アーカイヴス その25 ライヴ観覧記 2007年2月上旬 | やせっぽちのヒロシのブログ

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趣味は国際交流?(笑)。

この時期はライヴのハシゴなんかも平気でやっていたんですね。それも三鷹から恵比寿へのハードな移動でした。

 

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2/1 Bruce Hughes with Scrappy Jud Newcomb @サムズ・アップ
昨年秋のThe Resentmentsの興奮が冷めやらぬところだが、早くも今度はその中から最も黒っぽいノリで楽しませてくれたBruceとサポート・メンバーとしてJudが来日。
ソロ・アルバムではバンドとはかなり違った音楽性を聞かせてくれていたので、どんな内容になるのか見当もつかなかったけれど、フタを明けて見れば、ソロの曲もThe Resentmentsの曲も新曲らしき曲も全て二人のアコースティック・ギターとヴォーカルのみ。
すでに多くの方々が日記やコミュなどで書かれているけれど、鍛え上げられたテクニックと、歌心たっぷりの熱いグルーヴに、ひたすら聴き入ってしまった。
それにしてもBruceの幅広い音楽性には驚く。軽くスウィングした曲から、フォーク、ブルース、カントリー、ソウル、ファンクといった曲を自由自在に、それも彼のスタイルで、時にナイーヴに、時に熱く強靭に、歌い演奏しているのだから。
また今回はサポートとして参加のJudも随所で素晴らしいフレーズを連発。改めてギタリストとしての実力を見せつけられた。
二人のヴォーカル・ハーモニーも、声の質が全く違うだけに、スリルのある調和ぶりで面白かった。
オープニング・アクトのオハラマヤも、相変わらず春の陽射しのような温かい歌声。この人のワンマンもいつか見てみたい。

 

2/4 Catriona McKay & Chris Stout vs Haugaard & Hoirup @武蔵野市民文化会館 小ホール
「ケルト、バイキングの末裔の伝統音楽」なんてタイトルをつけられてしまったが、どちらも伝統音楽に根ざしてはいるものの、もっと洗練された音楽をやっていると思うので、そうしたたたき文句にはちょっと疑問。
第一部のCatriona & Chrisは、数年前に地元葛飾で見たのが最初で、その後一昨年暮れにはAnunaのゲストで、更に昨年は彼ら二人が所属するFiddlers' Bidの来日もあったし、このところ頻繁に日本を訪れている。
いかにも日本人が好みそうな、ややクラシック寄りなケルティック音楽という感じだけど、その美しいサウンドには何だかんだ言ってもあがなえないものがある。
第二部のHaugaard & Hoirupは、やはりかつてケルティック・クリスマスで2回来日しているが、今回もデンマークの伝統的なフォークをやる一方で、アコースティック・スウィングにも通じるモダンなオリジナル曲が心地よい。とりわけヴァイオリンのHaugaardにはStephane Grappelliの影響を強く感じる。
最後はお約束の合同演奏があり、なかなか面白いアンサンブルを聞かせてくれた。

2/4 Corinne Bailey Rae @恵比寿ガーデン・ホール
先のコンサートが終了するや否や余韻に浸る間もなく三鷹駅まで早足で向かい、恵比寿へと急ぐ。
どうにか間に合ったと思ったら、もう開演時間間近だというのにまだ入場中。もしかして開場時間が遅れた?
しかしロビーへ来るとすぐに「間もなく開演しますので急いで中へお入りください」と係員の声。結局は15分くらい待たされた。
さすがに売り切れただけあって会場は超満員。そんな中、ホーンを含むバンドと登場したCorinne、曲によってはギターを弾きながら歌うけれど、笑顔がホント可愛かった。
いわゆるオーガニック・ソウル系として売り出されているようだけど、もっとシンガー・ソング・ライターっぽくて、Linda Lewisあたりに通じるような?
途中新曲や意外なカヴァーでLed Zeppelinの"Since I've Been Loving You"などもあったが、あとはファースト・アルバムの曲をほとんどそのままのイメージで歌う。
悪くはなかったけれど、何せ次の日に見たのが強烈だったもので....。

 

2/5 India Arie @Shibuya-AX
初来日の時も見たけれど、そのときは個性は抜きん出ているもののパフォーマーとしてはまだまだ?なんて思っていた。
丁度誕生日だったとかで、会場から「ハッピー・バ-スデー!」の声が上がると、バックバンドが"Happy Birthday to you ♪"と演奏しはじめ、感極まって泣いてしまいステージから数分姿を消してしまうという場面もあったっけ。
それが今回はすっかり大物としての風格を感じさせるライヴで、バンドとのコンビネーションもバッチリ。明らかに即興で歌いだした曲でも、それがしっかり音楽として成り立っていた。
おまけにこの日は外国人客が多かったせいか、客側とのやりとりも頻繁にあり、いくつかの曲ではリフレインを多くの客が合唱して、また更に彼女のテンションも上がっていく感じ。
本当にステージとフロアーが一緒になって盛り上がっていく実感のあるショーだった。
途中登場し"Summertime"を一緒に歌ったIndiaのお母さん(まだ若いのでビックリ)もまた見事な歌いっぷり。
それにしても彼女のStevie Wonderへの傾倒ぶりは有名だけれど、ワン・コーラスだけとはいえ、まさか彼女の歌う"Tell Me Something Good"(Stevieが作りRufusでヒットした曲)が聴けるとは思わなかったな。それも凄い迫力だった。彼女のコテコテのファンクも聴いてみたくなる。
蛇足ながら、この日のオープニング・アクトで登場したCurtis Mayfieldの某名曲と同じ名前のバンドは、70年代のロックのフレーズをパクリまくって、堂々とオリジナルとし、音量はやたらデカくて耳は痛めつけられるし、もう最悪。草葉の陰でCurtisが泣いていたことだろう。

2007年2月12日 記

 

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実際にはこれら以外にも友人や知人のライヴを観ていましたが、ここでは割愛しました。

India Arieのオープニング・アクトのCurtis Mayfieldの某名曲と同名のバンドは、その後実質女性シンガーのソロ名義となって活動、何年か前にはNHKの朝ドラの主題歌まで歌うほどの人気歌手となりましたが、私はその時のライヴの悪印象が拭えず今もあまり好きにはなれません。