キャッチコピーに騙されました | やせっぽちのヒロシのブログ

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3人の人気女優が主演、特に菅野美穂が久々に映画に出演したことで話題になっているようです。

全く別の地域に住みその家庭環境や暮らしも共働き・シングルマザー・専業主婦とそれぞれ違う中、それぞれが「石橋ユウ」という同じ名前の息子を育てる3人の母親たちの物語を同時進行的に描いたもので、初めはどの家庭もそれなりに平穏な生活ながら、些細なことから母と息子の間に溝が出来ていき、しだいに修羅場と化していくというもの。そこには育児に関わらない父親、DV、校内暴力、認知症など、現代の社会問題も盛り込まれています。

3人それぞれが自身の持ち味を発揮した熱演ですが、尾野真千子はつい先日も別の映画を観たばかりで、そちらがかなり強烈だったこともあり、今回はやはり1/3でしかないという感じです...って言うか、これを言ったらオシマイかもしれませんが、3つの同じような家庭崩壊劇となるストーリーをミックスする必要があったのか?というのが観終えた後の感想でした。まして息子が皆同じ名前(ユウという文字はそれぞれ違いますが)である必然性も全く無い訳ですし。そして、ここでも出てくる男(夫や弟)たちがことごとく最低で、最近邦画はそんな映画ばかりですけれども、実際そうなのかもしれないと(独身ながらも)我が身を振り返ってみたりもして(^^;)

また烏丸せつこや真行寺君枝が今やおばあちゃん役というのも、年齢的には納得ではありますが、時代の流れを感じずにはいられませんでした。

ちなみに、ネタバレになるので詳細は省きますが、「息子を殺したのは、私ですか.....?」というキャッチコピーには見事に騙されましたね(笑)。

 

 

 

 

清水ハン栄治監督が収容体験を持つ脱北者や元看守などにインタビューを行ない10年の歳月をかけて作り上げた3Dアニメーション。

1960年代の帰還事業で日本から北朝鮮に移民し平壌で平穏に暮らしていたパク一家、父が政治犯で逮捕されたことで、息子のヨハン、妹のミヒ、母のユリの3人が連座制で強制収容所へ連行され、過酷な労働を強いられるというもの。果てしなく続く凄惨な日々に、極限に置かれた収容者同士の裏切りや密告もあり、ヨハンは次第に自分を守るために自身が非情になっていくものの、自分の取った行動が元で母が犠牲となったことで...

今年の初めに観た1970年代のポル・ポト支配下におかれたカンボジアの一家族の苦難を描いたアニメ「FUNAN フナン」を思い出してしまいました。こちらはちょっと特殊な表現による3Dアニメで、その独特のキャラクターの造形や表現については、監督のインタビューによると「造形はデフォルメし過ぎず、かつリアルにし過ぎず、というバランスに苦心しました。というのも、歪曲し過ぎて『これは別世界で起こっている話』と思われてはアクティビズムにならない一方、収容所の現実をリアルに表現し過ぎるとホラー映画みたいになって観客が感情的についていけない。全般的に造形のポリゴンが少なく見える(カクカクした折り紙みたい)様な素材感にして、登場人物との擬似体験を少しバッファーを掛けるなどの工夫もしました」ということで、その辺のこだわりが生きていたのか、「生き地獄」とは正にこういうことなのだろうと思うくらいに理不尽でリアルな描写がこれでもかと続きますが、最後まで目をそむけずに観ることが出来ました。そして、ネタバレになるので詳しくは書けませんが、主人公ヨハンのまさかの選択には驚かされました。

それにしても、北朝鮮では実際今もここで描かれているような状況に置かれている人が推定12万人も居るらしいということで、改めてその非道ぶりには憤りを覚えずにはいられませんが、日本なんかも今のような腐った政権による悪政がこの先も続いていくようだと、こんな風になってしまっても不思議はない訳で、決して対岸の火事ではないのですよね。

ちなみに、「トゥルーノース」とは、映画の内容から「北朝鮮の真実」と受け取ってしまいましたが、解説によると「真に重要な目標」を指す英語の慣用句だそうで、自分がどの位置にいようともコンパスの針は常に北を指すことから、「決して変わらない目指す方向、正しい方向」「生きる意味」として使われるようになったということで、主人公ヨハンの生き様を表していたようです。