㉗ 『 なるための条件 平行四辺形 』
○ 次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
性質 「 平行四辺形は、2組の対辺が それぞれ等しい四角形である。」 と
性質 「 平行四辺形は、2組の対角が それぞれ等しい四角形である。」 を導いたとき、
平行四辺形の定義 「 平行四辺形は、2組の対辺がそれぞれ[平行]である四角形である。」 と
[対角線]を (共通の辺として) 使った。
性質 「 平行四辺形は、対角線がそれぞれ中点で交わる四角形である。」 を導くには、
定義 と 何を 使いましょうか。
平行四辺形A B C D に対角線AC , BD をひき、その交点を O とすると、
[ OA = OC ] と OB = OD を証明できれば、対角線がそれぞれ中点で交わることを示せる。
線分OA と OB を 2辺とする三角形は [△O A B ] で、
線分OC と OD を 2辺とする三角形は [△O C D ] だから、
[△O A B ] と [△O C D ] の合同証明で使える合同条件は、
「 [ 1辺とその両端の角 ] がそれぞれ等しい」 のみとなる。
よって、AB = CD を主張しなければならない。
しかし、平行四辺形の定義には、「 辺が等しい 」 という記述がない。
( 証明 )
平行四辺形A B C D がある。
対角線AC , BD をひく。
対角線ACとBDの交点を O とする。
[△O A B ] と [△O C D ] について
根拠 [AB // DC] より、( 錯角が等しいから、) ( 定義 )
主張 [∠O A B = ∠O C D ] ・ ・ ・ ①
主張 [∠O B A = ∠O D C ] ・ ・ ・ ②
根拠 平行四辺形の2組の[対辺はそれそれ等しい] から、 ( 証明済みの性質 )
主張 [ AB = CD ] ・ ・ ・ ③
①, ②, ③ より、
合同条件 [ 1辺とその両端の角がそれぞれ等しい ] から、
△O A B ≡ △O C D である。
合同な図形の[対応する辺] は等しいから、
OA = OC , OB = OD である。
よって、
平行四辺形は、対角線がそれぞれ中点で交わる四角形である。
( 証明終わり )
平行四辺形の定義 ( 2組の対辺がそれそれ平行である。) 証明に使う
平行四辺形の性質 1 ( 2組の対辺がそれぞれ等しい。) ( 定義 と共通の辺 を使って ) 証明した
2 ( 2組の対角がそれぞれ等しい。) ( 定義 と共通の辺 を使って ) 証明した
3 ( 対角線がそれぞれ中点で交わる。) ( 定義 と 性質1 を使って ) 証明した
平行四辺形になるための条件は 5つ。
2組の対辺がそれぞれ平行な四角形は、平行四辺形である。 (定義)
2組の対辺がそれぞれ等しい 四角形は、平行四辺形である。 (性質の逆) 証明する
2組の対角がそれぞれ等しい 四角形は、平行四辺形である。 (性質の逆) 証明する
対角線がそれぞれ中点で交わる四角形は、平行四辺形である。 (性質の逆) 証明する
1組の対辺が平行で かつ 等しい四角形は、平行四辺形である。 証明する
○ 「 2組の対辺がそれぞれ等しい四角形は、平行四辺形である。」 (性質の逆) を導きましょう。
次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
( 証明 )
AB = CD , BC = DA である四角形A B C D がある。
対角線AC をひく。
[ ] と [ ] について
[ ] 、
[ ] ・ ・ ・ ①
[ ] ・ ・ ・ ②
[ ] 、
[ ] ・ ・ ・ ③
①, ②, ③ より、
[ ] 、
[ ] である。
[ ] は等しいから、
[ ] ・ ・ ・ ④
[ ] ・ ・ ・ ⑤
である。
④より、錯角が等しいから、AD // BC
⑤より、錯角が等しいから、AB // DC
よって、
平行四辺形の定義により
四角形A B C D は、平行四辺形である。
以上より、
2組の対辺がそれぞれ等しい四角形は、平行四辺形である。
( 証明終わり )
○ 「 2組の対角がそれぞれ等しい四角形は、平行四辺形である。」 (性質の逆) を導きましょう。
次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
( 証明 )
∠D A B = ∠B C D , ∠A B C = ∠C D A である四角形A B C D がある。
仮定より、
∠D A B = ∠B C D ・ ・ ・ ①
∠A B C = ∠C D A ・ ・ ・ ②
①, ② により、
∠D A B + ∠A B C = [ ] ・ ・ ・ ③
∠D A B + ∠C D A = [ ] ・ ・ ・ ④
[ ] は 360°であるから、
[ ] = 360°・ ・ ・ ⑤
③, ⑤ より、
∠D A B + ∠A B C = 180°・ ・ ・ ⑥
④, ⑤ より、
∠D A B + ∠C D A = 180°・ ・ ・ ⑦
辺ADを、両方に延長し、直線 EADF とする。
一直線は、180°だから、
[ ] + ∠E A B = 180°・・・⑧
[ ] + ∠C D F = 180°・・・⑨
⑥, ⑧ より、[ ] となり [ ] が等しいから、
AD // BC
⑦, ⑨ より、[ ] となり [ ] が等しいから、
AB // DC
よって、
平行四辺形の定義により
四角形A B C D は、平行四辺形である。
以上より、
2組の対角がそれぞれ等しい四角形は、平行四辺形である。
( 証明終わり )
○ 「 1組の対辺が平行で かつ 等しい四角形は、平行四辺形である。」 を導きましょう。
次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
( 証明 )
AB // CD , AB = CD である四角形A B C D がある。
対角線AC をひく。
[ ] と [ ] について
[ ] より、
∠B A C = ∠D C A ・ ・ ・ ①
仮定より、
[ ] ・ ・ ・ ②
[ ] だから、
AC = CA ・ ・ ・ ③
①, ②, ③ より、
[ ] から、
[ ] である。
合同な図形の対応する角は等しいから、
[ ]
[ ] が等しいので、
[ ] である。
よって、
平行四辺形の定義により
四角形A B C D は、平行四辺形である。
以上より、
1組の対辺が平行で かつ 等しい四角形は、平行四辺形である。
( 証明終わり )
次回の ㉘ 『 証明済みの条件を使う 』 に続きます。