㉔ より大きく 小さい解 4 | 学力の創造と向上 高校・大学受験は通過点

学力の創造と向上 高校・大学受験は通過点

学力の創造と向上において
何が必要か・何が障害になるのか
などについて考えます
  さらに、必要なものをいろいろ提供してゆきます 

        ㉔ より大きく 小さい解 4

  問い (ⅴ)

   方程式  x² + b x + 5 = 0 の
   1つの解が 1 より大きく 2 より小さい、
   もう1つの解が 3 より大きく 4 より小さいとき、
   b の値の範囲を求めよ。


  ( 解答 1 )

   
x² + b x + 5 = 0 ・ ・ ・ ① とおく
   ①の判別式をDとすると
     D = b ² - 4・1・5
       = 
b ² - 20
     ①は異なる2つの実数解をもつから
         b ² - 20 > 0             ( b の2次不等式 )
     ⇔ ( b + 2√5 ) ( b - 2√5 )
 > 0
     ⇔
  b <-2√5 , 2√5 < b ・ ・ ・ ②

   1 より大きく 2 より小さい解をα
   3 より大きく 4 より小さい解をβ とすると
      1 < α < 2
 ・ ・ ・ ③
      3 < β < 4
 ・ ・ ・ ④

    また、解と係数の関係より、
      
α+β= -b
 ・ ・ ・ ⑤
      
αβ= 5    
・ ・ ・ ⑥

   
―――――――
――――――――――――――――――――――――――――

    ③, ④, ⑤, ⑥ より、
    αβ座標平面の第1象限で、考える

    ③と④より、

    4点 ( 1 , 4 ) , ( 1 , 3 ) , ( 2 , 3 ) , ( 2 , 4 ) を頂点とする正方形の領域がとれる
                                    ( ただし、境界は含まない )
    ⑤は、傾き 
-1  , β切片 -b  , α切片 -b  の直線


    ⑥は、比例定数 
の反比例の式であり、双曲線を表す
( ただし、α> 0 . β> 0 である )
        点 ( √5 , √5 ) , (
2 , 5/2 ) , ( 1 , 5 ) を通り
        領域の2点 ( 5/3 , 3 ) , ( 5/4 , 4 ) を通る

     ⑥は固定しているが、⑤は移動できるので
     ⑤を β=α上の点を中心に、それに沿って
     原点の方から右上方へ少しずつ移動させてみると
      先ず ⑥ と 点 ( 
√5 , √5 ) で接する
      その後 ⑥の点 ( 
5/3 , 3 ) を通る
      そして ⑥の点 ( 
5/4 , 4 ) を通る

       ⑤が、 β=α上の点を中心に、それに沿って
       原点( 0 , 0 ) から離れれば離れる程
       -b の値はどんどん
大きくなる


       ⑤が、点( 5/3 , 3 ) を通るとき -b = 14/3
           点( 5/4 , 4 ) を通るとき -b = 21/4
     ⑤
と⑥は交点をもち、
     その交点は③, ④による領域になければならないし、

     2点 ( 5/4 , 4 ) , ( 5/3 , 3 ) は除かれるから
       14/3 < -b < 21/4
      -21/4 
< b < -14/3
     これと ② の b <-2√5 より、        ( √5 は 2,236 ・・・ 富士山麓オウム鳴く )
    求める b の値の範囲は、-21/4 < b <-14/3 である。

  ( 解答 2 )

   ( 解答 1 ) の赤線まで同じ

     ⑤, ⑥ より、αを消去して b とβの関係式をつくるのだが、
      先ず、βの範囲 ( 区間 ) に注意しなければならないので
      ③, ⑥ より、αを消去する
         1 < α < 2
        1 < 5/β < 2     [ β≠ 0 である ]
        β< 5 < 2β
       5/2 < β < 5
       これと④より、
         3 < β < 4

      ⑤ より、

      b =-α-β
        =
-β-5/β
        =
-(β+5/β)

       δ=β
5/β ・・・⑦ とおく
        これをβδ座標平面の第1象限で考えると
        δ=β と δ= 
5/β をたしたものである
        よって、⑦は
         β< √5 では減少し
         β= √5 で最小値 2√5 をとり
         √5 <β では増加する            ( 必ずグラフを描いて確認を )
        ゆえに
         
区間 3 
< β < 4 では増加するから
         値域は、14/3 < δ < 21/4
       b =-δ だから 
       -21/4 < b < -14/3
     これと ② の b <-2√5 より、
    求める b の値の範囲は、-21/4 < b <-14/3 である。

    ----
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                ⑤, ⑥ より、βを消去して b とαの関係式をつくってもよい
                ④, ⑥ より、βを消去する
                   3 < β < 4
                  3 < 5/α < 4     [ α≠ 0 である ]
                 3α< 5 < 4α
                 5/4 < α < 5/3
                 これと③より、
                  5/4 < α < 5/3

                ⑤ より、

                 b =-α-β
                   =
-α-5/α
                   =
-(α+5/α)

                  γ=α
5/α とおく
                   これをαγ座標平面の第1象限で考えると
                   γ=α と γ= 
5/α をたしたものである
                   よって、
                    α< √5 では減少し
                    α= √5 で最小値 2√5 をとり
                    √5 <α では増加する
                   ゆえに
                    
区間 
5/4 < α < 5/3 では減少するから
                    値域は、14/3 < γ < 21/4
                  すると -21/4 < b < -14/3 となり
                  これと ② の b <-2√5 より、
                 求める b の値の範囲は、-21/4 < b <-14/3 である。


  ( 解答 3 )

   方程式  x² + b x + 5 = 0 の
   1つの解が 1 より大きく 2 より小さい、
   もう1つの解が 3 より大きく 4 より小さい
  とは
   関数 y = 
x² + b x + 5 が x 軸と
   区間 
1 < x < 2 , 3 < x < 4 で交わる
  ということである


    f (x)
 = x² + b x + 5  とおく

   y = 
f (x) のグラフの向きは下に凸だから、
   x 軸と 区間 1 < x < 2 , 3 < x < 4 で交わるときの
   
端点値について考えると、
    f (1)  0
    f (2)  0
    f (3)  0
    f (4)  0 となる

   よって、
    f (1) = b + 6  0
    f (2) = 2b + 9  0
    f (3) = 3b + 14  0
    f (4) = 4b + 21  0 より、
   求める b の値の範囲は、-21/4 < b <-14/3 である。


問い (ⅵ)
 方程式  a x² - 5 x + 5 = 0 の
 1つの解が 1 より大きく 2 より小さい、
 もう1つの解が 3 より大きく 4 より小さいとき、
 a の値の範囲を
求めよ


次回  ㉕ 
より大きく 小さい解 5 につづきます。