㉕ より大きく 小さい解 5 | 学力の創造と向上 高校・大学受験は通過点

学力の創造と向上 高校・大学受験は通過点

学力の創造と向上において
何が必要か・何が障害になるのか
などについて考えます
  さらに、必要なものをいろいろ提供してゆきます 

        ㉕ より大きく 小さい解 5

 問い (ⅵ)
  方程式  a x² - 5 x + 5 = 0 の
  1つの解が 1 より大きく 2 より小さい、
  もう1つの解が 3 より大きく 4 より小さいとき、
  a の値の範囲を求めよ。


 ( 解答 1 )

   
a x² - 5 x + 5 = 0 ・ ・ ・ ① とおく
   ①の判別式をDとすると
     D = (-5) ² - 4 ・ a ・ 5
       = 25
 - 20 a
     ①は異なる2つの実数解をもつから
         25 - 20 a > 0
     ⇔       
25 > 20 a
     ⇔
      5/4 > a  ・ ・ ・ ②

   1 より大きく 2 より小さい解をα
   3 より大きく 4 より小さい解をβ とすると
      1 < α < 2
 ・ ・ ・ ③
      3 < β < 4
 ・ ・ ・ ④

    また、解と係数の関係より、
      
α+β= 5/a
 ・ ・ ・ ⑤
      
αβ= 5/a  
・ ・ ・ ⑥

   
―――――――
――――――――――――――――――――――――――――

    ③, ④, ⑤, ⑥ より、
    αβ座標平面の第1象限で、考える

    ③と④より、

    4点 ( 1 , 4 ) , ( 1 , 3 ) , ( 2 , 3 ) , ( 2 , 4 ) を頂点とする正方形の領域がとれる
                                    ( ただし、境界は含まない )
    ⑤は、傾き
 -1 , β切片  5/a  , α切片  5/a  の直線


    ⑥は、比例定数 
 5/a  の反比例の式であり、双曲線を表す
                                ( ただし、α> 0 , β> 0 である )

     ⑤, ⑥ より、5/a を消去して
     
等しい2数α, βの関係式を考える
                  αβ= α+β
   ⇔        αβ-α-β= 0
   ⇔     αβ-α-β+ 1 = 1
   ⇔ α( β- 1 ) - ( β- 1 ) = 1
   ⇔     
( α- 1 )( β- 1 ) = 1 ・ ・ ・ ⑦
         これは、
          αβ = 1 をα軸正の方向 1 に β軸正の方向に 1 平行移動したもの
         すなわち
          
漸近線が α= 1 , β= 1 であり、点( 2 , 2 ) を通る双曲線である
                                   ( ただし、α> 1 , β> 1 である )
   ⑦は、③,④による領域の点( 3/2 , 3 ) , ( 4/3 , 4 ) を通る
   ⑤, ⑥は、③,④による領域内の⑦上で交わらなければならない
                 ( ただし、点
( 3/2 , 3 ) , ( 4/3 , 4 ) は除く )
   ⑤と⑦の交点が、原点から遠ければ遠いほど、
   5/a の値はどんどん大きくなる
    点( 3/2 , 3 ) を通るとき、5/a = 9/2
    点( 4/3 , 4 ) を通るとき、5/a = 16/3

     9/2 
< 5/a < 16/3
     9a/2 < 5 < 16a/3        [ a > 0 である ]
    15/16 < a < 10/9
   これと ②の 
5/4 > a より
  求める a の値の範囲は、
15/16 < a < 10/9 である。

 ( 解答 2 )

   方程式  a x² - 5 x + 5 = 0 の
   1つの解が 1 より大きく 2 より小さい、
   もう1つの解が 3 より大きく 4 より小さい

  とは
   関数 y = 
a x² - 5 x + 5 が x 軸と
   区間 
1 < x < 2 , 3 < x < 4 で交わる
  ということである


    f (x)
 = a x² - 5 x + 5  とおく

   y = 
f (x) は、 y 軸 と 点( 0 , 5 ) で交わるから、
   x 軸と 区間 1 < x < 2 , 3 < x < 4 で交わるときの
   
端点値について考えると、
    f (1)  0
    f (2)  0
    f (3)  0
    f (4)  0 となる

   よって、
    f (1) = a  0
    f (2) = 4 a - 5  0
    f (3) = 9 a - 10  0
    f (4) = 16 a - 15  0 より、
   求める a の値の範囲は、15/16 < a < 10/9 である。


【 端点値を使って解いて行こう 】

 「 2次方程式の解が ・・・より大きい ・・・より小さいとき、・・・ 」
 という問題では、
 2次関数のグラフの端点値は、とても効果のある道具となります。

  グラフが x 軸と どのように交わるかによっては,
  端点値
のみで解答できる場合もありますから。

  なぜなら
   向き
x 軸と2区間で交わること がわかるとき、
   y 軸との交点の位置
 x 軸と2区間で交わること がわかるとき、
    y = a ( x - α) ( x - β) の
    a , α, β について大まかな情報が与えられたことになり、
     そのときの 放物線 と x 軸の2区間との関係を
     端点値を使って うまくすくいとれるからです。



問い Ⅲ
 方程式 x ² + b x + c = 0 の
 1つの解が 1 より大きく 2 より小さい
 もう1つの解が 3 より大きく 4 より小さいとき、
 b , c の関係式を
求めよ



次回  ㉖ 
より大きく 小さい解 6 につづきます。