ニューロティカとラーメンと道とライブと元気しかない!の話 | 考えてる途中。

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おもにエビ中の好きな曲のこととかを考えてる途中。
ふしぎと意味のない文章ばかり書きあがります。

6月に入りましたよ。

色々あってブログとか書けていていないうちに、春ツアーが長野公演で終了となりました。
休む間もなくトレンディガールも発売。販促イベントがあったり、メディア出演があったり、いろいろが騒がしいきょうこの頃です。

しかしですね。
僕はここで敢えて、ほんのちょっとだけ先のことを思い出しておくことにしたいのです。
そう。6月22日開催のMUSiCフェス、いわゆるエビ中フェスについて。


出演されるのは皆様がご存じの通り、エビ中に楽曲を提供してくださったアーティスト様です。岡崎体育、フジファブリック、ゲスの極み乙女、ポリシックスなどといった世間的評価の定まっている皆様。そして吉澤嘉代子、HERE、魔法少女になり隊、SUSHI BOYSといった新進気鋭だったり一部での評価の高い皆様。はぁ、たのしみだ。


そんな豪華な人たちが名前を連ねる中でですね、僕はここにニューロティカがいることがとても嬉しく、とても意義があることだと感じているのです。
それがどういうことであるのか。ここからは勝手にニューロティカの紹介をしながら一人語りをしてみます。フェス当日に向けて何らかの後押しになればよいなと思いますので、暇な方は自己責任でお付き合いなどしてくださいな。


■ニューロティカとは
ニューロティカ。今年で結成35年の楽しく正しいパンクバンドです。
ロックに詳しくなくとも、フェス好きな方などならバンド名は聞いたことあるのではないでしょうか。アイドル方面ではベビレさんやでんぱ組さんともコラボしたことがあります。
僭越ながら、バンドについて僕が知っていることを少し並べておきます。

 

 

まずその音楽性
元気しかない!の演奏のイメージ通りな感じです。演奏はしっかりしているのですが、ギターは基本的に技巧派ではなくパンクらしいパワーコードごりごり系です。ところどころ入るリフはキャッチーなんですが、正直、洗練とかオシャレとかそういう音は出していません。

次に、歌の世界観
パンクにつきものの反逆反骨といった言葉はあまり見当たりません。ラーメンが大好きだったり、女の子が大好きだったり、女の子にフラれたり、クリスマスが大嫌いだったり、プロレスが大好きだったり、女の子にフラれたり。余計な化粧のない日常が楽しく歌われています。

そしてビジュアル
目立つのがピエロの男、井上あつしさん。通称あっちゃん。元気しかないで「井上です」と名乗っている人ですね。結成35年ですから、小林さん中山さんの年齢のほぼダブルスコアもの間、ニューロティカのボーカルを務めていることになります。実家は駄菓子屋さん。ライブハウスの似合う人です。


で、このあっちゃんのボーカルがまた、魂むき出しのとても暑苦しいものなのです。
例えば力を入れて歌い上げる箇所。ほかのアーティストならば声のトーンを上げたり、シャウトを絡めたり、エフェクトに頼ったりするものです。でもあっちゃんは腹筋と表情に力を入れ歯を食いしばるようにして歌います。歌い上げます。
例えばマンガなどで大声を表現する際は、吹き出しの形をトゲトゲなヤツに変えて、文字を大きく太くしたりしますよね。でもあっちゃんのボーカルは、吹き出しの中の文字自体を筆圧を強くして何度も重ね書きをしているような、技術度外視の不器用で無理やりなパワーを入れ込んでくるのです。だからここにオシャレさは皆無。ロックバンドなのにこれはモテない。圧倒的にモテない。絶体絶命のピンチ。

しかしですね、そこなんですよ。そこがいいんですよ。ニューロティカはそこがいいんですよ。
俺はここに、この歌詞に気持ちをドンと載せたい!その空回りする気持ちが声よりも先に耳に届いてくる。歌にテクニックや小細工なんて必要ない。突き抜けたダサさってのは、とってもかっこよくて気持ちのいいものなのです。


■繋がるあつしイズム
そのあつしイズムの継承者、エビ中の中にもいたんです。元気しかない!を聴いた人だったら心当たりあるのではないでしょうか。

 


そう!ヒビ割れたスマホンを発見して魂の叫びを上げた中山莉子さんです。ジか!のマの字に濁点が振られたかのような声の強さ。この一瞬に魂を持っていかれたファミリーの方、何人もいらっしゃると思います。

あっちゃんがニューロティカでやってきた音楽ってのは、教科書に載せ後世に語り継いでゆくべきようなものとは違います。僕もボイジャーに積む宇宙人に向けた地球文化を伝えるレコード用に何か1曲えらべって言われても、ニューロティカは選ばないです。
文化的にどうかとか、だれもの心を打つような名曲であるかどうかとか。そんな物差しを出されたら、ニューロティカなんて分が悪いに決まっているじゃないですか。圧倒的にモテない音楽なんだもん。

だけどですね、だからこそ。だからこそなんですよ。
こうやって年月を経て地道に続けてきた35年選手のパンクと10周年の中学生が繋がったことことに、僕は快哉を叫びたいんです。35年やってきて、なおまだ若い世代と一緒に演ることができること。素晴らしいことじゃないですか。


■ニューロティカの歩んだ道

もうひとつニューロティカのエピソードを。
彼らが結成したバンドブームの頃のバンドたち。解散したものがほとんどです。中にはBUCK-TICKのように不動のメンバーで活動を続けている人たちもいれば、筋肉少女帯のように軽くメンバーを変えて活動しているものもあります。ユニコーン米米CLUBのように、華々しく再結成をするバンドもあります。もちろん、音沙汰なく消えてそのまんまのバンドも数限りなくあります。

ニューロティカはというと。
メジャーデビュー時のメンバーは10年目くらいの年に、あっちゃん以外の全員が脱退しています。とても仲の良さそうなメンバーだったのですが、何があったのか僕は詳しく知りません。
普通はこんなことがあったら解散ですよ。それでもあっちゃんはニューロティカの看板を下ろしませんでした。自分より一回りほど若い3人の新メンバーと共に、ずっと不格好でかっこよいパンクを歌い続ける道を選んでいます。



で、2014年にニューロティカが結成30周年を迎えます。すごい。
この年に記念企画として、2014年現在の新メンバーと1990年のメジャーデビュー時のメンバー、計8人で全国ツアーを行うことが発表されました。一度袂を分かったメンバーが、彼のもとに戻ってきたんですよ。
同世代の色々なバンドが再結成をしてきましたが、さすがに新旧メンバー混在ツアーってのは前代未聞。ファンの側にとっても意外すぎるハッピーなサプライズでした。

アリとキリギリスで言えば、あっちゃんはキリギリス。楽しく歌うことを是として生きていました。しかし童話のキリギリスと違ったのは、真面目に真剣に楽しく歌い続けていたこと。重ねたライブの数は2000回以上。
バカ売れするようなことはなかったけれど、地味でも一人になっても自分の道を歩き続けて。その道はしっかり続きがあって、離れたメンバー達ともう一度道が交わって、現在のメンバーともひっくるめて一緒に歩くことが出来て。こういう形で迎えた彼らの30周年。それはそれはとても尊い形で実を結んだと思うのです。


■そしてエビ中へ

齢50を越え、なおピエロでパンクな井上あっちゃん。ニューロティカ中学の35年生です。
そんなおじさんが、中学生たちと技術やらオシャレさやら無しに、ちょっとバカバカしげな歌で金がない元気しかないと絶唱している姿。どうでしょうか。CDに歌声は入っていませんが、そこはそれとして。

彼の姿にはちょっとした滑稽さはあるけれど、手放しでかっこいいと言い切るほどの勇気が僕にはないけれど、決してかっこ悪くなんかないと思うのです。パンクって楽しいモノなんだぜ!っていう道を貫き通し歩き続けている姿には、強い説得力を感じさせられるほかないんです。
もー、このさい勇気だして言っちゃおうかな。あのね、やっぱりニューロティカってかっこいいです。そう思います。絶対そうなんです。


そんな人たちと一緒に歌う中学生、我らがエビ中さん。10周年という節目を迎えたとはいえ、まだまだまっすぐに皆を笑顔にさせるための道のりを歩いている途中です。
つまりですね、エビ中もニューロティカの皆様と一緒なんです。同じなんです。何も変わんない。
細かいところを比べると、確かにエビ中は若いしかわいいしモテるしかわいいし華やかだし見ていて涼やかだし真山がいるしかわいいしで、違いはあるのかもしれません。
でもおおざっぱに言えば、エビ中もニューロティカも同じなんですよ。誰かを笑顔にするための道を、しっかり歩いている途中なんです。


あのな、みんな。
音楽って素晴らしいぞ。
おしゃれに楽しむのもいいし、
気取らなくてもいい。

バカバカしくってもいい。
世代なんてのも関係ない。
一緒に歌えば、
一緒にステップ踏めば、
これが言葉なんかより数倍優れた
共通言語なんだってことがわかる。
きれいごとなんかじゃない。
その証拠が元気しかない!だ。

 

 


そんなあたりのことを、僕はMUSiCというアルバムとニューロティカと中学生たちから教えられたような気がするのです。だからMUSiCフェスにてライブハウスで育った曲を耳にするのが、とても楽しみでならないのです。
長いようで短いようでやっぱり長い道のりの途中、開校10周年記念。道の交わったアーティストさんたちの音楽とチカラを、じっくりと味わって楽しみたいと思います。あと二週。ほんと、楽しみだ。
まだ参加を迷っている方、ぜひ。



 

といったわけで久々の更新となりましたが、こんなところで。

それではそろそろ寝ますです。
おやすみなさいグー。