6月に観た映画 その1 | やせっぽちのヒロシのブログ

やせっぽちのヒロシのブログ

音楽とお酒が大好きです。
趣味は国際交流?(笑)。

6月上旬に観た映画です。

 

日本のポピュラー音楽史に残る数々の名曲を生んだ音楽家・加藤和彦の軌跡をたどったドキュメンタリー。
「ザ・フォーク・クルセダーズ」や「サディスティック・ミカ・バンド」など時代を先取りした音楽性で多くの人々に影響を与え、「トノバン」の愛称で親しまれた加藤和彦。日本初のミリオンヒットを生んだザ・フォーク・クルセダーズの結成秘話、世界進出を果たしたサディスティック・ミカ・バンドの海外公演やレコーディング風景をとらえた貴重な映像、日本のポップスの金字塔といわれる“ヨーロッパ3部作”に隠された逸話などを紹介。さらに、不朽の名曲「あの素晴らしい愛をもう一度」を新たにレコーディングし、さまざまなジャンルのミュージシャンによって進化する楽曲の姿を映し出す。
ミュージシャン・高橋幸宏が加藤に寄せた思いから映画の企画が立ち上がり、「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」の相原裕美が企画・監督・プロデュースを担当した。

2024年製作/118分/G/日本
配給:ナカチカピクチャーズ
劇場公開日:2024年5月31日(以上、映画ドットコムより)

 

☆彼と交流のあったミュージシャンやスタッフなどの貴重な証言の数々に、「リブヤング」出演時のサディスティック・ミカ・バンドや「ニューミュージックスペシャル」出演時の加藤和彦のソロなどの映像が懐かしく、竹内まりやの「サイクリングブギ」なんていう初めて見る映像もあり、とても見応えのある映画でした。かなり前からのプロジェクトだったようで、既に故人となってしまった人も何人かいましたが、多分坂本龍一さんは病床からの出演だったのか、声だけ、それも時折咳き込みながら話しておられたのが印象的でした。

晩年の活動が全く紹介されなかったのは残念でしたが、フォークルやミカバンドの再編などは彼の革新的なイメージからは外れていたということかな?

以下ネタバレになってしまいますが、ラストの若いミュージシャンを交えての大団円的な「あの素晴らしい愛をもう一度」は個人的にはいらなかったです。

 

休暇をもらって天国から降りてきた亡き母と、母が残したレシピで定食屋を営む娘が過ごす3日間を描いたファンタジーストーリー。
亡くなって3年目になる日、ポクチャは天国から3日間の休暇を与えられ、ルール案内を担当する新人ガイドととも幽霊として地上に降りてくる。娘のチンジュはアメリカの大学で教授を務めており、そのことを母として誇らしく思っていたポクチャだったが、チンジュは教授を辞めて故郷の家に戻り、定食屋を営んでいた。それを知った母の戸惑いには気づかず、チンジュは親友のミジンとともに、ポクチャの残したレシピを再現していく。その懐かしい味とともに、チンジュの中で次第に母との思い出がよみがえっていく。
母ポクチャ役は韓国で「国民の母」とも呼ばれ親しまれるベテラン俳優のキム・ヘスク、娘チンジュ役はドラマ「海街チャチャチャ」「オーマイビーナス」などで人気のシン・ミナ。「7番房の奇跡」「ハナ 奇跡の46日間」などで知られるユ・ヨンアによる脚本で、「僕の特別な兄弟」のユク・サンヒョ監督がメガホンをとった。劇中に登場する家庭料理の数々も見どころ。

2023年製作/105分/G/韓国
原題:Our Season
配給:クロックワークス
劇場公開日:2024年5月24日(以上、映画ドットコムより)

 

☆天国の3日間の休暇とは、こちらで言うとお盆のようなものなのでしょうか? 何となく他にもありそうな、そしてかなり無茶ぶりも感じさせるストーリーながらも、基本的には韓流映画らしい随所に笑いが入り最後にホロリとさせる母と娘の人情劇で、劇中に出てくる数々の家庭料理が色と味を添える感じでした。

 

アニメ版も話題を集めた山本崇一朗の人気コミック「からかい上手の高木さん」を、「愛がなんだ」「街の上で」の今泉力哉監督のメガホンで実写映画化。
とある島の中学校。隣の席になった女の子・高木さんにいつもからかわれている男の子・西片は、どうにかしてからかい返そうとさまざまな策を練るも、彼女に見破られて失敗ばかりしていた。そんな2人の関係はずっと続くと思っていたが、高木さんがある理由から引っ越すことになり、心に秘めた互いへの思いを伝えることなく2人は離ればなれになってしまう。それから10年が過ぎたある日、母校で体育教師として奮闘する西片の前に、高木さんが教育実習生として現れる。
原作から10年後の設定で、大人になった高木さんと西片の新たな時間を描く。「そして、バトンは渡された」の永野芽郁が高木さん役、「交換ウソ日記」の高橋文哉が西片役で初共演を果たし、原作コミックでは空白の時間にあたる2人の10年後の再会を描く。原作者の出身地であり物語の舞台とであることから「高木さんの聖地」として親しまれている香川県小豆島で全編撮影を敢行した。

2024年製作/119分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2024年5月31日(以上、映画ドットコムより)

 

☆原作は未読ですが、以前から本屋で平積みになっていたのをよく見ていたので、人気コミックであることは知っていましたし、確か最近の新刊は「からかい上手の元高木さん」となっていたので、多分二人が結婚する話なんだろうという見当はついていました。

メチャクチャもどかしいシーンの連続で時にイライラしつつも胸がキュンとなるシーンもあったりしてやはり面白く観てしまいました(笑)。奇しくもこの日に観たテレビ番組「情熱大陸」は今泉監督を取り上げ、この映画のリハや撮影シーンが盛り込まれていました。

ちなみに舞台が小豆島ということで、どうしても「二十四の瞳」を思い出さずにはいられませんが、やはり当時の牧歌的な景色ではなくなっていましたね。

 

 

兄ジョエル・コーエンと「ファーゴ」「ノーカントリー」など数多くの作品を手がけてきたイーサン・コーエンの初単独監督作品。ドライブに出かけた2人の女性が、謎のスーツケースをめぐってさまざまな事件に巻き込まれるコメディドラマ。
日々の生活に行き詰まりを感じたジェイミーとマリアンは、車の配送(=ドライブアウェイ)をしながらアメリカ縦断のドライブに出かける。しかし、配送会社が手配した車のトランクに謎のスーツケースがあるのを見つけ、その中に思わぬブツが入っていたことから、スーツケースを取り戻そうとするギャングたちから追われるはめに。さらにジェイミーの元カノの警察官や上院議員までも巻き込み、事態は思わぬ方向へと発展していく。
ジェイミー役を「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のマーガレット・クアリー、マリアン役は「ブロークン・ハート・ギャラリー」「ハラ」などで主演を務めてきたジェラルディン・ビスワナサンが演じた。そのほか、ビーニー・フェルドスタイン、ペドロ・パスカル、マット・デイモン、マイリー・サイラスらが顔をそろえる。

2024年製作/85分/PG12/アメリカ
原題:Drive-Away Dolls
配給:パルコ
劇場公開日:2024年6月7日(以上、映画ドットコムより)

 

☆これは多分好き嫌いの分かれる映画でしょうね。私は大好きですが(笑)。冒頭のグロいヴァイオレンスシーンにドン引きし、全編これでもかと繰り広げられるレズシーンに唖然としつつ、アメリカン・カルト映画によくあるバカバカしさ全開ぶりのストーリーには妙に爽快感もあったりするという不思議な映画でした(^^; 

 

コミック誌「FEEL YOUNG」で2017年から2023年まで連載されたヤマシタトモコの同名漫画を映画化し、人見知りな女性小説家と人懐っこい姪の奇妙な共同生活を描いたヒューマンドラマ。
大嫌いだった姉を亡くした35歳の小説家・高代槙生は、姉の娘である15歳の田汲朝に無神経な言葉を吐く親族たちの態度に我慢ならず、朝を引き取ることに。他人と一緒に暮らすことに戸惑う不器用な槙生を、親友の醍醐奈々や元恋人の笠町信吾が支えていく。対照的な性格の槙生と朝は、なかなか理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに、家族とも異なるかけがえのない関係を築いていく。
新垣結衣が槙生役、オーディションで抜てきされた新人・早瀬憩が朝役でダブル主演を務め、槙生の友人・醍醐を夏帆、元恋人・笠町を瀬戸康史、朝の親友・楢󠄀えみりを小宮山莉渚がそれぞれ演じる。監督・脚本は「PARKS パークス」「ジオラマボーイ・パノラマガール」の瀬田なつき。

2024年製作/139分/G/日本
配給:東京テアトル 、ショウゲート
劇場公開日:2024年6月7日(以上、映画ドットコムより)

 

☆この子の母親である姉のことは大嫌いだったし、他人とは決してわかりあうことは出来ないという冷めた考えを持ちつつ、でも今自分が不用意に何か言ってしまうことで成長期の姪に何か悪い影響を及ぼしてしまうという思慮もあり、出来るだけ寄り添っていこうとする槙生役の新垣結衣が好演だったと思います。親友や元カレの助けを借りながら、次第に距離感が縮まっていく叔母と姪の関係にはちょっとシスターフッド的なものも感じさせられました。

ただ、最近こうした人気コミックの映画化が多いように思いますが、私のように原作を未読な者はすんなり入っていけますけれども、原作が頭の中にしっかり入っている人はそれまで自身が描いていた登場人物のイメージと合わなかったりすることが多いことでしょうね。

 

井浦新がアメリカ映画で初主演を務めたヒューマンドラマ。
東京でブランドマネージャーとして働くヒデキは、上司でもある婚約者ケイコと新居を探す一方で、経営不振に陥ったモンタナ州の牧場で和牛を飼育して収益改善を図る計画を立ち上げる。ヒデキは神戸牛づくりの名人であるワダをアドバイザーに迎えて現地入りするが、初日からワダがトラブルに見舞われ、説明会や現地視察をヒデキ1人で行うことに。いつものスーツ姿で事業計画をプレゼンするヒデキだったが、祖父の代から牧場を運営するペグから見込みの甘さを指摘されてしまう。牧場の従業員ハビエルやその家族との交流をきっかけにスーツを脱ぎ捨てたヒデキは、文化の違いを越えて土地や仕事を理解することの大切さを学んでいく。
恋人ケイコを藤谷文子、アドバイザーのワダを國村隼が演じた。テレビ番組のディレクターやプロデューサーを長年務めてきたマーク・マリオットの長編映画初監督作で、キャリア初期に山田洋次監督作の海外現場に参加した際の経験をもとに本作を撮りあげた。

2023年製作/118分/G/アメリカ
原題:Tokyo Cowboy
配給:マジックアワー
劇場公開日:2024年6月7日(以上、映画ドットコムより)

 

☆このところの井浦新の主演作はハズレが無いなと思います。要は郷に入れば郷に従えをテーマに描いたものですが、効率重視のエリート・ビジネスマンがモンタナの牧場へ商談に赴き、はじめは全く受け入れられなかったのが、そこで働く人たちとの交流を重ねて行くうちにその価値観を変えていく心の変化が雄大な景色と共に描かれて、ある意味それぞれがあまりにもステレオタイプに描かれているようには感じたものの、日本語・英語・スペイン語(一部スペイン語のやり取りに字幕のないシーンがあったけれど、おそらく主人公のその場の状況を観客にも体感させていたのかな?)の入り混じることで、様々な人種から成る人間社会の縮図を見ているようでもあり、とても素敵な作品でした。

今回は出番の少ない國村隼は、英語が多用される作品には必ず出てきますね。

 

長編デビュー作「生きてるだけで、愛。」で注目を集めた映像クリエイターの関根光才が杏を主演に迎え、作家・北國浩二の小説「嘘」を映画化したヒューマンミステリー。
絵本作家の千紗子は、長年にわたって絶縁状態となっていた父・孝蔵が認知症を発症したため、仕方なく故郷へ戻って介護をすることに。他人のような父との同居に辟易する日々を過ごしていたある日、彼女は事故で記憶を失った少年を助ける。その少年の身体に虐待の痕跡を見つけた千紗子は少年を守るため、自分が母だと嘘をついて一緒に暮らし始める。認知症が進む父と3人で、最初はぎこちないながらも次第に心を通わせ、新しい家族のかたちを育んでいく千紗子たちだったが……。
千紗子の父・孝蔵を奥田瑛二、少年を中須翔真が演じ、安藤政信、佐津川愛美、酒向芳が共演。

2024年製作/128分/G/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2024年6月7日(以上、映画ドットコムより)

 

☆母の連れ子に対する父親の虐待、認知症を患った父親の介護など、最近よく目にする問題を盛り込まれていますが、奥田英二もついに認知症の爺さんの役をやるようになってしまったかというのがまずは衝撃でした(^^;) ストーリー的には本来学校へ行っていなければならない小学生を長くかくまっていたり、ちょっとあり得ないだろうと思わせる展開や主人公の暴走ぶりが目立つようには思いましたけれども、その辺は杏の母性溢れる熱演がカヴァーしていたかな? 観終わった後、ちょっと原作をパラパラと立ち読みしてしまいましたが、ラストに関しては映画ではかなり端折られているように感じます。

 

「SR サイタマノラッパー」「AI崩壊」の入江悠が監督・脚本を手がけ、ある少女の人生をつづった2020年6月の新聞記事に着想を得て撮りあげた人間ドラマ。
売春や麻薬の常習犯である21歳の香川杏は、ホステスの母親と足の悪い祖母と3人で暮らしている。子どもの頃から酔った母親に殴られて育った彼女は、小学4年生から不登校となり、12歳の時に母親の紹介で初めて体を売った。人情味あふれる刑事・多々羅との出会いをきっかけに更生の道を歩み出した杏は、多々羅や彼の友人であるジャーナリスト・桐野の助けを借りながら、新たな仕事や住まいを探し始める。しかし突然のコロナ禍によって3人はすれ違い、それぞれが孤独と不安に直面していく。
「少女は卒業しない」の河合優実が杏役で主演を務め、杏を救おうとする型破りな刑事・多々羅を佐藤二朗、正義感と友情に揺れるジャーナリスト・桐野を稲垣吾郎が演じた。

2024年製作/113分/PG12/日本
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2024年6月7日(以上、映画ドットコムより)

 

☆奇しくも「毒親モノ」が二つ続いてしまいましたが、こちらは実話がベースになっているとのこと。最近気になる若手女優の一人河合優実の主演ということで観ることにした次第です。母親に強要された売春・ドラッグ・万引きなど想像以上に過酷でハードな展開にはどんどん重苦しくなっていき、そんな中彼女を救い出した刑事とジャーナリストの存在に希望を見出しつつも、その刑事も実はトンデモ男だったことが判明し、そこにコロナ禍が追い打ちをかけていくというもので、これでもかと彼女を襲う不幸と不運、そして悲劇的な結末にやるせない気分になりました。きれいごとだけでは生きていくことの出来ない底辺の裾野が次第に広がっていく現実が見えてくるような映画だったと思います。それにしてもここでの河井青葉の演じた毒親ぶりが凄まじかったです。

 

イギリスの作家レイチェル・ジョイスによる小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」を、「アイリス」のオスカー俳優ジム・ブロードベント主演で映画化。
定年退職し妻モーリーンと平穏な日々を過ごしていたハロルド・フライのもとに、北の果てから思いがけない手紙が届く。差出人はかつてビール工場で一緒に働いていた同僚クイーニーで、ホスピスに入院中の彼女の命はもうすぐ尽きるという。近所のポストから返事を出そうと家を出るハロルドだったが、途中で考えを変え、800キロ離れた場所にいるクイーニーのもとを目指してそのまま手ぶらで歩き始める。ハロルドには、クイーニーにどうしても会って伝えたい、ある思いがあった。
ハロルドの思わぬ行動によって自身も変化していく妻モーリーンを、「ダウントン・アビー」シリーズのペネロープ・ウィルトンが演じた。原作者ジョイスが自ら脚本を担当。

2022年製作/108分/G/イギリス
原題:The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry
配給:松竹
劇場公開日:2024年6月7日(以上、映画ドットコムより)

 

☆なかなか面白い映画でした。こういうのもロード・ムーヴィーになるのかな? おじいさんがただ目的地であるかつての同僚の女性が入院しているホスピスに向かって歩いて行くという映画ですが、その道中に起こる様々な出来事や出会った人達との交流が今らしくて良かったですし、そんな中少しずつこれまでの妻や息子との確執や葛藤などが明らかになっていき、それを振り返りつつ時には悔恨の思いを見せながら目的地へ辿り着くというもの。

劇中に流れる歌声は聞き覚えがあるな…と思ったら、かつて来日もしたSam Leeでした。

 

 

 

1964年に映画デビューして以降、名バイプレイヤーとして数多くの作品に出演してきた平泉成が、80歳で映画初主演を務めた作品で、写真館の主人と若いカメラマンの交流を描いた、あるた梨沙の同名漫画の実写映画化。
気鋭のカメラマンとして活躍する太一は、さびれた写真館を営む鮫島の撮影した一枚の写真に心震わされ、華々しいキャリアを捨て、鮫島に弟子入りを志願する。他人に関心を持たず淡々と写真を撮っていた太一は、写真館に訪れる客ひとりひとりと対話を重ねることで、被写体と深く関わっていく鮫島の撮影スタイルに驚きを隠せずにいた。客たちの心残りや後悔に真摯に向き合っていく鮫島の姿勢に接し、太一は自分に足りないものがあることに気付き始める。
鮫島役を平泉が演じ、「20歳のソウル」の秋山純監督がメガホンをとった。太一役は「20歳のソウル」でも秋山監督とタッグを組んだ、「Aぇ! group」の佐野晶哉。そのほか、佐藤浩市、吉瀬美智子、高橋克典、田中健、美保純、赤井英和、黒木瞳、市毛良枝ら豪華実力派キャストが集った。

2024年製作/104分/G/日本
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2024年6月7日(以上、映画ドットコムより)

 

☆主役は平泉成とのことながら、若いカメラマンの成長に一役買うようなストーリーで、結局は引き立て役になっていたような?

まぁ、嫌味のない心暖まる作品ではありました。黒木瞳、市毛良枝、佐藤浩市、田中健といった脇を固める人達もさすがの存在感。特に久しぶりに見た市毛良枝の包容力ある佇まいに惹かれました。

美保純がホスピスで死を迎えるお婆ちゃん役というのはちょっと驚いたけれど、年齢的にはもはやそうした役をやっても不思議はないか(^^;

 

「岸辺の旅」「スパイの妻」の黒沢清監督が柴咲コウを主演に迎え、1998年に手がけた同名映画をフランスに舞台を移してセルフリメイクしたリベンジサスペンス。娘を殺された父親と彼に手を貸す精神科医が繰り広げる徹底した復讐の行方を、全編フランスロケ&フランス語で描き出す。
8歳の愛娘を何者かに惨殺された父親アルベール・バシュレは、偶然知り合った精神科医・新島小夜子の助けを借りながら、犯人を突き止めて復讐を果たすべく殺意を燃やしていた。やがて2人はとある財団の関係者たちを拉致し、次第に真相が明らかになっていくが……。
他人の復讐に協力する謎めいた精神科医という難しい役どころを柴咲がフランス語で熱演し、2019年のフランス映画「レ・ミゼラブル」で注目を集めたダミアン・ボナールが復讐に燃える男アルベールを演じた。

2024年製作/113分/G/フランス・日本・ベルギー・ルクセンブルグ合作
原題:Le chemin du serpent
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2024年6月14日(以上、映画ドットコムより)

 

☆オリジナルの方は未見ですが、何となく面白そうかな?と思い観ることにしました。娘を殺された父親の犯人探しと復讐に手を貸す日本人女医という位置関係がちょっとミステリアスでしたが、ストーリーが進むにつれて次第に協力するだけではなく、直接手を下したり、自身が主導したり、また時にこっそり彼を裏切るかのような言動もあったりして更に訳がわからなくなっていき、また同時に主役を演じる柴咲コウの怖さも際立っていきます。そして終盤ではおぞましい事実も次々に判明していき、最後は意外な展開に...。少し前に観た映画「ミッシング」では狂乱する妻と冷静に対峙した夫役の青木崇高がここではフランスに居る主人公と日本からリモートで対面する夫役を演じていますが、あまりにも意外な結末でした。