㉒ より大きく 小さい解 2
問い (ⅲ)
x の1次方程式 m x + n = 0 の解が 1 より大きく 2 より小さいとき、
m , n の関係式を求めよ。
次の [ ] に、適切な語句や式などを入れてください。
(1つの解答)
m x + n = 0
⇔ m x = -n
⇔ x = [-n / m ] [ ∵ m ≠ 0 ]
これが 1 より大きく 2 より小さいから、
答えは 1 < [-n / m ] < 2 である。
(別の解答)
x の1次方程式 m x + n = 0 の解が 1 より大きく 2 より小さい
とは、
x の1次関数 y = m x + n が [x] 軸 と (開) 区間 [ 1 < x < 2 ] で交わる
ということである。
f (x) = [ m x + n ] とおく
ⅰ) m > 0 のとき、y = f (x) は右[上]りの直線だから、
x 軸 と 区間 [ 1 < x < 2 ] で交わるとき、
[ f (1) < 0 ] かつ [ f (2) > 0 ] である
ⅱ) m < 0 のとき、y = f (x) は右[下]りの直線だから、
x 軸 と 区間 [ 1 < x < 2 ] で交わるとき、
[ f (1) > 0 ] かつ [ f (2) < 0 ] である
ⅰ) , ⅱ) より、
( f (1) < 0 かつ f (2) > 0 ) または ( f (1) > 0 かつ f (2) < 0 )
⇔ f (1) f (2) < 0
f (1) = [ m + n ]
f (2) = [ 2 m + n ] だから、
答えは ( [ m + n ] ) ( [ 2 m + n ] ) < 0 である。
必ず、グラフを描いて確認を!
1. x 軸をひく
2. 区間をとる
3. 直線 ( y = f (x) のグラフ ) を描く
4. 端点値 ( x 軸に対して上か下か ) を確認
上の2つの答えは 見た目 異なるが、
果たして
1 < -n / m < 2 と ( m + n ) ( 2 m + n ) < 0 は 同値なのか ?
考えましょう
Ⅰ)
1 < -n / m < 2
⇔ -2 < [ n / m ] < -1
m > 0 のとき、[-2 m ] < n < [-m ]
m < 0 のとき、[-m ] < n < [-2 m ]
Ⅱ)
( m + n ) ( 2 m + n ) < 0
⇔ ( m + n < 0 [かつ] 2 m + n > 0 ) [または] ( m + n > 0 [かつ] 2 m + n < 0 )
⇔ ( n < -m [かつ] n > -2 m ) [または] ( n > -m [かつ] n < -2 m )
⇔ ( -2 m < n < -m ) [または] ( -m < n < -2 m )
Ⅰ) , Ⅱ) より、
1 < -n / m < 2 と ( m + n ) ( 2 m + n ) < 0 は 同値 である。
問い (ⅳ)
方程式 x² - 5 x + c = 0 の
1つの解が 1 より大きく 2 より小さい、
もう1つの解が 3 より大きく 4 より小さいとき、
c の値の範囲を求めよ。
次の [ ] に、適切な語句や式などを入れてください。
( 解答 1 )
x² - 5 x + c = 0 ・ ・ ・ ① とおく
①の[ ]をDとすると
D = (-5) ² - 4・1・c
= 25 - 4 c
①は異なる2つの実数解をもつから
25 - 4 c > 0
⇔ 25 > 4 c
⇔ 25/4 > c ・ ・ ・ ②
1 より大きく 2 より小さい解をα ,
3 より大きく 4 より小さい解をβ とすると
1 < α < 2 ・ ・ ・ ③
3 < β < 4 ・ ・ ・ ④
また、[ ]より、
α+β= [ ] ・ ・ ・ ⑤
αβ= [ ] ・ ・ ・ ⑥
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
③, ④, ⑤, ⑥ より、
αβ座標平面の第1象限で、考える ( ⑤と⑥のグラフを描く )
③と④より、
4点 ( 1 , 4 ) , ( 1 , 3 ) , ( 2 , 3 ) , ( 2 , 4 ) を頂点とする正方形の領域がとれる
( ただし、境界は含まない )
⑤は、傾き [ ] , β切片 [ ] , α切片 [ ] の直線で、
領域の2点 ( [ , ] ) , ( [ , ] ) を通る
⑥は、比例定数 [ ] の反比例の式であり、双曲線を表す
( ただし、α> 0 . β> 0 である )
⑤は固定しているが、⑥は移動できるので
⑥を β=α上の点を中心に、それに沿って
右上方から原点の方へ少しずつ移動させてみると
先ず ⑤ と 点( [ , ] ) で接する
その後 領域にある⑤の点( [ , ] ) を通る
そして 領域にある⑤の点( [ , ] ) を通る
⑥が、原点( 0 , 0 ) に近づけば近づく程
c の値はどんどん[ ]
⑥が、点( 2 , 3 ) を通るとき c = 6
点( 1 , 4 ) を通るとき c = 4
⑤と⑥は交点をもち、
その交点は③, ④による領域になければならないし、
2点 ( 1 , 4 ) , ( 2 , 3 ) は除かれるから
4 < c < 6
これと ②の 25/4 > c より、
求める c の値の範囲は、4 < c < 6 である。
( 解答 2 )
( 解答 1 ) の赤線まで同じ
⑤, ⑥ より、αを消去して c とβの関係式をつくる
先ず、βの範囲 (区間) に注意しなければならないので
③, ⑤ より、αを消去する
⑤ より、α= 5 -β だから、
1 < α < 2
1 < 5-β < 2
-4 < -β < -3
3 < β < 4 これは④と同じ
⑥ より、
c =αβ
= β( 5-β)
= -β² + 5β ( c はβの2次関数 )
= -(β² - 5β)
= -(β² - 5β+ [ ] - [ ] )
= (β-[ ]) ² + [ ]
区間は 3 < β < 4 だから、
値域は [ ]
これと ②の 25/4 > c より、
求める c の値の範囲は、4 < c < 6 である。
------------------------------
⑤, ⑥ より、βを消去して c とαの関係式をつくってもよい
④, ⑤ より、βを消去すると
1 < α < 2 になる これは③と同じ
⑥ より、
c =αβ
= -α² + 5α
= (α-5/2) ² + 25/4
区間は 1 < α < 2 だから、
値域は 4 < c < 6
これと ②の 25/4 > c より、
求める c の値の範囲は、4 < c < 6 である。
( 解答 3 )
方程式 x² - 5 x + c = 0 の
1つの解が 1 より大きく 2 より小さい、
もう1つの解が 3 より大きく 4 より小さい
とは
関数 y = x² - 5 x + c が x 軸と
区間 [ ] , [ ] で交わる
ということである
f (x) = [ ] とおく
y = f (x) のグラフの向きは下に凸だから、
x 軸と 区間 [ ] , [ ] で交わるときの
[ ]について考えると、
f (1) [ ] 0
f (2) [ ] 0
f (3) [ ] 0
f (4) [ ] 0 となる
よって、
f (1) = c - 4 [ ] 0
f (2) = c - 6 [ ] 0
f (3) = c - 6 [ ] 0
f (4) = c - 4 [ ] 0 より、
求める c の値の範囲は、4 < c < 6 である。
次回 ㉓ より大きく 小さい解 3 につづきます。