、真壁は真相解明のため長内総理の事情聴取に乗り出す。
主演の天海祐希をはじめ、田中哲司、速水もこみちらテレビドラマ版のキャストが再結集。そのほか石丸幹二、佐々木蔵之介が出演。
2025年製作/121分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2025年12月26日(以上、映画ドットコムより)
☆なんでも元々の出演者の一人が逮捕されてしまったため配役を変えて撮り直したために公開が遅れたとのこと。何しろテレビドラマは近年朝ドラくらいしか観ていないので、この「緊急取調室」も全く観たことはありませんでしたし、当然そんな事情も全く知りませんでしたが、そんな私でも充分に楽しめる内容で、なかなか緊迫感ある展開でした。まぁ、細かいツッコミどころはいくらでもありますが、その辺はうだうだ言わずにヒヤヒヤしながらストーリーを追っていくのが正解なのでしょう。こんなふうにして疑惑ある首相を追い詰めることができるのもドラマなればこそで、近年の政治家たちの数ある疑惑追及の生ぬるさに憤りを感じている中、現実とのギャップにモヤモヤしたりして...(^_^;)
シアーシャ・ローナンが初プロデュースを手がけて自ら主演を務め、大都会で自分を見失った生物学者が故郷で新たな生き方を模索する姿を描いたドラマ。イギリスでベストセラーとなったエイミー・リプトロットのノンフィクション回想録「THE OUTRUN」を原作に、「システム・クラッシャー」でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞したドイツ出身のノラ・フィングシャイト監督が映画化。スコットランド・オークニー諸島の雄大な自然を背景に、主人公の断片的で混濁した内面世界を繊細な演出で描き出す。
ロンドンの大学院で生物学を学んでいた29歳のロナは、スコットランドの故郷に10年ぶりに帰ってくる。恋人との別離、暴力的な体験、入院など、人生が限界を迎えた末に、彼女は依存症の治療施設に入所し、90日間のリハビリプログラムを経て断酒生活を開始した。故郷の野鳥保護団体で働きながら孤独な時間を過ごすなかで、少しずつ自らの内面と対話を重ねていくロナだったが、数々のトラブルを引き起こしてきた記憶の断片が彼女を悩ませ続ける。
共演は「MEN 同じ顔の男たち」のパーパ・エッシードゥ、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のスティーブン・ディレイン、「記憶探偵と鍵のかかった少女」のサスキア・リーブス。
2024年製作/118分/G/イギリス・ドイツ合作
原題または英題:The Outrun
配給:東映ビデオ
劇場公開日:2026年1月9日(以上、映画ドットコムより)
☆スクリーンに広がる美しい風景に引き込まれてしまいました。おくびょう鳥という種の鳥の名前は初めて聞きましたが、ウズラクイナという絶滅危惧種の鳥のことだそうで、それがいつ出てくるのか、いつ鳴くのか、観ている間中気になってしまいました(^^;)
時系列が入り乱れるので主人公がアルコール依存になってしまった過程がイマイチ判りづらかったけれども、レヴューなどを見ると主人公のその時々の髪の色で時期が特定できるとか。そこまで気が付かなかったのは私の未熟な故でしょう。断酒へ至るまでの描写は辛くもなかなかリアリティのある展開だったと思います。
ブロードウェイの伝説的な女優マリアン・セルデスをモデルに、キャリア終焉の危機に直面した大女優が最後の舞台に挑む姿を描いたドラマ。
ブロードウェイの第一線で活躍してきた大女優リリアン・ホールは、チェーホフの戯曲「桜の園」の公演を間近に控えていたが、稽古中に突然言葉を失うアクシデントに見舞われ、医師から認知症だと告げられてしまう。それは彼女にとって引退勧告にも等しい、あまりにも残酷な現実だった。人生のすべてを舞台に捧げてきたリリアンは、病気の事実を自らの胸の奥に押しとどめたまま「桜の園」をやり遂げることを決意する。病状は悪化の一途をたどり、現実と妄想の境界さえも曖昧になっていくなか、最期になるであろう舞台のためにすべてをかけるリリアンだったが……。
「トッツィー」などの名優ジェシカ・ラングが主人公リリアンを熱演し、リリアンを支え続けるアシスタントのイーディスを「ミザリー」のキャシー・ベイツ、隣人で元芸術家のタイを「007」シリーズのピアース・ブロスナン、リリアンの娘マーガレットをテレビドラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー」シリーズのリリー・レーブがそれぞれ演じた。監督は「ナイト・ウォッチャー」「ポワゾン」のマイケル・クリストファー。
2024年製作/110分/PG12/アメリカ
原題または英題:The Great Lillian Hall
配給:彩プロ
劇場公開日:2026年1月9日(以上、映画ドットコムより)
☆認知症を患いそれも時に亡き夫が現れる妄想も引き起こしながらも舞台女優を続け、長年彼女の世話をしてきたイーディスのサポートを受けながら「櫻の園」の主役に挑む主人公リリアン・ホールを演じるジェシカ・ラングの迫真の演技が素晴らしく、微妙な距離のある娘マーガレットとのイーディスを交えたやり取りなども生々しく、ハラハラする展開が続くこともあり、スクリーンから目が離せませんでした。
ところで、こうした舞台劇って1日だけでなく何日も続くものだと思うのですが、これ、たまたま初日はうまく事が運んだけれど、翌日以降はやはり代役を立てたのだろうか?なんてことをつい考えてしまいました(^^;)
昭和の青春を象徴する名作ドラマシリーズ「俺たちの旅」を初映画化。1975年に日本テレビ系列で連続ドラマとして放送開始され、その後も主人公たちの人生の節目ごとにスペシャルドラマが制作されてきた同シリーズの20年ぶりとなる続編で、主演の中村雅俊が映画初監督を務めた。
カースケこと津村浩介と、大学時代の同級生のオメダこと神崎隆夫、カースケの小学校の先輩であるグズ六こと熊沢伸六の3人は70代を迎え、すでに50年以上の付きあいとなった。カースケは小さな町工場を経営し、オメダは鳥取県の米子市長、グズ六は介護施設の理事長として、それぞれ平穏な日々を過ごしている。そんなある日、カースケの工場にオメダが訪ねてくるが、オメダは思いつめた様子ですぐに帰ってしまう。また別の日、カースケの工場で製作中のポットが大量に割られる事件が起きる。その中に懐かしい砂時計を見つけたカースケは、20年前に病死した元恋人・洋子との思い出を懐かしむが、グズ六から彼女が生きているという驚きの情報を聞かされる。
カースケ役の中村雅俊、グズ六役の秋野太作、オメダ役の田中健、オメダの妹・真弓役の岡田奈々らオリジナルキャストに加え、オメダの娘・真理役で前田亜季、カースケの工場の従業員・紗矢役で水谷果穂、青年・克史役で福士誠治、オメダの妻・小枝子役で左時枝が出演。
2026年製作/109分/G/日本
配給:ナカチカピクチャーズ
劇場公開日:2026年1月9日(以上、映画ドットコムより)
☆妹が当時夢中になっていたのでこちらも何となく一緒にテレビを観ていた程度でしたが、ちょっと懐かしくなって観たものの、主要人物たちの今の姿は否応なしに50年の時の流れを見せつけられ、それはまだ仕方ないとしても、ストーリーの方が現実味を欠いた箇所があったりして、何だかなぁ…って感じでした。
おそらくはテレビ・サイズの比率に合わせたスクリーン画面にもちょっと違和感を覚えましたし。
多くの回想シーンはほとんど見覚えがあったものの、何度か節目ごとに放映されたスピンオフは全く観ていないので、本放送以降の流れがちょっとわかりづらかったかな。やはり全放送をしっかり観た熱心なファン向けのように思います。
八千草薫、森川正太ら故人の映像や、若き日の金沢碧はやはり懐かしかったし、久しぶりに見た岡田奈々には今も華を感じたけれど、確か今も健在の筈の上村香子は出演もなく過去の映像も出なかったような…どうしてなのか気になりました。
「川のほとりに立つ者は」で本屋大賞にノミネートされた寺地はるなの同名小説を、「愛に乱暴」の森ガキ侑大監督が映画化したヒューマンドラマ。不都合な現実から目をそらし、それぞれが嘘を重ねながらも、ともに生きる一家の30年を通し、家族の「嘘」と「絆」を丁寧に描き出す。
羽猫(はねこ)家の長男・山吹(やまぶき)は、弟の事故死をきっかけに心を閉ざし、空想の世界で生きるようになった母のため、まるで弟が生きているかのような嘘の手紙を書き続けていた。父は変わってしまった妻を受け入れられず愛人のもとへ逃げ、祖父は裏山に遊園地を作ろうという現実離れした夢を語り、祖母は骨董屋で「嘘」を扱いながら暮らしている。唯一まともに見える姉の紅(べに)は、「嘘と嘘つきが嫌い」と言ってすべてに反抗している。それぞれが不都合な真実から目をそらしている羽猫家の人々だったが、ときに「家族をやめたい」と思いながらも、互いに寄り添って生きている。
主人公・羽猫山吹を高杉真宙が演じる。そのほか、山吹の幼なじみで恋人となる佐藤頼に伊藤万理華、山吹の初恋の相手・遠山かな子に深川麻衣、母・雪乃に安藤裕子、姉・紅に向里祐香、父・淳吾に安田顕、祖母に余貴美子、祖父に柄本明と、実力派キャストが顔をそろえる。
2025年製作/125分/PG12/日本
配給:ポニーキャニオン
劇場公開日:2026年1月9日(以上、映画ドットコムより)
☆このところ重たい映画を続けて観ているけれど、これもかなりな重たさながら、前日観た「俺たちの旅」よりは遥かに心に響くリアリズムと「切なさ」があり、人のやさしさや家族の在り方についても色々と考えさせられ、予想以上に見応えある作品でした。5年ごとに時代が移ることもあり、主人公らも最初は子役から始まりますが後の成長姿もほとんど違和感ない丁寧な人選ぶり。若手からベテランまでの配役にそれぞれの演技の抄も光っていたと思います。
イギリスのプログレッシブ・ロックバンド「イエス」が1972年12月15、16日の2日間、ロンドン・レインボーシアターで行った公演の模様を収録したコンサート映画。
1968年ロンドンで結成され、「ELP」「キング・クリムゾン」「ピンク・フロイド」とともに「プログレッシブ・ロック四天王」のひとつに数えられるバンド「イエス」。1971年発表の「こわれもの」、72年の「危機」、83年の「ロンリー・ハート」などのアルバムで知られ、1985年にグラミー賞を受賞。2017年にはロックの殿堂入りを果たした。2022年に「危機」50周年記念ツアーを開催し、同年9月には来日公演も行われるなど、世界的人気を誇る。
本作は、そんなイエスが72年発表の5thアルバム「危機(Close to the Edge)」を携え、同年7月に北米でスタートさせたツアー「Close to the Edge Tour」の一環として、同年12月15、16日の2日間、ロンドン・レインボーシアターで行われたライブの模様を収録。バンド黄金期の圧巻のパフォーマンスを記録した作品で、アメリカで1975年に製作・劇場公開された。
1975年製作/72分/G/アメリカ
原題または英題:Yessongs
配給:REWINDERA PICTURES、WOWOW
劇場公開日:2026年1月9日(以上、映画ドットコムより)
☆予告編を観た時から気になっていたけれど、映像はまだしも、とにかく音が悪すぎるのが難点でしたが、ジョン・アンダーソンの格調高い歌声、スティーヴ・ハウ、クリス・スクワイア、リック・ウェイクマン、アラン・ホワイトらの迫力あるプレイに魅せられます。やはりこの時代のイエスの演奏力の高さは素晴らしかったな![]()
特別料金も取っていることでしたし、丁寧なリマスタリングを行なってほしかったです。昨年同じ時期に撮られたと思われるピンク・フロイドのポンペイの映像や音が素晴らしかっただけに、よけいにそう思います。












