解の公式は導くもの 6 | 学力の創造と向上 高校・大学受験は通過点

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           『 解の公式は導くもの 6 』

○ ( 補講 『 
解の公式は導くもの 5 』 の宿題 )とその解答

 ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] の解をα, β とするとき、

 α+β と αβ の値を求めよ。


(解答)
 ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] の解は
 

 x = { -±√(b²-4ac) } / 2a  だから
 
 
 その2つの解をα, β とすると、

 α+β=
 { -b -√(b²-4ac) } / 2a + { -b +√(b²-4ac) } / 2a 
      =-2b / 2a
      =b / a

   αβ=
 { -b -√(b²-4ac) } / 2a × { -b +√(b²-4ac) } / 2a
      = [ (-b)² -{ √(b²-4ac) }² ] / 4a²                (和と差の積は2乗の差)
      =
 { b² - (b²-4ac) } / 4a²
          = 4ac / 4a²
      = c / a

以上より、
(答え)
 ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] の解をα, β とするとき、
 α+βb / a  ,  αβ= c / a 


解の公式の当たり前過ぎる意味
「 2次方程式の解は、係数と定数(項) から成る。」を認識していたら、

解と係数の関係

  ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] の解をα, β とするとき、

    α+β
b / a 
        αβ
= c
 / a

は理解しやすいでしょう。

そして解の公式が導けたら、解と係数の関係 ( 解の
の値 ) も十分導けるでしょう。
 


◎  2次方程式の問題
 ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] の解をα, β とするとき、

 (1) α²+β² の値を求めよ。  (中3の問題)

 (2) α³+β³ の値を求めよ。  (高1の問題)
 (3) (α-β)² の値を求めよ。 (中3の問題)
 (4) α⁴+β⁴ の値を求めよ。  (高1の問題)

 解答は下の方にあります。



○ ( 補講 『 解の公式は導くもの 6 』 の宿題 )

全問正解するために、復習が必要ならば、
補講 『 平方根のある問題から学ぶこと 1~9 』 を活用してください。


次の( ① ) ~ ( ⑨ ) に入る適切なものを、下の(ア) ~ (キ) から選びなさい。

( ① ) は、ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] が実数解をもつための必要十分条件である。
( ② ) は、ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] が虚数解をもつための必要十分条件である。
( ③ ) は、ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] が重解をもつための必要条件である。

b²-4ac=0 は、ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] が重解をもつための (  ④  ) 条件である。
b²-4ac>0 は、ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] が実数解をもつための (  ⑤  ) 条件である。 

ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] の解が虚数解であることは、
                   b²-4ac<0 であるための (  ⑥  ) 条件である。
ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] の解が実数解であることは、
                   b²-4ac>0 であるための (  ⑦  ) 条件である。
ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] の解が重解であることは、
                   b²-4ac≧0 であるための (  ⑧  ) 条件である。
ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] の解が実数解であることは、
                   b²-4ac=0 であるための (  ⑨  ) 条件である。

(ア) b²-4ac=0   (イ) b²-4ac>0   (ウ) b²-4ac<0    (エ) b²-4ac≧0
(オ) 十分   (カ) 必要   (キ) 必要十分

解答は、
補講 『 解の公式は導くもの 7 』に掲載します。


◎  「2次方程式の問題」の解答
 ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] の解はα, β だから、

 解と係数の関係により、
 α+β=-b / a
    αβ=c / a     である。

 (1) α²+β² の値を求めよ。(中3の問題)

 α²+β²=(
α+β)²-2αβ     { ∵ (α+β)² = α²+ 2αβ+β² より }
       =b² / a² - 2c / a      { ∵ 解と係数の関係 より }
            = (b²-2ac) / a²

 (2)
 α³+β³ の値を求めよ。(高1の問題)

 
α³+β³=(α+β)³-3αβ(α+β)    { ∵ (α+β)³ = α³+3α²β+3αβ²+β³ より }
              =-b³ / a³ + 3bc / a²          
{ ∵ 解と係数の関係 より }
              = (-b³+3abc) / a³

 (3) (
α-β)² の値を求めよ。(中3の問題)

 (
α-β)²=(α+β)²-4αβ     { ∵ (α-β)² = α²- 2αβ+β² と 
                                                                                α²+β²=(α+β)²-2αβ より }
               = b² / a² - 4c / a       { ∵ 解と係数の関係 より }
             = (b²-4ac) / a²

 (4) α⁴+β⁴ の値を求めよ。(高1の問題)

   α⁴+β⁴=(
α²+β²)²-2α²β²         { ∵ (α²+β²)² = α⁴+2α²β²+β⁴ より }
               = { (b²-2ca) / a² }²-2c²/a²   { ∵ (1) と αβ=c/a より }
               = 
(b²-2ca)² / a⁴ - 2c²/a⁴
       = 
( b⁴-4ab²c+2c²a² / a⁴   

2次方程式の問題は、必ずしも「解の公式」を使う必要はない。
「解の公式」を使うと、解答に手間取ったり、答えにたどり着けない場合がある。