㉕ 『 定義から性質 平行四辺形 』
○ 次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
上の証明は、何を証明したのか?
それは、
角の[ 二等分線 ]上の任意の[ 点 ] から 角をなす2辺に ひいた垂線の[ 長さ ] は 等しい。
ということである。
では、このことを証明して何の役に立つのか?
それは、
三角形の [ 内接円 ] を描くとき、
役に立つ。
なぜなら、
三角形の内角の二等分線の[ 交点 ] から 3辺にひいた垂線の長さは等しいから。
さあ、
実際に三角形の [ 内接円 ] を描きましょう。
△A B C を描きます。
ⅰ) ∠A B C の [ 二等分線 ] をひきます。
(Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ, Ⅳ) ⑳ 『 角の二等分線の作図 』 を参照してください。
ⅱ) ∠A C B の [ 二等分線 ] をひきます。
(Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ, Ⅳ)
ⅲ) これらの二等分線の交点を I とし、
交点 I から 辺BC に[垂線]をひきその足を H とします。
( コンパスの針を I にさし、辺BC と 2点で交わるように弧をえがく。
その同じ半径で今できた2交点に針をさしそれぞれ弧をえがき、
辺BCについて点 I と反対側に交点をえる。
点 I とこの交点を結ぶ直線(垂線)が、辺BCと 交わる点が H である。)
ⅳ) コンパスで I H の長さをとり、点 I を [中心] に 円を描くと、
△A B C の内接円のできあがり。
角の二等分線の作図 ( 4手順 )、
角の二等分線の作図 ( 4手順 )、
直線上に[ない]点 から その直線への [垂線]の作図 ( 4手順 )、
円の作図 ( 1手順 )、
合計 13手順で、三角形の [ 内接円 ] の作図ができる。
内接円の中心を [ 内心 ] という。
【 知識のつながり 】
角の二等分線 の 作図。
↓
直角三角形の合同証明。 ( 使用した合同条件 : 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい )
↓
角の二等分線上 から 辺への垂線の長さは 等しい。
↓
三角形の内接円 の 作図。
○ ついでに、三角形の外接円も描きましょう。
【 知識のつながり 】
線分の垂直二等分線 の 作図。
↓
三角形の合同証明。 ( 使用した合同条件 : 2辺とその間の角がそれぞれ等しい )
↓
線分の垂直二等分線上 から その端点への長さは等しい。
↓
三角形の外接円 の 作図。
線分の垂直二等分線 の 作図
Ⅰ. 線分の一方の端点に、コンパスの針をさし、弧をえがく。
Ⅱ. もう一方の端点に、コンパスの針をさし、Ⅰの弧 と 2交点できるように弧をえがく。
Ⅲ. 定規で、Ⅰ,Ⅱよる2交点を通る直線をひく。
以上の3手順で、
線分の垂直二等分線のできあがり。
三角形の外接円 の 作図
三角形A B C を描きます。
ⅰ) 辺BCの垂直二等分線を描きます。
ⅱ) 辺CAの垂直二等分線を描きます。
これらの交点を P とする。( 点P が△A B C の外心 : 外接円の中心 )
ⅲ) 点PA 間を半径とする円を描く。
三角形A B C の外接円のできあがり。
辺の垂直二等分線の作図 (3手順)、
辺の垂直二等分線の作図 (3手順)、
円の作図 (1手順)、
合計7手順で 三角形の外接円 の 作図完了。
○ 平行四辺形の定義から性質を導く
次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
平行四辺形の定義 : 2組の向かいあう辺 (対辺) がそれぞれ平行な四角形 を 平行四辺形 という。
この定義を使って、
性質 「 平行四辺形は、2組の対辺が それぞれ[ ] 四角形である。」を導く。
性質 「 平行四辺形は、2組の向かいあう角 (対角)が それぞれ[ ] 四角形である。」も導く。
( 証明 )
平行四辺形A B C D がある。
対角線ACをひく。
△A B C と△C D A について
根拠 [ ] だから、
主張 AC = CA ・ ・ ・ ①
根拠 [ ] より、 ( 錯角が等しいから、)
主張 ∠B C A = ∠D A C ・ ・ ・ ②
根拠 [ ] より、 ( 錯角が等しいから、)
主張 ∠C A B = ∠A C D ・ ・ ・ ③
①, ②, ③ より、
合同条件 [ ] から、
△A B C ≡ △C D A である。
合同な図形の[ ] は等しいから、
AB = CD , [ ] である。
よって、
平行四辺形は、2組の対辺がそれぞれ等しい四角形である。
また、
合同な図形の[ ] も等しいから、
∠A B C = ∠C D A ・ ・ ・ ④
② , ③ と
∠B C D = ∠B C A + ∠A C D
∠D A B = [ ]
より、
∠B C D = ∠D A B ・ ・ ・ ⑤
④, ⑤ より、
平行四辺形は、2組の対角がそれぞれ等しい四角形である。
( 証明終わり )
次回の ㉖ 『 証明済みの性質を使う 』 に続きます。