道半ばを行くコラボレーションと信頼のブランドと色々なCOLORの話 | 考えてる途中。

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おもにエビ中の好きな曲のこととかを考えてる途中。
ふしぎと意味のない文章ばかり書きあがります。

エビ中さんのアルバムMUSiC

聴くごとに発見があったり、良くなってゆく気がしたりのここ数日であります。

みなさんも楽しんで聴いていらっしゃいますでしょうか。


だのでまた先日のFamily Complexの話と同じく、楽曲について勝手に知ったようなことを書いていってみようかと思いまーす。きょうは10曲目のトラックCOLORについて。ももクロ姉さんという大きなゲストを迎えての、記念碑的な楽曲であります。



ええと。

先に謝っちゃいますが、僕はももクロ姉さんのことは詳しくありませんので、内容に誤認があったら申し訳ないです…。

姉さんは著名なアーティスト様に曲に参加してもらったり、フェスだとか色々なところでコラボをされています。でもご本人様が客演として楽曲内でのコラボに参加することって、それほどなかったように思います。僕の少ない知識と記憶に引っかかってくる中では、ヒャダインのアルバムでじょーじょーゆーじょーに参加したくらいな気がしますです。KISSとのコラボもありましたけど、KISS側での扱いはどうだったのでしょうか。)

そんな姉さんをお迎えすることが出来たこと。そりゃあ事務所が一緒ってこともありますけど、それでも名誉なことであります。

 

昔からエビ中は、ももクロ姉さんにかなりお世話になってきました。結成間もないことには中野サンプラザで舞台に上げて頂いたりしましたし、ゆび祭りで武道館のステージに立てたのもももクロ姉さんのバーター存在があったためだと思います。そのた有形無形の色々があったことも想像に難くありません。

少し話を踏み外しますが、理事長は昔日のツイッターで「道なき道を切り拓いて進んでいったのがももクロ、出来た道をお菓子を食べつつ寄り道しながら歩いていったのがエビ中」といった表現を用いて2組を評したことがありました。


 

これ、理事長は片方を悪く言っているわけではないと思うのですよ。
ももクロさんが映画幕が上がるで、真面目に全国大会を目指す演劇部員の懸命な姿を演じていた頃に、エビ中は舞台エキストラショットノンホイップキャラメルプディングマキアートで、どうにか大会出場を回避しようとする演劇部員の懸命な姿を演じていました。

 

こりゃまた見事に性格が分かれたものです。
演劇部として立派なのは前者ですけどね、でもね、正しくまっすぐで一生懸命なだけで生きていけるほど、世の中って素直な回転をしていないし、人間ってそんなに強くはない。部活をサボる側の人間の姿にも、正直で等身大な生き様が綴られている。どちらも間違いなく青春の形なんだと、僕はそう思うのです。
例えば清く正しく全国大会という夢に向かう姿に、自分の理想を投影するのも正しい。例えば出場回避のためのドタバタした姿に、自分の体験を重ねてみるのも正しい。理事長の言わんとしていたことも、きっとたぶんそういったものに近いような気がしないこともないことはないのではないでしょうか。



話を戻します。
なんだかんだももクロさんとエビ中さんは、先輩後輩の関係であるのと同時に、共に歩んできた仲間であることは間違いありません。醸し出す空気こそ少し違いますが、例えば昔日のフジテレビ僕らの音楽にて対談をした際、売れない頃からの仲間だといった話題がオンエアされたこともありましたしね。長い付き合いなわけですよ。




そんな二組を楽曲で繋げてくれたのは、エビ中ファミリーにはお馴染み・信頼のブランドたむらぱんさん。
たむらぱんさんは今までエビ中の成長に合わせ、大人はわかってくれないでは大人に対しての爆発寸前の欲求を、ポップコーントーンでは大人に近づく頃の不安と希望を、感情電車では大人になりつつある自分の受容と解放を、歌に載せてエビ中にプレゼントしてくれました。いつもそのときそのときのエビ中のキーになる楽曲を作ってくださいます。

10周年のエビ中に向けて、今回のCOLORではどんな風景を引き出してくれるのだろう・・・。
期待は尽きません。さっそく聴いてみます。




ほほう。ほう。
CDから流れてきたのは、上記3曲にはなかったミドルテンポの落ち着いた曲調でした。歪み系ギターなどは鳴りを潜めて、2ビートのコ気味良いドラムとストリングスの柔らかい音色が前に立った、安心して聴いていられる耳に優しい1曲。

難しい理論とか僕はわかりませんが…AメロBメロの転換部などでテンポが変わることも転調することもなく、転換に気づかないくらい素直にすんなりと楽曲が流れ続けていきます。唯一展開の見られる大サビも、理に適った流れとでも言えば良いでしょうか、大きなインパクトというよりかは、心地の良いインパクト。必然に応じてメロディの方からこの曲の側に歩み寄ってきたような、そんな印象すら受ける旋律なのです。


前作の感情電車はサビが3つくらいあって、そのメロすべてに素晴らしい個性があって、移ろいゆく車窓のようにそれぞれ壮大な風景を美しく見せてくれました。一方COLORでは、曲中で違う風景が現れるような構成にはなっていません。逆に、同じ風景をゆったりと味わわせてくれるような、そんな構成になっています。

ここで気づかされました。

10周年という節目を迎えてたむらぱんさんがこの曲で描いているものというのは、電車の車窓に流れてきたような移り変わる風景ではなくて、彼女らが自らの足を踏みしめて辿り着き、ゆっくり通り過ぎてゆく景色の一端なのではないかなということ。
駆け出してどんどん進んでいった感情電車とは違って、喜怒哀楽を噛みしめながら生身の足でいろいろ歩き続けている現在が、落ち着いた2ビートのマーチ…行進曲に載せて描かれているように感じるのです。そう。COLORはいろいろ歩く行進曲なんですよ。


ここでひとつ。この曲の歌割りを見てみることにします。
この曲の歌割りの担当を可視化したものが以下の図です。



もちろん聴いているだけでも歌詞カードを見るだけでも気づける話ではありますが、この曲はソロパートがだいぶ少ないんですよね。エビ中メンバは2回前後。ももクロメンバは1回ずつ。そのほかはエビ中全員orももクロ全員orオールスター。
だので、聴きながら目を閉じると浮かんでくるのは、10人が横一列で並んで歩いている姿。誰かが前に出て引っ張るわけでなく、タテに列を為しているわけでなく、Gメン75スタイルで横にばーっと広がって歩いている姿です。

サドンデスで現れた横一列で同じ歩幅で歩いてきたという言葉。岡崎体育がフレーズ化したものではありますが、これ自体はエビ中がずっと体現していたことであって、多少の差分はあれどスタプラのほかのグループにも当てはまることだと思います。
繰り返しになりますが、COLORは2組それぞれが色々を乗り越えてがむしゃらに歩いてきた10年の道のりの地平で、改めて足元を確認して前に進むための行進曲に他ならないのです。きっと。



そして2組の過去-現在-未来の歩みを、この平和な行進曲に載せて作り上げたのが、たむらぱんこと田村あゆみさん。幼稚なこじつけではありますが、どこか必然的なものにも感じられてしまうのです。
 

ないしょなんですが正直言いますと、初めに聴いたときはこの曲にギミック的なものが少ないところと、10人の「個」があまり見えてこないという部分に少し不満もあったのです。でもこの歌のテーマを紐解いてみるに、この形こそが必然なのだなと想いが改まりました。

 


 

たむらぱんさん、今回も素敵な楽曲をありかとうございました。
エビ中の10周年が、色々な人達の色々な道を繋げてゆく明るい未来への行進の中途にありますように。







長くなってしまいましたのでこのへんで。

次回は何の曲について考えようかしら。
それではそろそろ寝ますです。
おやすみなさいグー。