この当時はこうしたオールド・スクールのグループも第一線とは言えませんでしたがまだ活躍していましたね。
そんな中から2つのグループの競演が2008年にありました。
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7/8
70's SWEET SOUL JAM
Harold Melvin's Blue Notes vs Ray, Goodman & Brown
2nd show
@ Billboard Live Tokyo
例によって吉岡正晴さんの「ソウル・サーチン」で詳しくレポートされていますが(この人もやはりブルー・ノーツをクール・ファイヴに例えていてニヤリとしてしまった)、ビルボード・ライブでの70's SWEET SOUL JAM、本当に楽しかったです。
片やフィラデルフィア・ソウルの黄金時代に名プロデューサー・チーム、ギャンブル&ハフのバックアップの元、テディ・ペンダーグラスの迫力あるバリトン・ヴォイスを中心にダイナミックなヒット曲を連発していたブルー・ノーツ。
一方、そのフィラデルフィアのスタイルに影響を受けながらも、ニュージャージーでジョージ・カーやシルヴィアといった個性的な人たちと共に甘いファルセットを多用した独自のスウィート・ソウルを築き上げたモーメンツことレイ・グッドマン&ブラウン。
剛と柔の取り合わせで、両者の違いもくっきり表れていて、正に一粒で2度美味しいソウル・ショーだった。
どちらも個人的に大好きなグループ。
まずはブルー・ノーツ。
リード・シンガーのテディ・ペンダーグラスの独立からは既に30年あまりが過ぎ、ハロルド・メルヴィンが亡くなってからも10年を過ぎたが、今もこうして彼の遺志を継ぐかのように、活動を続けているのは嬉しい。
現リード・ヴォーカルのビッグ・ダディ・ダーネル・ガレスピーが出てきて早々に用意されていた椅子に座ってしまったのでビックリしたけれど、歌の迫力は相変わらず。残り3人のあまり揃っていない振り付けも相変わらず(笑)。
例によって2曲目に早くも代表曲"If You Don't Know Me By Now"をオリジナルよりもコーラス・グループらしいアレンジで歌い、
更に"Bad Luck"で行け行け状態になった後、今回は登場するとは思わなかった唯一のオリジナル・シンガー、シャロン・ペイジがフィーチャーされる"Hope That We Can Be Together Soon"
と"You Know How To make Me Feel So Good"で大いに盛り上がり、ラストの"The Love I Lost"まで、短いステージながらも6曲全てフル・コーラスで歌い切った。
まだまだ聴きたい曲もあったが、2年前にエボニーズのピンチヒッターとして来日した際にたっぷりと楽しんだことだし、告知に無かったシャロン・ペイジが出演しただけでも今回は良しとしよう。
バンドはそのまま残り、セット・チェンジして、いよいよRG&B。
こちらは6年ぶりの来日。前回は不参加だったケヴィン・オーウェンスが参加。17年前のまだハリー・レイが存命だった時代の横浜での素晴らしかったショーが今も忘れられないが、彼の死を乗り越えてグループをいい状態のまま持続させていた前回もなかなか良かったので、期待していた。
イントロダクションから、なかなかステージに出て来ない....と思いきや、サポートのラリーを含む4人が客席両脇の階段から二手に分かれて登場。全員黒ずくめの衣裳で、チョイ悪オヤジ風の不適な笑みを浮かべながらステージに揃った姿が妙にハマる。
ケヴィンの歌う"Sexy Mama"はハリーとはまた違った趣があった。続く"Inside Of You"ではビリーが地声とファルセットを巧みに使い分け4人のコーラスも絶妙。
そこから先は、ブルー・ノーツとはどこまでも対照的に、なるべく多くの曲をやろうとしてか、メドレーで往年のヒット曲が次々に歌われる。ハリーの持ち歌だった曲はケヴィンが歌うが、それらの曲と、初来日の時に温かい歓迎を受けたことを今も忘れないとアルが述べて歌われる"I'll Remember You With Love"はやはり感動的(17年前のステージと同じく途中でレゲエになるのも懐かしい)。"I Don't Want To Go"で「行きたくない」と日本語で歌うのも初来日時のまま。
雨の歌が好きな僕のために(というわけでは勿論ないが)"Heaven In the Rain"も歌ってくれた。
みんなが待っていた"Special Lady"では、
途中でアルがラリーに「Ladyは日本語でどう言うのか?」と訊き、ラリーがそっけなく「オンナ」(イントネーションがおかしかった)と答え、アルが「オンナ、アイシテル」とカタコトで言って客席は大爆笑。
アルは更に発売中のCDやDVDを紹介し「このCDで60分愛の営みのBGMとして楽しめる」というようなことを「16分」と言い間違えてボケまくる。
そして最後はやはりモーメンツ時代の代表曲"Love On A Two Way Street"で、
ビリーが艶のあるファルセットで歌いあげ、余韻を残すように去っていった。
故ローラ・ニーロも生前好んで口ずさんでいたというスウィート・ソウルの名曲は、今も色あせない。
彼らのショーは洗練されていてサーヴィス精神もたっぷりで本当に素晴らしい。
今回は特に初めて見るケヴィン・オーウェンスのヴォーカルが良かった。彼はハリー・レイの代役だけでなく、ブルー・マジックのテッド・ミルズの代役も充分に可能のような気がする。
アンコールは両者のメンバーが全員揃って歌う、マクファデン&ホワイトヘッドの"Ain't No Stoppin' Us Now"。
ハロルド・メルヴィン存命中のブルー・ノーツでもアンコールでよく歌っていたし、先日のマンハッタンズはオープニングでこの曲を歌ったが、こういうフィナーレにはうってつけの曲。
客席は総立ち状態で、みんな本当にこのまま終わって欲しくない思いでいるようだった。
マンハッタンズや先月のココ/シャニース/ニッキ・ギルバートの時もそうだったけれど、見ている間は幸せでいっぱいという感じ。そして見終わってその余韻に浸りながら会場を後にして、家路につく時には祭りの終わった後のような淋しい気分になったりする。
でも、その淋しさは、また次のライヴへのステップにもなるわけでして.....(笑)。
2008年7月10日 記
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個人的にはやはりこうしたオーソドックスなソウル・コーラス・グループが大好きなのですが、各グループのオリジナル・メンバーの多くは既に鬼籍に入ってしまいましたし、メンバー・チェンジを経てもこの当時から徐々に見られなくなってしまっているのが残念でならないです。