1月に観た映画 その1 | やせっぽちのヒロシのブログ

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趣味は国際交流?(笑)。

黒柳徹子が自身の子ども時代をつづった世界的ベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」をアニメーション映画化。好奇心旺盛でお話好きな小学1年生のトットちゃんは、落ち着きがないことを理由に学校を退学させられてしまう。東京・自由が丘にあるトモエ学園に通うことになったトットちゃんは、恩師となる小林校長先生と出会い、子どもの自主性を大切にする自由でユニークな校風のもとでのびのびと成長していく。
主人公トットちゃん役で子役の大野りりあな、トモエ学園の校長・小林先生役で役所広司、バイオリン奏者であるトットちゃんのパパ役で小栗旬、ママ役で杏、担任の大石先生役で滝沢カレンが声の出演。「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」シリーズなどの国民的アニメを世に送り出してきたシンエイ動画がアニメーション制作を手がけ、「映画ドラえもん」シリーズの八鍬新之介が監督を務める。(以上、映画ドットコムより)

 

☆昨年観ようと思いながら観られず、年を越してしまいました。ちょっとした異端児だったトットちゃんが理解ある先生のおかげで自分の居場所を見つけることが出来た幸福感、そんな中で日本が次第に戦争へと突き進んでいく中での庶民の日常生活の変化、やがて戦局の悪化から大事なものが次々に奪われていく様など、全てがトットちゃんの目線で描かれているところに現実味を強く感じさせられます。そして最近流行りの3Dアニメではなく、昔ながらの手作り感のあるアニメの温かさが良かったです。

 

作家であることを隠して高級娼館に潜入したエマ・ベッケルが、その体験をもとにアンダーグラウンドで生きる女性たちのリアルな姿を描き、フランスで賛否両論を巻き起こしたベストセラー小説「La Maison」を映画化。
フランスからベルリンに移り住んだ27歳の作家エマ。娼婦たちの裏側に興味を抱いた彼女はその実情を理解するべく、高級娼館「ラ・メゾン」に娼婦として潜入する。一緒に働くことで顕になる女性たちの本音や、そこで繰り広げられる刺激的な出来事を、包み隠さずノートにつづっていくエマ。新たな発見に満ちた日々を送るうちに、当初は2週間だったはずが、いつしか2年もの月日が流れていく。
「パリのどこかで、あなたと」「FOUJITA」のアナ・ジラルドがエマ役で主演を務め、役作りのためパリの老舗キャバレー「クレイジーホース」で指導をうけるなどして高級娼婦役を熱演。「ワンダーボーイ」で監督としても注目される俳優アニッサ・ボンヌフォンがメガホンをとった。(以上、映画ドットコムより)

 

☆題材に興味を持って観ることにした映画です。何だか数年前に伊藤沙莉が主演のデリヘル嬢たちを描いた映画「タイトル、拒絶」を思い出してしまいました。まぁ、こちらはデリヘルではなく高級娼館ということで、次元はかなり違いますが、主人公を取り巻く同僚の多様さはどちらも同じですし、そもそもやることは一緒ですよね(笑)。

 

夫の赴任先バンコクで性の悦びに目覚めていく女性を描き、主演のシルビア・クリステルを一躍スターダムに押し上げた官能ドラマ。
パリで暮らすエマニエルは、バンコクで外交官として働く夫ジャンのもとへ向かう。そこで知り合った人々の奔放な性生活に驚くエマニエルだったが、そんな彼女にもある秘めごとがあった。開放的なバンコクで、エマニエルは考古学者の女性ビーとつかの間の逃避行を楽しみ、性の大家マリオに導かれて官能の渦へ飛び込んでいく。
エマニエル・アルサンの同名小説を原作にファッション写真家のジュスト・ジャカンがメガホンをとり、「映画に愛をこめて アメリカの夜」のジャン=ルイ・リシャールが脚本を担当。本国フランスのみならず日本でも大ヒットを記録し、後に続編やテレビ版も製作された。2023年12月29日から、日本公開50周年を記念して4Kレストア版をリバイバル公開。(以上、映画ドットコムより)

 

☆私が高校生の頃に一世を風靡した映画でしたが、当時は恥ずかしくて観に行けませんでした(笑)。テレビで放映されたこともあるらしいのですがそれも観てはおらず、今回本当に初体験です。ちなみにシルヴィア・クリステルの映画は昔童貞の男の子を誘惑する「プライベート・レッスン」という作品を観たことがあります。そちらはほとんど五月みどりのような妖艶さと毒気を漂わせていましたが、さすがにこちらは若いですね。それも無修正だったようで、その官能的な美しさに浸ることが出来ました。ストーリーも思っていた以上に面白かったな。

 

性の悦びに目覚めた女性の奔放な性の遍歴を描き、本国フランスのみならず日本でも一世を風靡した官能映画「エマニエル夫人」の続編。
香港に赴任した夫ジャンのもとへ向かうことになったエマニエルは、船の中で新たな官能と巡り合う。香港では夫ジャンに抱かれながらも、自宅に滞在するパイロットのクリストファーとの妄想を膨らませる。ある日、若い女性アンナ・マリアと出会ったエマニエルは、彼女に肉欲的な愛の快楽を手ほどきしていく。
前作に続いてシルビア・クリステルが主人公エマニエルを体当たりで熱演。「地獄に堕ちた勇者ども」のウンベルト・オルシーニが夫ジャンを演じた。2023年12月29日より、デジタルリマスター版をリバイバル公開。(以上、映画ドットコムより)

 

☆第1作を観たら、やはり続編も観てみようかという気になり、その日のうちにこちらも観てしまいました。

レズ・シーンも含め、前作以上に大胆で過激な描写の数々に圧倒されてしまいました。

ただ、前作のバンコクといい、ここでの香港といい、どちらもかなりエキゾチックな街として描かれていて、それが当時のヨーロッパ人のアジア蔑視に繋がる様々な偏見も盛り込まれているように感じられ、今はエロスよりもそうした部分が問題になりそうに思ってしまいました。

もっともそれはヨーロッパに限らず日本でも東南アジア旅行というと買春のイメージがあったりした時代でしたが...

 

2019年7月15日、安倍元首相の遊説中に政権批判の声を上げた市民を警察官が取り囲んで移動させた「ヤジ排除問題」を4年間にわたって追及したドキュメンタリー。
表現の自由と民主主義がおびやかされたとして、当時メディアで大きく報道されたヤジ排除問題。北海道放送が2020年に放送したドキュメンタリー番組「ヤジと民主主義」はギャラクシー賞や日本ジャーナリスト会議賞など数々の賞を受賞し、書籍化もされた。その後、排除された市民2人が原告として警察側を訴え、1審は勝訴したものの高裁では判断が分かれ、双方が上告し裁判は続いている。
この問題を4年間にわたって追い続ける取材班が、当事者および専門家たちに追加取材を行い、テレビや書籍では伝えきれなかった問題の深刻さを浮き彫りにする。作家の落合恵子がナレーションを担当。(以上、映画ドットコムより)

 

☆この排除事件は当時かなり話題になっていたのでよく憶えていますし、それだけに関心もあり、是非観なくてはと思っていました。

そして、事の経緯を丹念に追ったこのドキュメンタリーは是非多くの人に観ていただきたいと改めて思います。権力にモノ申すだけでまるっきり犯罪者扱いされ、その繰り返しで人々が段々萎縮し言いたいことも言えなくなっていく社会が出来上がりつつある過程を目にしている訳で、また警察側のヤジを飛ばした人をまわりから守るために排除したという卑劣な言い訳も含めて、権力者がありとあらゆる理屈で市民をがんじがらめに縛り付けようとする意図が浮き彫りになっており、改めて第二次安倍政権が出来てからの世の中の変化を感じずにはいられませんでした。

裁判はまだ続くので、最後までしっかり取材を続けてほしいものです。

 

2013年の監督作「父を探して」が第88回アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされたブラジル出身の気鋭監督アレ・アブレウが、巨人による破壊から魔法の森を救う謎の存在「ペルリンプス」を探す2人のエージェントの冒険を独自の色彩表現で描いた長編アニメーション。
テクノロジーを駆使する太陽の王国と、自然との結びつきを大切にする月の王国。それぞれの国の秘密エージェントであるクラエとブルーオは、巨人によってその存在を脅かされている魔法の森に派遣されている。魔法の森を守る唯一の方法は、かつて光としてこの森に入り込んだ「ペルリンプス」を見つけること。正反対の世界からやって来たクラエとブルーオは対立を続けていたが、共通の目的のため手を組むことに。しかしペルリンプスの手がかりを追う彼らを待ち受けていたのは、思いがけない結末だった。(以上、映画ドットコムより)

 

☆昔のディズニー・アニメの影響を感じつつも斬新で独自の色使いのアニメーションには新鮮味があり、環境保護へのメッセージを盛り込んだストーリーにはそれなりの工夫も感じるものの、ちょっと退屈してしまったのも正直なところで、作品としてはイマイチ感が...。

 

オーストラリアの豊かな海に育まれた母娘の絆を、環境保護のメッセージを込めて描いたヒューマンドラマ。人気作家ティム・ウィントンのベストセラー小説を原作に、「渇きと偽り」のロバート・コノリー監督がメガホンをとった。
若き海洋生物学者アビーは、母のドラが脳卒中で倒れたとの知らせを受け、西オーストラリアの海辺の町ロングボート・ベイに帰郷する。幸いにも症状が軽かったドラはすぐに退院し、美しい海を一望できる高台の自宅に戻るが、言葉を発することができなくなっていた。母を世話するためしばらく実家に滞在することになったアビーは、環境活動家だった母とこの家で一緒に過ごした少女時代を思い返し、自身の原点を見つめ直していく。
「アリス・イン・ワンダーランド」のミア・ワシコウスカが主人公アビー、「メリンダとメリンダ」のラダ・ミッチェルが母ドラを演じ、母娘と心を通わせる漁師マッカ役で「ミュンヘン」のエリック・バナが共演。(以上、映画ドットコムより)

 

☆奇しくも環境保護を扱った映画を続けて観ることになりましたが、こちらは雄大なオーストラリアの美しい海がスクリーンいっぱいに広がる映像美にまず釘付けになりました。まずは自身の暮らす地元の海を第一に考える母と、より大きな視点で地球環境を考える娘とのギャップがあり衝突もあれど、海を守るという思いは一緒であり、それを乱す者には二人で対峙していきます。

時系列が入り組んでいることもあり、役者もその都度変わったりするので、その辺がちょっと困惑しますが、登場人物が限られていたこともあり、ストーリー自体はわかりやすく展開していきます。

映像美も含めて早くも今年の映画の上位に入りそうな作品でした。

 

フィランドの作家トーベ・ヤンソンが生み出し、日本をはじめ世界で広く愛されるキャラクター「ムーミン」の長編パペットアニメーション。原作小説シリーズの「ムーミンパパの思い出」をもとに、ムーミンパパの若き日の冒険、個性的な仲間たちとの出会いや友情、ムーミンママとのなれそめなどが描かれる。
ある日、ムーミントロールはベッドでムーミンパパの若い頃の冒険話を聞くことになる。みなしごホームで育った若いムーミンパパは、ある時、思い立ってホームを抜け出して冒険に出る。発明家のフレドリクソン、ガラクタばかり集めていつもあたふたしているロッドユール(スニフの父親)と出会い、意気投合したムーミンパパは、彼らとともに「海のオーケストラ号」と名付けられた船に乗り込む。船内に忍び込んでいた気ままなヨクサル(スナフキンの父親)も仲間に加わり、ムーミンパパたちは大航海へと出発する。
本国フィンランド製作のアニメで、日本語吹き替えキャストには高山みなみ、大塚明夫、谷育子、かないみか、中尾隆聖、子安武人、佐久間レイと日本の平成版アニメ「楽しいムーミン一家」のレギュラー陣が集った。(以上、映画ドットコムより)

 

☆ムーミンの声と言えば岸田今日子さん、ムーミンパパの声と言えば高木均さんという昭和世代の私にとって、平成版アニメ「楽しいムーミン一家」のレギュラー陣が揃ったという触れ込みは全くピンと来ませんでしたし、アニメも私の苦手な3Dっぽい映像なので、観ていてちょっときつかったです。内容も結局はムーミンパパの武勇伝的のようなもので、それを息子のムーミントロールが無邪気にワクワクしながら聞いている場面にはほのぼの感があれど、やはり作品自体は子供よりも大人向けのファンタジーかなという感じでした。

 

「ウェンディ&ルーシー」などで知られ、アメリカ・インディーズ映画界で高く評価されるケリー・ライカート監督が、ミシェル・ウィリアムズと4度目のタッグを組んだ作品。芸術家の女性の思うようにならない日常や周囲の人々との関係を、時に繊細に、時にユーモラスに描く。
美術学校で教鞭を取る彫刻家のリジーは、間近に控えた個展に向け、地下のアトリエで日々作品の制作に取り組んでいる。創作に集中したいのにままならないリジーの姿を、チャーミングな隣人や学校の自由な生徒たちとの関係とともに描いていく。
主人公のリジーをウィリアムズが演じた。共演に「ダウンサイズ」「ザ・ホエール」のホン・チャウ、ライカート監督の「ファースト・カウ」に主演したジョン・マガロ、ラッパーのアンドレ・ベンジャミン、「フェイブルマンズ」のジャド・ハーシュ。2022年・第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。(以上、映画ドットコムより)

 

☆個人的には当たり外れの両極端な作品の多いA24ですが、これはちょっと面白いかも?と思い観に行った作品です。

特に何か大きな出来事がある訳では無く、ただ思うようにいかずまわりとの些細な出来事に苛立つ主人公、彼女を取り巻く友人や親族たちとのちょっとした軋轢など、主人公を演ずるミシェル・ウィリアムスの好演もあり、ひとつひとつにリアリティを感じるエピソードでした。傷ついてしばらく主人公が介護していた鳩が最後に変わり者の兄によって解き放たれたシーンに、この映画のテーマがあったように感じます。