④ 頂点の座標
○ 次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
y = - 2 x² + 8 x - 6 の x の2次式を 完全平方式に変形し、
2次の係数 と 頂点の座標を求める。
y = - 2 x² + 8 x - 6
2次と1次の[2]項式を [2]次の[係数] - 2 でくくる
y = - 2 ( x² - 4 x ) - 6
x の[係数]の[半分]の[2乗]をたしてひく
y = - 2 ( x² - 4 x + 4 - 4 ) - 6
2乗, 積の2倍, 2乗の[3]項式を [2]項式の[2]乗に
y = - 2 ( x - 2 ) ² + [ 8 ] - 6
y = - 2 ( x - 2 ) ² + [ 2 ]
よって、2次の係数は [-2 ] で、
頂点の座標は ( [ 2 , 2 ] ) である。
○ 次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
y = - (1/2) x² - x + 3/2 の x の2次式を 完全平方式に変形し、
2次の係数 と 頂点の座標を求める。
y = - (1/2) x² - x + 3/2
[- (1/2)]でくくる
y = - (1/2) { x² + 2 x } + 3/2
[+2] の半分の2乗をたしてひく
y = - (1/2) { x² + 2 x + 1 - 1 } + 3/2
[乗法]公式を使って完全平方式に
y = - (1/2) { x + 1 } ² + [1/2] + 3/2
y = - (1/2) { x + 1 } ² + [ 2 ]
よって、2次の係数は [-(1/2)] で、
頂点の座標は ( [ - 1 , 2 ] ) である。
○ y = 2 x² + 3 x - 7/8 の x の2次式を 完全平方式に変形し、
2次の係数 と 頂点の座標を求めなさい。
y = 2 x² + 3 x - 7/8
y = 2 ( x² +3/2 x ) - 7/8
y = 2 ( x² + 3/2 x + 9/16 - 9/16 ) - 7/8
y = 2 ( x + 3/4 ) ² - 9/8 - 7/8
y = 2 ( x + 3/4 ) ² - 2
よって、2次の係数は 2 で、
頂点の座標は ( -3/4 , -2 ) である。
( x 軸 , y 軸 をひき、原点をとり、グラフを描いて確認を。)
【 グラフを描くために 向き ・軸 ・頂点を 】
y = a x ²
y = a ( x - 0 ) ² + 0
2次関数 y = a x ² について
グラフの向きは
a > 0 のとき、下に凸 (谷型)
a < 0 のとき、上に凸 (山型)
軸は
x = 0 ( これは、y 軸 )
頂点は
( 0 , 0 )
2次関数の放物線のグラフは、軸 (頂点の x 座標) について対称 (線対称) である。
○ 次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
y = a x ² + b x + c
y = a { x ² + (b/a) x } + c
y = a { x ² + (b/a) x + (b/2a)² - (b/2a)² } + c
y = a ( x + b/2a ) ² - b²/4a + c
y = a ( x + b/2a ) ² - ( [ ] )/4a ( ただし、a [ ] 0 )
2次関数 y = a x ² + b x + c について
グラフの向きは
[ ] のとき、[ ] 凸 (谷型)
[ ] のとき、[ ] 凸 (山型)
軸は
x = [ ]
頂点は
( - b/2a , - ([ ] )/4a )
○ 次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
y = - x ² + x + 2
y = - ( x ² - x ) + 2
y = - ( x ² - x [ ] ) + 2
y = - ( [ ] ) ² + 1/4 + 2
y = - ( [ ] ) ² + 9/4
2次関数 y = - x ² + x + 2 について
グラフの向きは
[ ] < 0 だから、[ ] 凸 ([ ] 型)
軸は
x = [ ]
頂点は
( [ , ] )
○ 次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
y = x ² + 3 x + 2
y = x ² + 3 x [ ] + 2
y = ( [ ] ) ² - 1/4
2次関数 y = x ² + 3 x + 2 について
グラフの向きは
[ ] だから、[ ] ([ ])
軸は
x = [ ]
頂点は
( [ , ] )
( x 軸 , y 軸 をひき、原点をとり、グラフを描いて確認を。)
【 これも覚えて代入するのか 】
中3で
2次方程式の解の公式
a x² + b x + c = 0 ( a ≠ 0 ) のとき、
x = { -b ±√( b² - 4ac ) } / 2a
を導かずに覚えた。
そのような人(生徒)の中には、
高1で
次の2次関数の式
y = a x² + b x + c = a ( x + b/2a )² - ( b² - 4ac ) / 4a
も導かずに覚える人(生徒)がいます。
こうして公式を覚えて、数学が (物理や化学も) できなくなる人(生徒)が生まれます。
上の2つはどちらも 完全平方式をつくることが、式変形の本質である。
・ 完全平方式により、平方根を利用して2次方程式の解が求められる。
あるいは 2次関数のグラフの頂点の座標が求められる。
・ 完全平方式をつくるために、
乗法公式 ( a² ± 2 a b + b² = ( a ± b )² : 2乗、積の2倍、2乗は 2項式の2乗 ) が使われる。
・ 2乗、積の2倍、2乗 の 3項式 をつくるために、
x の係数の半分の2乗を 両辺にたす。あるいは たしてひく。
かつ、x² の係数を 1 にする。
ここで、(式変形)できるようになるには本質をつかむ洞察力が必要であること を知る。
導かずに覚えることにより、1つの機会(チャンス) を失う。
このチャンスを失うことによるダメージは、大きい。
公式を見ても、その意味や表す状況を理解しなくなり、できなくなる。
解の公式 と 2次関数の式の細部の区別ができなくなる。
導く計算力がないため、代入ミスをしたり、公式に数を代入しても計算できなかったり、計算ミスをする。
文字式の計算力は、相当低くなる。
これから学ぶ公式はとても多いので、もう覚えることはできないかも。( 三角比 ・三角関数で 約 50 個 )
やがて、高校数学ができなくなる。
私の知っている 公式を導かず覚える人(生徒) の中には、次のような人がいる。
定期テストで高得点をとった成功体験にもとづき、
大学入試センター試験の一週間前から徹夜 ( 一夜漬け×7日 ) をはじめる。
「 ここ2日ほど寝ていないので、しんどいです。」
‘ 徹夜はやめて、睡眠時間は必ずとらないと、
センター当日に持っている実力を発揮できないどころか、体調を崩し 元も子もないよ。’
定期テストは範囲が狭いため、一夜漬けなどの短期学習で高得点をとる。
よって、定期テストにもとづく評定は、「4」 や 「5」 をとる。
しかし、
大学入試センター試験の数学で 「3割」 ぐらいしかとれない。
数週間 ・数か月にわたる学習経験がないと、入試には対応できない。
入試で ある程度要求される知識体系は、中長期学習を必要とする。
公式を導くという行為は、中長期学習すること である。
中3の 「 解の公式 」 を導き、高1の 「 2次関数の完全平方式 」 を導く。
これは、大学受験数学への1歩です。
大学入試問題には、ときどき公式を導く過程を問う問題も出る。
公式を導くことは、入試対策でもある。
次回 ⑤ 向きは どちらに凸か につづきます。