ひき算の概念 4 「残り」
〔助教授〕 「 おはじきを使う!そんな幼稚なことじゃないんだ。
差を ひき算の概念を 教えないといけないんだよ。」
私 「 幼稚? まだ小学1年生ですよ。ひき算の概念なんて無理ですよ。
1年生になったばかりで、たし算を習って
もうひき算ですから、すぐにできない子もいるでしょう。」
「 5つのおはじき から 3つのおはじきをとって 残りを求める
この方が、差を求めるより わかりやすいでしょう。」
〔助教授〕 「 2つの数を比べて、その差をもとめることを教えないといけないんだよ。
それがひき算の概念なんだ。」
私 「 2つの数を比べる ・ ・ ・ ?
たとえば 5 cm の鉛筆と 3 cm の鉛筆を比べてその差が 2 cm あるというのは、
初めてひき算を習う子どもには難しいと思います。」
〔助教授〕は、キョトンとしている。
私 「 お母さんの話では、
このお子さんは、5 と 3 をべつべつのものとして
5 と 3で 8 になると たし算しているようです。」
「 だから、5 と 3 をべつべつのものとしてでなく、
5 の中に 3 がある。」
「 足して 5 になるたし算を十分にできるようにしてから、
はじめに 5 こ あってそこから 3 こ とると残りは 2 こ になる
という操作をするほうがいいでしょう。」
〔助教授〕 「 5 の中に 3 なんてない。5 と 3 はべつべつだよ。」
「君は教育系の学生ですか。専門は何ですか。」
【 残り 】 残ったもの ( の分量 )。
「余り」が、ある規準を超えた分を言うのに対し、使ったものを除いた分を言う。
【 比べる 】 二つ以上のものについて、同じ点や違った点、まさり劣りを調べる。
【 差 】 ・ へだたり。 ちがい。 たがいちがいになってそろわない。
・ 一つの数値と他の数値との間のひらき。 さしひき。
〔助教授〕 は、ひき算について 具体的なこと を全く述べませんね。
次回 ひき算の概念 5 「素人」 につづきます。