学力の創造と向上 高校・大学受験は通過点 -7ページ目

学力の創造と向上 高校・大学受験は通過点

学力の創造と向上において
何が必要か・何が障害になるのか
などについて考えます
  さらに、必要なものをいろいろ提供してゆきます 

     ひき算の概念 14 「文章題7」

  6⃣ 
次の [    に適切な語句を入れてください。
   7 cm の赤鉛筆 と 15 cm の青鉛筆があります。

   これらを比べて、
   「差」と「割合」について、それぞれ2つずつ文を書きます。


   差    ・ 青鉛筆 は、赤鉛筆 より 8 cm [   ] 。
         ・ 赤鉛筆 
は、[    ]より [ ] cm [   ] 。

   割合
   ・ 青鉛筆 は、赤鉛筆 の [    ] の長さである。
         ・ 
[    ]は、[    ] 7/15  の長さである。

  (解答)
  Ⅰ 「差」について
   ⅰ) 赤鉛筆を基準にし、比べて差を求めると
       15 - 7 = 8
      よって、青鉛筆は、赤鉛筆より 8 cm長い。

   ⅱ) 青鉛筆を基準にすると
       7 - 15 = -8 より
      赤鉛筆は、青鉛筆より 8 cm短い。


  Ⅱ 「割合」について
   ⅲ) 赤鉛筆を基準にし、比べて割合を求めると
       15 ÷ 7 = 15/7
      よって、青鉛筆は、赤鉛筆の 15/7 の長さである。

   ⅳ) 青鉛筆を基準にすると
       7 ÷ 15 = 7/15 より
      赤鉛筆は、青鉛筆の 7/15 の長さである。
      ( すなわち、
       赤鉛筆の青鉛筆に対する割合は、7/15 である。
       青鉛筆に対する赤鉛筆の割合は、7/15 である。)

  ⅰ),ⅱ),ⅲ),ⅳ) より、
   (答え)
    差    ・ 青鉛筆 は、赤鉛筆 より 8 cm [ 長い ] 。
          ・ 赤鉛筆 
は、[青鉛筆]より 8 ] cm [ 短い ] 。

    割合
   ・ 青鉛筆 は、赤鉛筆 の [ 15/7 ] の長さである。
          ・ 
[赤鉛筆]は、[青鉛筆] 7/15  の長さである。



求差求割 (割合を求めること) は、
比較することです。
比較するには、基準が必要です。

よって、
2つの事態を
把握し、
そのうちの1つを
基準にします。

「 基準とする事態の数値を ひく数 や わる数 にして 」、
立式計算すれば、
求差 や 求割 はできます。

「割合」ができない場合、
同じように基準を使う「求差」も理解できていないと考えられます。

小学校の低学年の算数は、
0 (ゼロ)正の整数のみ の 閉じられた世界において計算がおこなわれる。
 そのため、
  たし算・かけ算をすると、「増える、大きくなる」。
  ひき算・わり算をすると、「減る、小さくなる」。
 と思いこむ児童が生まれる。

 また、

  「問題文中の 2つの数をたしなさい。」
  「大きな数から小さな数をひきなさい。」 ( ひき算の文章題 )
  「2つの数をかけなさい。」
  「大きな数小さな数でわりなさい。」 ( わり算の文章題 )
 という指導を受ける児童もいる。


 その程度で
 小学校低学年の算数の文章題ができることが、
 「割合」理解の障害になっています。


  ( 平成26年度 全国学力テスト 小6算数A の 赤いテープ 白いテープ 青いテープの問題 )

   赤いテープ  
――――――――――――――――――――――――   ( 1.2 倍 )

   白いテープ  ――――――――――――――――――――   ( 1 倍 )
                         80 cm
   青いテープ  
――――――――   ( 0.4 倍 )

   ○ 赤いテープの長さを求める問いの正答率は、72.1 %

   ○ 青いテープ
の長さを求める問いの正答率は、54.3 %


次回  ひき算の概念 15 「文章題8」  につづきます。